第五話 春介遼二サイド:神滅鬼の襲撃

「初めまして。僕は春介遼二だ。こちらは僕の昔からの.......幼馴染である、有栖川姫子だ。」

エルザーちゃんの自己紹介につられて、僕も自分とこいつの紹介を済ませた。

「自分はエリーというよ、エルザーちゃん~~~~。~~~エリー姉ちゃんと呼んでくれて嬉しい~~~。」

「うん!知ってるんですよ!エリー姉ちゃんはローザ姉ちゃんと同じ隊員ですものねーー!」

そういってはしゃいだように満面な笑みを見せるその子なので、なんか二人の微笑ましいやり取りを目の前にすると、ガールズラブに見えてるので思わずにやつきそうになったんだけど、こちらへと向かってくる中年.......もとい、40代の見た目をしているコート姿の男性に気づいたー。

ドンーーー!!!

「痛っーーーー!!」

その男性はあろうことか、エルザーちゃんの頭に拳骨を振り下ろしたのだ!

「こらーー!いってんだろうー、エルザー!ここはお店なんだから、そんなにドアを勢いよく開けるんじゃないー!他の客に迷惑だろうがー!それに、ファイットレーム嬢ちゃん達は会議中みたいなんで忙しいみたいだけど、挨拶が済んだら、こっから離れるんだーー!」

「うぅぅぅ........わかってるよ~~伯父さんーー。そんなに殴らなくても~~うぅぅ..........」

拳骨をお見舞いされて痛がってるエルザーちゃんを見ると、なんか可哀相なあぁ.........そんなに怒んなくていいじゃんかーーおじさんよー!というか、あんた誰だよーー!


「まあ、まあ、スミー殿、そんなに怒らなくていいですよー?まだ子供ですし、はしゃぎすぎて回りに配慮がたまに配れなくても仕方のないことだと思うのでありますよーー?それに、今のワタシたちには時間がたっぷりとありますから、会議は今度の機会があればまたすればいいので、エルザーちゃんにきつく当たらないで貰えますかーー?」

「うぅぅ......まあ、去年はオレ達の共通として住んできた町である、<ヤノス>に神滅鬼2匹を単独で討伐してくれたのは他でもない、英雄様である嬢ちゃんだから聞かない訳にはいかないなぁーー。それも7番目級である、<ソリグ>級でー。ああー!ごめん!敬語を使うべきでーーでーありましょうーーかー??」

自分の砕けた口調を後悔したか、慌ててそれをローザさんにたずねた。

「いいえ。構いませんよ、スミー殿。そのままでいいですから。何故なら、スミー殿はワタシより2倍以上も年上なのでしょうー?貴族とか平民とか関係無しに、我が家では年上の方が真っ先に尊敬すべき対象であると教えられてきましたので。」

きっぱりとそういったローザさんなので、それ以上何も言えなくなったその中年男性。というか、さっきのエルザーちゃんの口ぶりからすると、伯父さんなんだな、その人。


「お二人はこの王都に用事でもありますかー?」

「ええー!そうだよ、嬢ちゃん。家に使うための<エンフェロ小クリスタル>の買い替えをしにやってきたんだよーー。」

ん?<エンフェロ小クリスタル>って確か、今日の授業で習ったんだっけー?えっと、確かに、そのクリスタルっぽいもの、(いや、クリスタルそのものなんだけど)は家庭に一家一家にあるかないか程度の中程の値段で売られていて、それが設置されると、女王陛下からのお知らせやご発表なさる事項がお城からの映像として映されて、音と同時に聞こえたり見れたりできるような便利なものなんだっけー?なんか、用途は僕達の世界におけるテレビそのものなんだけど、敢て違う点を挙げるとすれば、そのクリスタルが映像として映せる回数はなんと、3回までで、それが切れたら、二度と映像を映せなくなるので、新しく製作されているものを購入しにいく必要があるらしい。


しかも、それがこの国で売られているのはここの王都で唯一だと聞いたんだから、やっぱり不都合な点が多すぎるなあーそりゃーー。で、ちなみに映像として映せるのも、女王が使っている現神術を媒介にできているものらしい。その現神術だけを唱えると、女王から距離がそんなに遠く離れずに(400キロメートルが目安かなーー?)ある特定の地点に絞って、直径300メートルとしての反響範囲にてお声を届かせる事ができるらしいとの事なのだけれど、映像として見れないので、そのクリスタルを使わないとお顔をご拝見できないみたいだなーー。


