第23話 決着

「エレン姫........」

と、彼女の柔らかい肢体を全身に感じるだけじゃなくて、そのぽよんとした二つの大きいな弾力性のある丘を顔面近くまで目に入った俺は彼女の顔を見上げながら、なんか熱いものが身体中を巡っていくと感じて。湯気が頭に上がって、胸が激しい鼓動を鳴り響かせている。やばい!俺、エレン姫がこんなに近くに感じて、なんか全身が熱くなってしょうがないーー!!胸もばっくんばっくんなので、理性を保つべく彼女の声を呼ぶ。それに対して、彼女は.......

「エレン、ですわ。」

「え?」

「ですから、これ以降はわたくしの事をエレンと呼んでくれないんですの?そうすると、わたくし........嬉しくなりますから、ですわ.......」

と、なんか照れてるように頬が赤くなってるけど、可愛い!

「ええ!お姫様だから、敬意を持って接してきたけど、貴女が嬉しくなるというなら喜んでエレンと呼ばせてもらいますね!でも、俺の事もルーイズと呼んで欲しいです。いいの?」

「はい!構いませんわ、ルーイズさん!」

さんはいらないと思うけど、まあいい。それは今後いつでも変えられるし。

「ところで、俺を助けてくれるために手足を束縛してたあれを全部切り落としたんですよね?それなら、剣はどこにいったのですか?あのガンブレイドを」

「ガンブレイド?それは何なのか分かりませんけれど、わたくしの<<ソヒー・ヨセミン>なら、あそこですわ。」

と、彼女の指差した上の方向を仰ぎみると、おおーー!確かにエレンの銃口がついた大剣は宙に天高くからの位置で下に向かって落下中だ!

「拾わないんですか?」

「ルーイズさんを降ろしたら、直ぐに取りに行きますわ。わたくしは飛行系の現神術、<ロアンヌ>は得意じゃなくて使えないんですから、さっきこっそりとエリーゼにかけてもらってるので効果が切れるまでに早く降ろしましょうですわね。」

なるほど。確かに今は抱きかかえられてる俺と抱きかかえてる方のエレンはどっちも空中に浮いてるね、これ。そういえば、俺の<アサネ>もさっき喰らった電撃で地面に落としちゃったんだっけ?

「ええ。ありがとうな、エレン!」

「いいえ。これは王族として当然の勤めですから。<神の聖騎士>であるルーイズさんをサポートするのは仕事ですからね。」

と、今度は照れくさい表情を浮かべながら微笑んでくれたけど、やばい!超綺麗ね、きみ!おっぱいも大きいし、なんか甘えたくなる、うん!と、ああ思い出した!試合中だった!

「あの、エレン、さっき俺は試合中だけど、助けにきてくれていいんですか?失格にならない?」

「いいえ、なりませんわよ。だって、ルーイズさんが戦ってた相手というのはフェリィーさんであって、あの<ミスダン族>の女性ではありませんわ。」

<ミスダン族>?確かにユリンと饗宴場で同席した女王から聞かされたんだっけ?その滅んだはずの種族は耳が尖っており、肌色は赤色と青色までいる個体も存在してたっけ?

「なので、むしろ失格となるのはフェリィーさんの方でしたわ。まさか、正体を隠してまで試合に臨むとは......明らかなルール違反ですわ!」

「でも、今の彼女、明らかに我を失ってる感じで暴れてますし、俺だけを殺したい一心でさっき狙ってくるので、暴走してるようには見えるけど、俺への憎悪は依然、変わらないままなんで同じ人だよねーー?」

「同一人物も駄目ですわ。このバトルエンタメー形式の試合のルールは何か麻薬か、あるいは身体の外見を変貌させるような特殊な現神術は認められてませんのよ。補助型の現神術は大丈夫ですけれど、変化が許可されるのは身体能力全般であって、外見や姿ではありませんわよ。なので、彼女はアウトですの。」

なるほど!うふーー!何かに当たって微かに揺れてるこの感覚はーー、いつの間にか地面に着地してるね、俺たち。


「ぐあああああーーーーー!!!!」

俺を降ろそうとしたエレンだったが、いきなり舞台上にいるフェルリーナがその二つの色が混合された無数の微細な球から構成されている4本の四肢みたいな触手のようなものを伸ばしてこっちへと猛烈なスピードで攻撃しようとしてる。

やばい!エレンはまだ手放した剣拾ってないし、迎撃する体勢もまだなので、これじゃーーー!


