第2話 生まれた所

「メリオちゃーん!あーそーぼ!」

「いまは、あそんでる場合じゃないの~。」

友達のミイロがよんでる。あの子はいつまでも子供だな…。いつの間にか私はここ、『アクアリウム』にいたの。どこで生まれたのかも、お母さんが誰なのかも知らないの…。家はこのおおーきなガラスで、話相手はミイロとあと一人。そう、あなた。        

いまはショーがやっていて、あなたがえさ(海藻)をバケツにいっぱい入れて話してる…。

「メリオ、来て…。」

あなたに呼ばれたらすぐに行くよ。そう言うようにミイロと私はあなたのところに行く。あなたにもらうごはんは世界一おいしいわ~。ごはんの時間も好きだけどもっと好きなのは、この後。ショーが終わった後のフリータイム。

「かいる、お疲れ様~。」

「お疲れ。メリオ。」かいるは、あなたの名前。 

そうだ。

「ちょっと聞きたいことがあるの…。」

それは、ずっと気になってたこと…。

「私の生まれた所って、知ってる?あと、お母さんのこと。」

「…、ごめん。知らない。」

ほんとっ⁉うそつき…。ほんとは、知ってるはずなのに。

「そっか…。ありがとう。」

―ドンドンドンー

「っ!?」

「-お客様、生き物が驚いてしまうので、ガラスをたたくのはおやめください。-」

何っ!? 誰っっ!?怖いよ~。やめてっ。

「大丈夫?メリオ。」

「うん」

「もう、時間だからごめん。行くね…。」

…わかった。私は、かいるがくれた土管の部屋に行く。落ち込んでいるときは、いつもこう。

「メーリオ!どーしーたーのっ??」

「あっ、ミイロ…。」

あの子は優しい。おせっかいなくらい。2人とも土管の中にいたら、水槽の中には何もいないように見えるのに。

「ありがとう。ちょっと落ち込んでただけだから。」

「そっか。わかった。後で来てね!」

「うんー!」

かいるも大変だから…。応援しなきゃなのに。土管から顔をだすと、近所の人とかいるが話している。

…きっと、私とミイロ『人魚』の話。わたしは、全部見ているんだから。私たちに内緒でアクアリウムから追い出そうとしているんだわ。

それを、かいるが…。止めている?から。

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