第4話 『寺の前に立つ女』
その日の帰宅は
すっかり遅くなり、
もう
人通りもなくなっている。
帰り道には
寺があって、
そのあたりが
何より
不気味なのだ。
ふと見ると
その寺の入り口に
女が
ひとり
うつむいて
立っている。
髪の長い
女だ。
顔は見えない。
どうして
こんな夜中に…?
そう考えたら
怖くなった。
とりあえず
女の前を
足早に
通り過ぎた。
その瞬間、
女が顔を上げ、
こちらを見た。
「やばい、
ついてくるッ!」
本能で
そう感じた。
どんどん
わたしの後ろから
足音が
迫って来る。
「やばい、
やばいッ!」
背後の女は
一気に
わたしを
追い越すと、
目の前に
立ちふさがって
こう言った。
「オレ、
男なんだけど」
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