「させないわーー!!<ダリス>!」

「はあああーーーー!!<ガエラー>!」

「これでも喰らいなさいーー!<ガエラー>!!」

そう危惧した俺だったが、杞憂だった!火球一つと青色なキューブ状二つのものがその触手目掛けて着弾したーー!

「ドコーー!!!ドゴーーー!!ドゴーーー!!」

着弾と同時に爆発し、引っ込んでいくその3本の触手。やはり、<現神戦武装>を通さずに放ったそれらの覚えたばかりの初級の現神術じゃ破壊できないか!まあ、それでも仲間が援護にやってきたーーー!!ナイスフォロー、みんなーー!!梨奈とあの二人、俺より呑み込みが早いから、さっき体育館で行われた現神術学の授業で俺が習得したばかりの<アラヤン>だけじゃなくて他のも既に身についたんだよねーー!! って、もう一本の触手が残ってーー

「はああああーーーー!!」

綺麗に真っ二つにされた!

そう。俺とエレンの立っているところにネフィールが両手に持つ2本の刃が鎖と繋がっている<現神戦武装>で以って両断し、着地した!かっこよかったぜーー!

「エレン様、早山君、ご無事ですか?」

こっちへとかけて来ながら、そう聞いたネフィール、

「ええ、問題ありませんわ。」

「うん!この通り、何もないさー!」

エレンの両腕から降ろされた俺も彼女と一緒に返事した。さっきは柔らかい感触を堪能中だってのに、もったいない!って、いかん!正体不明な敵が正面にいるので、気を引き締めていかないとー!


「それにしても、何なんですの、あれは?<ミスダン族>が人間に化けられる体質とか文献や授業のどっちも聞いたことがありませんわよ!」

「にししー!わたしもだよ!何かがあったに違いないよね!」

「ルーくん!さっき捕らえられてたんだけど、もう身体とか大丈夫!?痛みは!?」

「ルー!無事でよかった!これは最早、試合と呼んでいいものじゃなくなったんだ!参戦して悪かったけど、あれはフェルリーナじゃなくてもう別人になったんだ!なあ、有栖川!」

「同意見ですよ!あれは確かにさっきの子と違う外見ですし、地球にいたら間違いなく、麻薬摂取で外見変貌しルール違反で失格になりますね!」

「それにしても、その四肢は切り落としたばっかりなのに、また生えてきたといいますの!?」

体剣を手にこっちへと集合してくるエレンも俺と同じくそんな疑問を思いついた。

やはり、体内から発せられたその無数の微細な球がまた構成させやがったな、その4本の触手みたにもんを!

「破壊の粒子、イストローフなんだから、そう簡単には消滅させられないんじゃない?それに、体内から流れ出してくるにも見えるし、やっぱり本体をどうにかしないと、たぶん何度も生えてくると思うよ!」

「ネフィーの言う通りだわ!そうと決まれば!」

「話がーー早いんだねーーっ!!」

梨奈の賛同に対してそう声を上げるネフィールは手にした一本の刃を変貌した姿のフェルリーナ本体に繋がってる触手に向かって恐ろしい速度で投擲した!


ザクーー!!ザクーー!!ザクーー!!ザクーー!!

鎖に繋がったまま綺麗さっぱりに4本の触手を切り落としたネフィール。地面に落とされたそれらはさっきと同様に音もなく、霧散してなくなった。

「今だよ!みんなーー!!」

「うん!!」

「おう!」

「ええーー!」

ネフィールのかけ声に応じて、梨奈、遼二と有栖川さんはそれぞれの発動した<ダリス>と<ガエラー>といった現神術にて、フェルリーナ本体に向けて撃ちだした!

ドコーー!!

