第四十八話 聖戦舞祭:緑光の爆、そして........

森川梨奈が有栖川姫子と試合を始める時に、一方その頃の首都の離れた住宅街のある区画に:


「ね、ね、母さんー!さっきあそこの方向にあった空で、すごい音のした超大きな爆発があったけどなんだったのかー!?」


「あれはね、うちの国の王女姫が現神術をご発動なさる際に発せられたものだったわよ、リデル」


「わあおー!本当にすごいね、王女姫ーー!ところで、なにか空から降ってきた神滅鬼でも退治してたのかなー?」


見た目からして、12歳か13歳の少年と思われるリデルと呼ばれた男の子が一人の40代の女性にそう聞くと、


「いいえ、今は、<聖戦舞際>の開催日なのよ。さっきの爆発は、王女姫が対戦相手である、学園生の選手と試合してるところだからだったわよ。」

「へええーーー。相手もきっと強いんだろうなあぁ........」

と、関心してるリデルは母親と共に、<聖メレディーツ・コロシアム>のある方向へと目を向ける。

.........................

.............


<聖メレディーツ・コロシアム>にて:


「やあああああーーーーーー!!!!」


そう大声を上げながら意気込んでいた梨奈は自らの握り持っている、鋼鉄で出来ている銀色な鞭、<キリスカ>と名づけられた<現神戦武装>を皮製な腰留めから抜き取ると、柄を片手に、数メートルも前にいる有栖川姫子に向かって、鞭を伸ばしつつ横薙ぎで振るっているところだ。


「ふーーう。」

落ち着いた息を漏らした有栖川さんは跳躍し、避けたんだけど、


「隙ありー!せやああーーー!」

シュウウウーーーーーーー!!!


風切り音と共に、既に横薙ぎとして伸ばされた<キリスカ>を巧みに操って、有栖川さんのいる上空に向かって、蛇のような軌道に変えて上へと方向転換させて、彼女の片脚に絡めて、容赦なく舞台上へと突き落とさせたーーー!!


ゴドーーーー!!

「くっー!」


短く呻いた有栖川さんなのだが、休ませないように、梨奈が、

「受けて見なさいー! <束縛繋緑色爆弐連出(シシメニオス)>---!!!」


そう唱えた梨奈は有栖川さんの脚に絡められたままの鞭を通して、柄のところから刃となってる部分がはじまったそこに、緑色のオーラが出現し、それが恐ろしい速度で脚に絡んだ鞭の部分までに拡大し到達したのである。


バコオオオーーーーーーーー!!!バココオオオオーーーーーーー!!


緑色の爆発が2回も連続で炸裂し、舞台を光り輝かせて緑色の煙も発生し両者の姿を眩ませたーーー!!


「森川さん、開戦早々やりましたわね。鞭使いとして<武器限定>の第2階梯の<現神術>をすぐ使うとは獰猛さがあって攻撃的な戦い方ですわよね?」

「ああ、そうだな、エレン!梨奈は昔からああも.......積極性のある子で、勝ち気で躊躇いのない性格の持ち主なので、早い段階から派手に暴れるのはあいつの性分だ。」


「それはきみに対しても、だなー?」

「そんな余計なこと言わなくていいぞ、遼ーー!」

バシーー!


と、親友につっこみを入れられたので、軽くシバいてやった。


「ははは.....冗談だ、ルー。で、結果はーー」

「おおおーー!見てーー! 雄姿現るってものだよ、あれー!」


と、遼二に続いて、そう声を上げるネフィールだった。

それもそのはずーー


「やれやれです。開幕したばかりなのにいきなり大技つかってくるとは、せっかちな娘ですね、森川さん。」


と、緑色の輝きと煙が晴れてきた今、ようやく有栖川さんの姿があらわになったのであるー!梨奈の鞭は引き戻されたようで、もう伸びてない様子だ。


そう。紅色の長い日本刀に近い感じの剣を片手に、黒髪ロングを風に揺らされつつ優雅な横向きのポーズを決めながら、不敵な笑みを見せて赤髪少女である梨奈をその瞳で捉える有栖川さんがそこにいるのである。


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