「じゃあーまたね、ローザ姉ちゃん~~!」

「またなぁー!」

と、軽い別れの挨拶と共にお店を出て行った二人。

「可愛い妹さんなんですねー?」

「ふふふ.....そうではありますねー有栖川殿。エルザーちゃんとは5年近くのお付き合いもあって、彼女が4歳の時にお知り合いになったのが始めてでしたねー。」

「その話、エリーも何度も前に聞いたよね~~~?」

「そうですね。まあ、それを話すのは今度の機会ということで、今はさっき、5番目級の神滅鬼について、言おうとした春介殿ではありますねー?続いて下さったもいいんでしょうかーー?」

「ああーーああ!もちろん!では、5番目は<カーシム級>といって、これはあの<サカラス>と呼ばれてる奴より強いんだねーー?で、その次に4番目というのは<ロディーン級>で、3番目は<ノーゴル級>だ。2番目は<エンダイス級>で、一番強いとランキングされた階級はその伝説の神族を簡単に滅ぼせる、あの饗宴場で聞いた、<デージャス級(神話級)>だよねーー?」

今度はスラスラと階級すべてを述べ切ったので、さっきの苦労はなんだったのだと言いたくなるほど、時間の無駄とも言える有栖川とエリーゼ先輩からの無意味な集中セクハラ攻撃だったなあー!


「はい!よく覚えていますね、それらの階級全てをー。では、聖メレディーツ女学園では<ナムバーズ>という強さランキング階級があって、それで全員が10人までその中に数えられるのって既にご存知ですよねー?」

「ええ。それもばっちりだ。10人目とランクされてるのはネリス・フォン・アシュトンで、9人目は先日、ルー.....早山君が倒したあの、フェルリーナって子だったんだよねー?ああー!ところで、あれからどうなってるのー?彼女の処遇って。会長が既になんか決断した事ってあるのかー?さっき、会長と一緒の武器庫で聞くの忘れてたんだ。」

「よく思い出したんですね。まあ、ワタシは生徒会の一員ですから、会長の下したご決断なら真っ先に知るようになれる人物でもありますからね。では、昨日は彼女が気絶して生徒会室へと運ばれたら、エレン姫殿下や会計職を務めるリシェールさんと一緒になって、彼女の様子を眺めていたけれど、一向に起き上がる気配がないので、身柄を会長の実家へと預かって頂いてるんです。」

「つまり、現在、フェルリーナさんがどうなっているのか知ってるのはローズバーグ会長とその家の人間だけということなんですねーー?」

「はい。」

有栖川の問いに対してそう短く答えたローザさんなので、さっきの続きといわんばかりに、僕も言い続ける。


「では、8人目はリンゼリアー・フォン・グラハムで、7人目は早山君の現在、率いている第4学女鬼殺隊(メーイビル)に所属しているネフィール・フォン・セーラッスだね。あのムカデと戦ってた時に使った<現神戦武装>、あの鎖に繋がったいる二本の刃って、マジですげえっすねーー!」

「エリーもそう思うよね~~~~!ネフィーっちってかっこよかったよね、あの時~~!?なんか、ズバッと両側についてる数本の触手を切っちゃってて惚れちゃってもいいように凛々しい姿だったよね、遼二っちーー!?」

「僕もそう思わなくはー痛ぇーー!」

そう。エリーゼ先輩に同意を示そうとしたけれど、テーブルの下では太ももが有栖川の手によって抓られたので痛みを感じちゃった。

「どうしたのですか、春介殿?」

「......いや、なんでもない。.....続けるよ。」

咳払いしてから、痛みも消えたので声を発する、

「6番目強いのが、ここの僕の左隣の席に座っているエリーゼせん.....さんだ!」

危なかった。今まで、エリーゼ先輩は実は僕たちより年上だって知ってるのは彼女の身内で同じ隊員だったエレン姫、ローザさんやネフィールだけのはずだ。僕がその事実を知ってるというのはローザのまだには知られてないはずだ。なので、慌てて言い直した。

「エリーです~~!ね、遼二っち~~~~♥️?」

今度は可愛く顔を満面の笑みに変えたけど、マジでそのぶりっ子モードどうにかしてくれないかなー?君の本性を知るからにはそれが不自然すぎて笑っちゃいたくなったり、呆れたりしちゃうくらいだよ。