2発避けられたけど、梨奈の放った<ダリス>という火球は攻撃対象に対して、よけられても追尾できるようなものなので、着弾するのに成功したーー!!

「今ですわーー!!」

神使力を迸らせてる最中のエレンは青白い光を全身に膨らませてから、目にもとどまらぬ速さでフェルリーナに向かって突進していくーー!!

早いーー!!!

気づけば、フェルリーナは強烈な光に包まれた大剣に銃口がついてるエレンの<現神戦武装>である<ソヒー・ヨセミン>によって、爆発的な速度で以ってして袈裟きりに切り裂かれたーーー!!


フシャアアアアアアアアーーーーーーーー!!!!!

大量な血と共に肩から斜め下へと切りつけられたフェルリーナは成す術もなく地面へと伏せられたーーー!なんか、少しだけ筋肉も見えるほどに深い裂傷ができてるけど、大丈夫なのか、フェルリーナの奴???

ん??

地面に倒れた彼女の深い傷口は見る見る内になんか緑色な光によって修復され塞がられた様子である!

<リンガ>の効果によるものだろうね。会長の発動したあれはまだ健在で、傷を受けてもリアルの傷として現れずに精神的なダメージとして変換されて、受けた傷がどれほど大きいかそのショックによって気絶して負け側を決めるようにしたんだな。しかし、その効果が現れるのが遅れたということは、それだけエレンの攻撃はすご過ぎという証明になるね。


「これで、終わりにしましたわ!」

「よかった!ルーくん!本当に身体に異常とかないーー?」

「見ての通り、俺はこうしてぴんぴんなんだぜーー!」

<アサネ>を地面から拾い上げた俺は梨奈の問いに対して腕の筋肉を強調し返事した。

「もうーー!無事だからってあまり調子に乗り過ぎないようにねー!あんたの身体に何か消えない痣みたいなのがついたら、家のいるオバサンが心配するわよ!」

「へいー!へいー!分かったよ、梨奈ーー!」

そういえば、地球では母は海外に出張中でまだ日本に帰ってないんだよね?元気にしてたのかな、お母さん.....?

「ルー!さっきはいい戦いぶりだな!感動するよーー!なあ、有栖川!?」

「私も賛成ですね。初めての<現神戦武装>を使っての勝負なのに、いい活躍でしたよ、早山君!」

「それにして、前には携帯型で拝見しちゃったけど、今の普段型を見ると、マジで怖いっすよね、その不気味で禍々しい大鎌の形ってーー!もし試合とかで僕がルーと戦うことになったら、恐怖で脚ががたがた震えだしちゃいそうーー!」

「ははは......遼二!そんなこと、絶対にないと思うけどな。だって、お前ー」

「ぐあああああおおおおおおおーーーーーー!!!!」

「皆さん、気をつけて下さいましーー!!まだ終わってないみたいですわよーーー!!!」

そう叫んだエレンに対して、そっちへ振り向いてるけど、誰もが驚愕するような光景が目の前に展開された!


気絶したと思われるフェルリーナは苦しいながらも立ち上がろうとする。その最中に、さっきの虹色の神使力も再びと一層激しく放出し出して、強い本流となって、強風を吹き付けてきた!間近にいるエレンも両手で顔や髪を押さえてそれに堪えようとする!

て、あれはーーー!!

今度は全身から無数の紫色と黄色が混合した微細な球が夥しいほどの量で噴出され、エレンだけじゃなくて、俺たち全員にまで浴びせてきた!って、さっきの電撃ほどじゃないけど、マジでちくちくと刺されるように、痛いぞ、これ!!

「みんな!気をつけて!これは破壊の粒子、<イストローフ>だよーー!!神使力が宿る生命体にもっとも有害な物質だーー!!自身の持つ神使力を集中して固めて、対抗しろーー!」

と、ネフィールの忠告に俺たち全員は体内に流れる神使力を体外へ向けて、噴出していくようなイメージをし、その球の嵐による激流に抗おうとする。


「ぐううおおおおおおおおおおおおーーーー!!!!!!!」

「---!!!---」

何かに気づいたか、エレンはそれを見た瞬間、後ろに向かって飛び退ってきたぞ!

