第四十九話 聖戦舞祭:紅滅の形、壱
「あ、あれは有栖川さんの<現神戦武装>--?」
「まあ、なんて素敵な形と色がついている剣なのですわねー。内の国が開発しましたのですけれど、昔のカン・ウイエを倒すために召喚された<神の聖騎士>から、そんな剣を使いたいっておっしゃっていたお方がいらっしゃったから、何カ国かの国が総力を挙げて、協力し合いながらあれに近い形の剣を作り上げたと聞きましたわよ。」
「へええー!?そうなのか、エレンー!?」
「はい、そうですわ、ルイーズ隊長。何か気になることがありますのー?」
「はは、ルー。多分、いや、確実に昔の聖騎士ってまたも僕らと同じで日本出身だったかもねー。」
「.....うむ。春介隊長の推測が正しいとワタシも存じておりますね。ワタシ共は隊長達と違って、日本という国を存じておりませぬが、こうして我々のこの<リルナ>という世界にまったく同じ感じの剣が製作されてきたというのは、その仮説以外に思いつけるものはございませぬな。」
「にしー!わたしもそう思うよー!ね、早山隊長~~~?他の3人より外見が違うから忘れてしまいそうになったんだけど、隊長もニホン出身なんだよねー?是非、わたしにもその国について、じっくりたっぷり教えてほしい~~な~。今までわたしはここの3人のメンツとずっと行動を共にしてきたから、男の子の友達いなかったので、そちらの若い男女を混じってのお遊びはどういうものなのか、すごく興味あるよ~~。」
ぼいんー!
ああうぅぅ~.....
ネフイールのやつ!いきなり俺の尻をみんなに隠れて指で撫でたり摘まんだりしてきやがったぞー!
うぅぅぅ.......
さすがは呼称の通り、紛れもない<悪戯好き少女>だな、こいつはーー!
くすぐったいし、なんか変な感覚がこみ上げてきちゃいそうになるんだけど、ここはみんなの目もあるし、我慢しないとーー!
ネフイー!
後で覚えろよーー!
...............
「へえええ~~。それがあんたの<現神戦武装(ディヴァイン・アームズ)>かーーー。」
「そうですね。こちらは私の<紅蓮禍刀(グレンカトウ)>です。」
「へええ~。 有栖川さんって女性の侍と大和撫子が融合された.....文武両道で完璧な深層な社長令嬢ってことが連想されやすい印象があるからやっぱり、日本刀ってあんたのイメージにぴったりだわ。」
「そういう君だって、すごかったじゃないですか?さっきの<束縛繋緑色爆弐連出(シシメニオス)>なんでしたっけー?の威力が半端ありませんでしたね。おかげで、こちらも少々の痛みを感じていましたよ。」
「その割りには平気のように振舞っているんだけど......」
「そうですね。まあ、強がりってところを見せてあげないと、有栖川財閥の時期党首を継ぐ娘は............務められませんですからねーー!」
びゅーーーん!!
風きり音と同時に、いきなり梨奈の方に向かって駆け出した。
一瞬の間に、既に真正面にーー!
「--ふーーん!」
一閃の刃が下段斜めから振り上げられた。
「--!?」
それを目に捉えた梨奈は寸でのところで当たりそうにはなったけど、かろうじて後ろへ身体を後退することによってかわせたーー!
「ふん!せいー!はあー!よー!せー!むー!はー!」
シュシュシュシュシュシュシューーーー!!
次の5秒の間に、25回以上の剣線を描いた有栖川がいる。当然、梨奈もそれが見えて、鞭を防御具として応戦し、凌いでいけるよう頑張っているーー!有栖川さんは賢いから、リーチと間合いが幅広い梨奈の鞭に対抗するためには、至近距離の攻勢に出る必要がある。だから、そんな絶え間ない攻撃を続けているのだ。
シャシュシャシュシャシューーー!!
鋼鉄製の鞭は容易にその<紅蓮禍刀(グレンカトウ)>を押しのけたり、弾いたりもしたけど、有栖川さんの腕の動きがあまりにも早すぎて、この2週間の訓練を経てやっとわかってきたけど長期戦に弱いはずの梨奈は鞭を振るうのに疲れが出てきてー
「クーっ!うぐ!きゃー!」
「防御に隙間発見!そこー!<斬空飛突貫>!」
バシーーー!
「きゃあああーーーーー!!!」
ローズバーグ会長の<リンガ>が発動されている最中だから、物理的な傷が出なかったけれど、それでも痛みを感じた梨奈は有栖川さんの刀の振り上げが当たって、神使力も纏われたその衝撃は彼女を遥か上空へと突き飛ばしたーーー!通常なら、あれだけじゃなくて完全に切り裂かれ血飛沫を流すところだったけど、リンガがあるからそれはない。
「これで食らわせて上げましょう。有栖川流と神使力の両方が交じり合った融合剣術、その名はー紅滅の陣、壱。」
「「「「--!!!!!」」」」
梨奈だけじゃなくて、遼二やローザさんを除いて俺ら第4学女鬼殺隊4人は驚愕した。
それもそのはず、既に梨奈の上空に跳んでいった有栖川さんが紅色のオーラを刀に纏わせて、梨奈を何箇所かそれで斬撃を繰り出している最中だから!
あれ、早すぎて反則級だろうーーー!!
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