「ええ、あの<サカラス>と戦った時に小型ロッドを使っていたよねー?その.....たくさんの氷柱を出現させた時に。」

「はい~~~です!あの<現神戦武装>は<グラエンズ>といって~~~~エリーの一番好きな武器だよ~~~~!」

ん?その言い方だと、まるで前に別のものを使っていたという口ぶりだけど、まあ、これは後で聞こうかな。彼女との<誓約>もあるし、いつでも聞けるしなーー。


「5番目はリシェール・フォン・ノアーズで、生徒会に所属しているもう一人の子だよねー?」

「その通りです、春介殿。彼女は内の会計を務めていますよ。」

「生真面目そうな子に見えますね。でも、無口っぽいので、恐らく内気なタイプかと思われます。」

それは誰も目から見ても明らかだよ、有栖川。

「で、4番目は君だね、ローザさん?」

「はい、そのように御座います。」

いきなり礼儀正しく頭を下げてきたもんだから、苦笑を浮かべてしまうんだよねー。

「その時は凄い風を起こしながらあの槍から数え切れないほどの光線を放って向かってきた触手をすべて迎え撃ったんだよねー?あれは本当にすげえっすよー!」

「ふっふっ......お褒めに預かり、光栄で御座いますよ。あの時、<エイン・シルファース>という<現神戦武装>を通して、<シャードゥン>という<現神術>を放ちました。それで光線が何条にも及んで槍の先端から放出されて、<害意>のある攻撃すべてを悉く消滅させるような強力な破壊力を有するんであります。」

ふむ。それもそうか。だって、全ての触手を跡形もなく打ち消したのだからなぁ。

「では、次に、3番目強いのは他でもない、この国の第一王女であるエレン姫だな。もう言うまでもなく、強すぎるっすよね!あの時、<サカラス>の頭部を真っ二つに切り裂けた時は全身の<神使力>に守られて、奴から飛び散らされた血と肉片が接触した途端すぐに蒸発させられたんっすよねーー?あれはマジですげえし、それに、ルーの時も彼を縛り付けていた<破壊のなんとか>っていうもので構成された触手4本を簡単に切り落とせたし、本当になんでもありな戦闘少女だねって思った。今はルー、もとい早山君の第4学女鬼滅隊に所属してるんだね。」


「そうですね。これで、たとえ神滅鬼と戦うことになっても、早山君の身には万が一のことも起こらなさそうですね。」

有栖川の思ったこともあながち間違いないのである。だって、マジで半端ないっすよねー、お姫様の持つ神使力って。

「では、2番目と1番目は誰でしょうかー?」

そう聞かれたので、ローザ先輩に向き直って、こういう:

「えっと.......2番目強いのは.....アイシャ・フォン・ルゼーヴィンヌという子で、彼女はアスリン王国から一年も前から、ローズバーグ会長と同時期に留学してきた、第一王女様だよねーー?」

「その通りで御座いますね。同じ王族として、あの人は我が国のエレン姫殿下よりもお強い方ですし、ローズバーグ会長というシュフリード王国の第二王女に続いて、まさか他国の王女様がこの国にて設立されたこの国際的学園で、二人までもが我が国の王女殿下よりランキングが上とは、少し皮肉に感じてしまいますなー。」

「では、ランキング階級としては全てが述べられたので、もう理解できますけど、不明点があるとすれば、その......神滅鬼の全階級と比較すれば、誰がどこまで対処できるのかしらって思っちゃうんですけれど、教えて貰えませんか、ファイットレームさん?」

有栖川のやつ、相変わらずストレートにローザさんにものを聞けるようになったんだなー。

「簡単なことですよ、有栖川殿。先日、フェルリーナって子がいましたよねー?では、彼女と彼女を倒した早山殿の実力は、ワタシの判断が間違いないのであれば、神滅鬼9級である、<アングラン>級を容易く屠れると思っておりますよ。」

「ってことは、8級目以上は苦戦するということっすかー?」

「んんん.....苦戦っていうと、難しいってイメージが沸きますので、それでカウントされるかどうか分かりませんが少なくとも、それが集団となって単独でやり合うというならばある程度は色々工夫しながら、倒していくのがしっくり来ると思いますが.......」

「つまり、一対一ならまだしも、集団として襲い掛かってきたら、苦戦する可能性が出てきますよねー?」

「エリーはそう思うよ~~~~!ね、ローザっち~~?」

「.......まあ、そうとも言えますね。でも、今の早山殿の実力はどの程度のものか、未知数が多いため、正確には判断できませんが........」

まあ、それも当然か。<神の聖騎士>の一人だからなぁ、あいつ。


「まあ、総括的に説明すると、この学園の<ナムバーズ>5番目強いというリシェール・フォン・ノアーズを目安にすれば、彼女は容易に神滅鬼6番目強い<ラングル級>を屠れるよ。」

「つまり、あの時の<サカラス>は彼女にとって、敵ではないということなんですねーー?」

「正にその通りで御座います、有栖川殿。3番目お強い方である我が国のエレン姫殿下ならば、あの平野にいらっしゃった時はそれも単独で倒せてたのですけれど、部隊としての連携でどうにも一体として戦う事に慣れすぎて、一人で行動するのが憚れるという心境となってしまってるんですね。」

なるほど。緊急時が起こる場合、それも適切な判断ではあると思うんだよね。

「じゃ、ローザバーグ会長はーー?」

それを尋ねたら、今度は複雑そうな表情を浮かべてしまうローザさんではあるが、どうしたのーー?

