02 構造が変わってる



 いつまでもこんなあやしい人の元にはいられません。

 私はこの居城から脱出するために、計画を立てることにしました。


 だから、この建物の構造をできるだけ頭に入れようとして、覚えようとしました。


 けれど……。


「区画が、変わってる!?」

「どうしたのかな。クリスティーゼ姫」

「いっ、いえ、何でもないですわ」


 一体どういう仕組みなのかわかりませんけど、数日単位で建物の構造が変わっているようです。


 これは、良くない。


 頭の中につくっていた地図を修正していくけど、変わった区画が多すぎてうまくいきません。


「あっ、あのっ、アルト様」

「何かな」

「なっ、何だか建物の雰囲気が変わっているような」

「よく気が付いたね。不埒な侵入者が入ってこられないように、自動的に構造が変わる仕掛けにしておいたんだよ。だからもう、魔王に攫われた時のような事は起こらない。不安にならなくてもいいんだよ」


 いえ、今が不安です。

 ここから出られるかどうか分からないのが不安なんです。

 何でこんな、魔王並みの脅威が傍にいるんでしょう


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