第三十七話 聖戦舞祭:決着。そして...
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ.........
「受けてみなさい、ネフィーーーー!!!」
天高くまで聳え立つような巨大な氷山がゴゴと地響きを立てて、ネフィールを覆しつぶさんばかりに落下を始めようとした!
ドドドドドドドドドーーーー!!
そのアイスの山が早い勢いで、ネフィールのいる方向に落下していくのだが、そのあまりの高さや大きさに、舞台を取り囲んでいる観客席や俺たちのいるここの待機室にまでも巻き込んで、覆いつぶすように見えるのだが、
ガチャー!ガチャー!ガチャーー!ガチャアアーーーー!!!
ローズバーグ会長の<防衛対象完全守護(デジョズ)>にて、こちらに落ちようとしたその氷山の上部が頂点にまでいたる箇所で、綺麗さっぱり打ち消されたのであるー!
「「「ネフィールー!!(ネフイー!!)(セラッスー!)頑張ってそれを打ち砕いてみろーー!(打ち砕いてみてー!)(打ち砕いてみせて下さいましー!)」」」
応援の言葉を上げる俺ら3人を元に、半分以上ぐらい打ち消された氷山の下部は今、猛烈なスピードでネフィールーの眼前にまで迫っているが、その瞬間、彼女の顔には悠然とした表情に変わり、事態を達観した感じですべて受け入れようとするような姿勢になったと捉えられるけれど、
「にしー!第6階梯の雷系、<大霹靂貪欲雷帝竜、最後の形態、大噛千切る乱舞(ゲラデイーシフォルス)>」
いきなり微笑を浮かべるかと思うと、次には声高らかにそう唱えるーー!
「第6階梯ですってーー!?あ、ありえないわーー!」
エリーゼ先輩の反応が聞こえてきてるんだけれども、もうそれに集中する暇もなく、今のネフィールの身体の変化には目に見張るものを感じる。だって、
「はああああああーーーーーー!!!!」
前回のゾウーレツ戦と同様に、神使力を爆発的に開放しているネフィールはまたも竜の形をしている青色の雷みたいなのができあがったけど、前の<ケルドアーン>と違う点なのは、今回のあれは頭だけじゃなくて、全身の翼、4足や尾までもが揃って、ネフィールとあの氷山との間を阻んでいるように堂々と佇む。
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ネフィールの視点:
(これでいいんだよね。エリー、きみがわたしより強かったのは前々から認めるんだよ。でも、あれから2年近くも経ったし、ずっとこの技を身につけるように鬼のような訓練や練習を重ねてきた。なので.....)
「今回は負けないよ、エリー!せやああーーーーーー!!!!」
この雷の竜を操って、エリーの放ったあの氷山、<轟々巨々大撲潰屠剛氷山(ネゾネザジャフイードス)に向かって、走らせたーー!!
なんか、こんな形でエリーと勝負するのって、楽しく感じるのはわたしだけじゃない気がするね。そうでしょーエリーー?
そう。あの時のように。
3年前.........
「<切刻尖鋭恐氷凍刃(ノガローソッス)!!はあああーー!!!」
「ひぎゃあーー!」
ありったけの神使力量をそのグラエンズに注ぎ込んだみたいで、鍔迫り合い状態だったわたしたちがエリーの激しい振り上げによって、その握り持っている氷の刃が生えるロッドの振り上げから発生された風圧にて、わたしを吹き飛ばした!
「これで、あたくしの勝ちわね、ネフイー。」
ロッドの先端から伸びる氷の刃みたいなものを喉に突きつけられたので、降参するしかないわたし。吹き飛ばされたわたしの位置にまでこんな瞬間的に駆けよってこれたのって、本当に早いんだね、エリー!
「ううぅぅぅぅ..........相変わらず強いんだね、エリー!なんか憧れちゃうよ、きみのような力を持つ女の子。だから、次は必ず、エリーを超えてみせるよー!絶対だからねー!にし~。」
そう。あの時はわたしが中等学院2年生で、13歳なんだけど、エリーの方もわたしと同じ2年生だけれど、一つ年も上なので14歳だった。
わたしより一年も年上なんだから、それでなんか意地みたいなものを抱えて、わたしよりずっと強くありたいという心理もあって、いつまでもわたしより強いと自慢したいみたいな変なところに拘ってるんだよね.......
