第5話 2025問題と2040問題

 徐々に恒例になりつつある集まり、今回は釧路・月白・闇・光であり聞くまでもなくお茶と菓子を用意してスタンバる。

 

 「さて、まぁ、俺の番であることは明白なんですが、何にしましょうかね」


 ずずとお茶を飲む。


「ではもうあと3年切ったので2025、2040問題でもしていきましょうか」

「急に高齢化社会についてとは!」

「光さん。しかしですよ、毎年恒例のように出産云々鬱陶しいとは思いませんか?」

「実際大変なのは分かるけど大まかな対策は基本的に政府だからね。政府批判ならそれはそれでいいんじゃない?」

「いや、そんな大袈裟なものではないですけどね」

「そうなの? ま、お任せするよ」

「わかりました。

 では、2025から、これは団塊世代、第一次ベビーブーム、第二次世界大戦直後に生まれた世代です。

 年代的には1947年〜49年からとされています。

 今でこそ学生運動など全く聞きませんが、この当時は盛んに行われており、今でもネットで調べれば出てくるほどには有名な運動があります。

 さて、2008年後期高齢者医療制度が発足し、これにより前期高齢者が65〜74、後期高齢者75歳以上に分けられました。

 2008年だと団塊世代は60歳前後、後期高齢者に突入するのは49年生まれの人が

 一番遅くて17年後、つまりは2025年となるわけです。

 2025年度には国民の4人に1人が後期高齢者、超高齢化社会になります。全世界で唯一であり超高齢化社会問題の先駆国という称号が得られる事が確定しました。

 俺たち若者が減り続けており、誰の目から強いても当たり前ですが、医療や看護の分野は不足します」


 丁度一区切りついたところで光さんが手を挙げる。

「はーい」

「はい。光さん」

「釧路君的には対策はあるの?」

「そうですね。そもそもですが、子供の数を増やせばいい訳ですが、例えば貧困で困っているのに子供作ったところでその子供はまともな、というか習い事など通えない為に他の子とはやれる範囲が狭まくなります。

 仁が言ったように簡単に快楽が得られる状況下でその子供たちが将来の為に勉強するのか、というのもあります。それだと貧困から抜け出すことは容易ではありません。

 貧困の連鎖は断ち切ることはできないでしょうし、そうなると子供なんて作っている場合ではない、という結論に至るのも致し方ないと思います。

 なので今こそ所得倍増計画が必要だと思います」

「ふむふむ。なるほど、海外から人を雇う、というのは出来ないの?」

「現在外国人介護福祉士受け入れ国は、インドネシア、フィリピン、ベトナムの3カ国、EPA、経済連携協定を結んでいる国々ですね」

「じゃあ、足りるんじゃないの?」

「いいえ、問題なのは日本語能力の有無、です。勿論各国日本語検定を行なっておりそれに合格しなければなりせんが、そもそも日本語検定自体、非常に難しいらしく合格すらできなかったり勉強するにもお金がいるので一定以上の収入がなかったりと壁が厚いので需要と供給は追いつきません」

「日本語って難しいらしいからね」

「そうですね。まぁ、日本に住んでいる俺たちですらまともに日本語を操れているかと言うと全くそんな事はない。と言い切れるくらいの低レベルなのですけどね」

「ささ、戻って戻って」

「はい。では先程の続きを」


 お茶を飲んで水分補給してから先程の続きを話し始める。


 介護だけではなく、中小企業はまだいいですが、零細企業の担い手の不足も大きな問題です。

 それだけではなく、国内の企業で日本人を雇うことがどんどん困難になってきます。

 海外移住者を雇えばいいという考え方もありますが、日本の仕事量は尋常じゃなく多く、コロナで影を潜めましたが仕事終わりに上司と飲み会などもあります。

 日本人は奴隷のようだと言われますが、現代の我々も思うところはあります。そんな中で海外の人間を雇い入れてもすぐに辞めるのが目に見えています。

 なので現在、定年の年齢引き上げなどにより帳尻合わせしようとしてますが焼け石に水なのは誰の目から見えても明らかです。

 まぁ、それでも現在の我々生産年齢人口、15〜64歳のことですが、まだ多いので今しばらくは日本人を雇うことができないというのはないでしょうが、零細企業の担い手が現在でも不足してバタバタ倒産しており日本経済の地盤を削っているのは明白な事実です」


 咳払いをする。


「何かありますか?」

「はい」

「はい、月白」

「なんで倒産するno

 でしょうか」

「理由はいくつかあるが、これは現在の若者、まぁ、俺らだな。の大半が荷が重い仕事をしたくないというのが傾向としてあるのが一つ、継いだからと言って十分な利益が確保されている保証に売上減少になった際に知恵を借りたり人手が欲しい時に借りれるのか、などが大きな理由だな」

「サポートが充実してないと確かに今回のコロナで売上下がったら回帰するのは難しいからね」

「ま、そういうこった。他になさそうなので2040問題に行きますね。


 2040年、第二次ベビーブーム、1971年〜1974年、今回はポスト団塊世代は別とします。

 74年生まれの人が今48歳かな、あと18足すと66歳、高齢者になります。

 第三次ベビーブームがなかったので、2040年には高齢者数が最高数に達するとされ、現役世代1.5人で高齢者1人を支えるという意味の分からない状況になります。

 更にこのまま順当に医学が進歩したと仮定した場合、2040年には人口の3割程度が85歳以上になる可能性があります。

 ここを何十年かしてポスト団塊が亡くなると高齢問題は一気に無くなりますが逆に生産年齢が今も尚減少傾向であり、経済困窮者が多い為貧富の差はどれくらい広がっているのか、興味があります。

 

「はーい。釧路君的にはその高齢問題はどう捉えていますか~」

「光さん。俺個人としては、我々が高齢者になってできゆるだけ認知症や怪我や入院などをしないようにするべきであると思います」

「んーじゃ、認知症とかにならないようにするにはどうしたらいいですか?」

「ふふ、そこです。俺がなぜこんな高齢問題を取り上げたのか、次の認知症などについての伏線だったのです」

「おー、じゃあ釧路君に期待してる」

「おーきどーきー。他の人は質問ありますか?」

「んーじゃ、はーい」

「はい。月白」

「ぶっちゃけ貯金はいくらくらいあればいい?」

「そうだねー。東京とかだと2000万だけど、兵庫や名古屋とかの都市近郊に住みつつ元気であれば病院とか行かなくて済むし、もし働いていたらとかタラレバ言えばあれだけど1000万あればかなーと個人的には思うかな。闇さんは?」

「今の私達にできること」

「個人的には数十年後にそうだったのか、できるだけならないように今からでも医学や投資などといった情報を集めておく。という無難な答えになってはしまいますが」

「投資について詳しく」

「投資は運が絡むので、医学方面メインでおねしゃす」

「仕方ない」

「他になければこれで終わります」

「次に期待」

「が、がんばります」

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