「.......それは、正直に言いますと、ワタシもどう判断すればいいのか、さっぱりですね。.......だって、彼女の実力は恐ろしい程のものであるとこの一年間で何度も見せられてきましたし、彼女が本気になった時はどうも想像するが出来ませんよねー。まるでーー」

「超えられない壁が目の前にある感覚に思えますでしょうかー?」

有栖川の問いに、

「それも言えますね、はい。」

「じゃ、ってことは、例えば、神滅鬼の4番級である、<ロディーン級>が現れても、会長が簡単に倒せるっていうのかーー?」

「それはワタシも聞いたことがありませんので分かりませんけれど、5番級である、<カーシム級>なら、昔に会長が倒したことがあったと聞きましたよ!それも、単独で、この学園に入学する前にずっと前のことらしいです。確か、彼女が13歳の時に、シュフリード王国にて、とある中等学校に通っていましたが、<カーシム級>が一匹、自国の<アルサン>という町に襲撃していったら、会長は王家に代々と受け継がれてきた、ダーガの形をしている<現神戦武装>で、それを苦もなく、何事でもないであるかのように倒してたんでしたよ、その場に同伴したクラスメイトと護衛役である自国の宮廷ヴァルキューロアの目撃証言によれば.......。」

なにそれーー!?すげえじゃーーん!あのムカデよりも強い<カーシム級>を一人で、倒しちゃうんだからーー!

「はむはむ........はむはむ.......」

ん?左隣にものを咀嚼してる音が聞こえたので、振り向いてみると、どうやら、ケーキを食べるに夢中なエリーゼ先輩がいて、ローザさんと僕たちの話が意識にない様子であるな。子供かよーーあんたはーーー!?


で、その後は軽い雑談を交えながら、軽食を食べていたのだけれど、チームとしての連携、総合的な戦術、戦闘態勢や心構えは今度、話し合うことにするということで、今はエリーゼ先輩の買い物に付き合うために、街に繰り出していった4人の僕たちがいる。第5学女鬼殺隊としての活動はまだ先になりそうなんだが、こうして普通にショッピングしにいくと、なんか楽しく感じる僕がいるのは、平和な日本国からやってきた所以であるかもしれないね。


「ううおおー。それにしても、この王都って、白をモチーフに使われてる建物と家屋がいっぱいなんだな........屋根と形もなんかドームっぽいに見えるもんも多いし.....」

人に溢れかえっていて、往来も激しそうな繁華街にいる僕が真っ先に思ったことはそれだ。

「それに、ここの繁華街にあるお店とか野外屋台の全てに清潔感と整頓感が溢れていて、まるで我々の日本国とそっくりな雰囲気も感じますねーー。」

「ふっふっふ!そうでしょ~~~!??エリーもこの国の建築スタイルが好きで、他の国とは比べられない程に独特な感じがしちゃうとも思ってるよ~~~!」

「当然ですね。聖虔白女のいる王国と同程度に、潔さが強調されている雰囲気を第一に考えて、ものを作られている事を美徳としますからね、我がゼンダル王国では。」

「あああーー!あそこだよ、遼二っち~~~!エリーがもっとも行きたかったお服屋がーーー!」

ん?先輩にシャツの裾を引っ張られたので、彼女の指差した方角に目を向けてみると、

「おおうー!」

そう。大きさも十分あるような広くて高い一軒家があそこにあって、お店の玄関ドアの両脇には細長い窓ガラスが二つあって、その中には陳列台と展示代に並べられていたり、ハンギングスタンドに掛けられた何着の服とドレスがいっぱいだ!どうやら、良く見ると右側の窓ガラスは男性用で左側のは女性用ばかりが飾れられているようだーー。


で、その中へ入っていって50分近くも経っちゃったけど、まだ物色したり試着するの終わらないままかよーー!?男性用のセクションにいる僕だけど、そのにある窓ガラスに視線を向ければ日が暮れそうだから、マジで寮の門限に間に合えなそうだけど、早くできないのかなーーあんた達女子はーーー!??

