第11話 『リサイクル』

K子さんの

家の近くで道路工事があり、


それが終わったころから

おかしなウワサを聞いた。


見たことのないおばあさんが

道端に立っている、

というのだ。


そう言われてみれば

K子さんも


何度か

そのおばあさんを目撃している。


そのときは

近所に引っ越してきた方なのだろう


と思っていたが


「よく観察したら

 わかるわよ」


とママ友に言われ


おばあさんを

じっと見つめた。


「…あッ!」


透けている。


おばあさんの

向こうの風景が

薄っすら見えているのだ。


「な、何なのあれ?」


その夜

ママ友に電話でたずねると


最近は

道路の舗装に


古くなった墓石を

粉砕して使うのだという。


「きっと

 おばあさんの墓石が

  あの辺に

 使われているのよ…」


そう教えてくれた。

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