両親からのプレシャーでストレスいっぱいだとも打ち明けてくれたし、たぶんその所為で、唯一の開放方法として、わたしをライバルとして認識し、そしていつまでもずっと勝負にて勝ち続けていきたいと思うのはその一環として含まれるんじゃないかって思うんだよね.......。
だから、今回は........。
「エリー!!今回はわたしの番で、きみをその呪縛から開放してやるんだねーー!別の方法だってあるっていうのを自覚させてやりたいから、何があっても許して頂戴なーー! やああああーーーーーーーー!!!」
竜を操って、その氷山にぶつけさせたーー!
ガチャアアーーーーーー!!!ガチャアアアーーーー!!! パチパチーーー!!パチパチーーー!!!!
電流の火花が撒き散らされたーー!!わたしの雷の竜である<大霹靂貪欲雷帝竜、最後の形態、大噛千切る乱舞(ゲラデイーシフォルス)>にて、エリーの氷山を噛み千切ろうとするーー!!
バチーーーー!!バチイイイーーーーーー!!!!
その際に発生した電流の迸りは渦みたいで凄まじくて、みる者の視線を釘付けにするように花々しくもある。
「ぐっーー!ネフイーーーー!!!まだまだよーーー!!!はああああーーーーー!!!」
それに対抗するように、エリーも咆哮をあげてわたしの雷竜をその氷山で押し返したり、こちらまで覆し潰そうとするようだが、生憎とわたしの雷竜も同程度の力を持ってるから、今のところ拮抗としてるんだよね~~~~。にしし....。
「はあああああーーーーーー!!!!」
「やあああああーーーーーー!!!!」
その後、どれほどの時間が経つか、この攻防に夢中で気づく術はなかったけれど、たぶん5分も経つかなーーー?
そろそろ、ジェシー・クレファスを持っているこの両手までも痺れてきたし、神使力量も底を尽きそうで、両膝もがたがた震えていて倒れそうだし、眩暈も沸き起こるように気絶しちゃいそうに弱ってきたけれど、それでも......。
「やああああーーーーー!!!!これで最後だわーー!!受けてみなさいーー!!ネフィール・フォン・セーラッスーー!!!」
そう咆えたエリーは最後の一滴までの神使力量を消費して、その氷山に注ぎ込んだらしくて、いきなり落下してくる勢いが増して、
バチャーーー!!バチバチバチーーーー!!!!
やだーー!わたしの雷竜がじわじわと打ち消されようとするみたいで、危ないーー!このままじゃーー!!
「はあああああーーーーー!!!!」
すべての神使力量をこの雷竜に注ぎ込んだわたしは強烈な眩暈を感じて、それでなすすべもなく地面に倒れて、意識が...........
.............
......
バチーーー!!!バッチイーーーーー!!!!
ゴオオオオーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!
_________________
耳を劈いたような轟音や舞台を覆いつくした視界を眩ませたような眩しい光の後、徐徐に晴れてきた.............。
さっきの巨大の氷山は消えたので、おそらくネフイールの雷の竜で打ち滅ぼされたんだろう。でも、かといってその竜も跡形もなくなくなったので、両方が同時に打ち消され合ってるーーー!!?
で、舞台に視線を集中すると、
両者もが地面に倒れ伏して、気絶してるようだ。どっちも。たぶん、エリーゼ先輩も神使力量をすべて消費したらしくて、枯渇状態になり気絶したんだと思われる。ネフィールも。
「8,9、10-!両者、どっちも気絶してるのだーー!!この第一試合ーー決着がついたーーー!! 引き分けだーー!!」
10まで数えたローズバーグ会長から、そういう判定が下されたー!
ネフイール........
勝たなくて残念だったけど、あのエリーゼ先輩と互角に戦って、引き分けにまで持ってきたのって、最高だーーー!!!頑張ってくれてありがとうーー!!
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