「遼二っちーーー!エリーのこのワンピース~~~♥️どう~~~♥️??」

先輩のはしゃいでる声が聞こえてきたので、そこに視線を移動させてみれば、

「おおううーー!」

そう。彼女が今着てるのは、とってもセクシなワンピースである。オレンジ色をしている、人の目を引くような派手な衣装で、胸元が制服と同様に上の部分が開いていて、彼女の小柄な身体に似合わないその大きいな二つの肉の塊がもっとも強調されてる作りとなっている。それに、生地も薄いかのように、透け透け感が半端ないなー!彼女が半回転すると、後ろにある肉つきのよい丸いお尻がはち切んばかりに、膨張してるように見えるぞー!それって、マジで絶景すぎるっすーー、先輩ーー!

「どう遼二っち~~~♥️?似合う~~~~♥️??」

「ええーー!はい、そうですよ、せんぱーじゃなくて、エリーゼさん!それを着るとなんか目が引き付けられて視線が離せなくなるって言うか、とにかくそのデザインが綺麗で可愛すぎて、素敵っすよーー、エリーゼさん!!」

思ったことをそのまま感想として褒めてみれば、

「えへへへ~~~~~~。もっと褒めて褒めて~~~~♥️!<エリーだけの>りょう・じ・っち~~~~♥️」

うううおおおーーー!なんだこれはーー!なんだこれーー!!この弾力性たっぷりなぽよよんとした物体はーーーーーー!!!僕、今は先輩に密着されてる状態にあり、身体を擦り付けられてるので、気持ちいいやら昇天しちゃいそうやらで、大変っすよーー!それに、下半身のあれもーーー!というか、さっきは控えめな服ばっか


「春介君ーー。お楽しみ中で、何より.....で・す・ねーー?」

ああーーー。今度は有栖川の奴がその色っぽい感じのある華麗な黒色のドレスをその白い肌とマッチして、より鮮やかさが顕著となってる格好で以って、こっちへと近づいてくるーー!妖艶なくねくねを交えての優雅な歩み方だけれど、なんか引きつってる笑みを浮かべて怖いんっすけどーー。と、そんなことを思いながら、いっそうエリー先輩に強くしがみ付けられると、


リイイイイイイイイーーーーーーーーーーンンンン!!!!!!!

いきなり、そんなけたたましいサイレン音が炸裂してきたんだけど、何事だーーー!!?

「おいいーー!!早く見に行くぞーー女王陛下からのご発表だぞーーー!」

「それにしてもーー!こういう緊急時用のサイレンって、もしかしてーーー!!?」

「そこにいらっしゃるお客様3人、非常時を知らせて下さるようなサイレン音がお聞きになりましたでしょうねーー?なら、お急ぎ外へ参りましょうー!それは、この王国に関する大事な出来事と事柄に関する女王陛下からのご演説とかもなされるかもしれませんので。」

「おい、ナイラー!もたもたするなーー!早くあそこの第2広場に設置された<大クリスタル<シェフォーニ>へ行こうーー!」

慌ててお店から外へ走り出していった客と数人の店員さんがいるので、僕たちも目を見合わせて、急いで彼らの後を追う。


と、その広場の中央に立てられた巨大なクリスタルを発見したけど、人だかりが出来て大勢の人がそこの前に集合してもこっちからでは視界が遮られないほどにデカすぎるな物体なので、僕たちも彼らもそれを仰ぎ見て、映像が映し出されるのを真剣な表情で待っている。というか、さっきのサイレン音ってあそこのクリスタルから発せられたものだったのかーー!?


ずーーずーーずーーーずううーー!!

ぱちぱちと響いてきた途切れ途切れの機械音が鳴り出したらかと思うと、最後はクリスタルに映像として映されたのは、王城内にて、謁見の間の様子である。

で、深刻な表情を浮かべてるネネサ女王がいるので、重く、そして厳かな雰囲気を出してる彼女は玉座からゆっくりと腰を上げたら、こう告げてきた、

「フォルールナにいる我が民よーー!良く聞いてよのうーー!これは緊急事態じゃーー!パニックせずにどうか、落ち着いて聞くのうーー!」

なんか、真剣顔ですごい前置きを述べたんだけど、どうしたーー!?


「ここの王都から150キロメートル西にある、<ゾウレーツ>という地域首都に、大量な神滅鬼の軍団が急接近中であるーーー!」

それを女王の口から聞かされた途端、なんか頭の中がフリーズして、思考が一瞬停止した気分となってしまったのである。


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