「皆さんーー!!ここから逃げて下さいましーー!!爆発しようとするんですわよーーー!!!!」

「「「「「 !!!!!」」」」」

エレンの叫びに対して、大量な球を撒き散らせてるフェルリーナに視線を集中したが、もう遅かった!彼女から発せられた夥しいほどの球は今度、ゆっくりとした速度に変わってるけどもっと大きくなって、あっちこっちへと流出していくーーー!!くっーーーー!!それが当たったら、超痛い気がするので反射的に逃げ出そうとする俺ーー!


「エレンのいう通りだーー!この舞台から降りて走れーーーー!!!!」

「うん!「おうーー!「ええー!「了解!でもエレン様はーー!!?」」」」

「わたくしはここで残りますわ。ここにいれば、きっとわたくしの持つすべての神使力である程度に爆発するであろう彼女を最小限の規模で抑えられるはずですわーー!なにせ、わたくしは<ナムバーズ>序列3位ですからねーー!」

「でもーー!!」

「だめですわーー!セラッスさんーー!今は直ぐに、早山さんたちと一緒に逃げて下さいましーー!ここは王族としていいところを見せてみたいですから、構わずにわたくしを置いて走ってください、ですわーー!」

「!!--くっー!了解、エレン様ー!」

もう観念したらしくて、ネフィールも俺たちに続いて、この舞台から遠ざかろうとする!


「はああーーー!!来て、<ミスダン族>よーー!このわたくし、ゼンダル王国が第一王女、エレン・フォン・シェールベットが貴女の好きにはさせませんわーー!我が民を犠牲にするより、わたくしが先に盾となって守りきってみせますわよーー!はああーー!!!」

そう自分を奮い立たせながら雄たけび声を上げるエレンはフェルリーナに向けて身体ごと押さえつけて押し倒そうとするが、その前に、雷のようなスピードでその手前に着地した人影がいる!!

「ふんーー!」

と、素早い動作だけれど、何事もないかであるかのように振舞って、ダガーを片手で持ってフェルリーナの心臓らしきところに突き立てた!その直後、直ぐに抜いた!その風に靡く長い銀髪の少女の背中を見ると、あれは確かに、我が学園の生徒会長、ローズバーグさんであったーー!間に合ったね!それにしても、かっこいいね、ローズバーグ会長ーー!それにめっちゃ強いし、そういう女の子、俺の好みだなーー!

「ひぎゃあーー!」

それで崩れ折れたフェルリーナは徐徐に元の姿に戻って、膝をつきながらも夢から目を覚ましたかのように、怪訝な表情で慌てて周囲を見回しながら普段どおりの彼女に戻った。


「な........何なんなのーー!?さっきはーー?私、いきなり意識が途切れたかのように記憶が吹き飛んでて、気づけば今になってるけど、どうしたのよ、会長!?」

ほう。フェルリーナもさっき自身に起こった変化に意識とか自我とか心当たりとかがまったくないらしくて、困惑した表情で疑問を口にした。


「なに?それはこっちが聞きたい台詞だな、フェルリーナよ。さっき、君は<ミスダン族>とそっくりな外見に変貌し、自我もなくなって無闇に対戦相手である早山くんだけじゃなくて、そこにいる舞台上の全員に攻撃をしかけてきたけど、何か心当たりとかないのか?」

「!!??それ本当なのーー!??ありえないわ、それはーー!この私、フェルリーナ・フォン・フェリィーに限って、そんなことが起こるはずがないわーー!意識を失って狂犬のように暴れまわってるとか、それに相応しい行動を取るのが.....そう!あそこにいる黒犬よーーー!!!まだ勝負は終わってないわー!会長、続けさせて下さい!あの真っ黒い男を完膚なきまでに負かすまで絶対に終わらせないわーー!」

「いや、フェリィー君。さっきの君の変貌で外見が別のものへと変わった。神聖なる、バトルエンタメーのルールにて、それは完全なる正体偽りの行為だ。よって、失格とする。君がなぜその<ミスダン族>とそっくりなものに変化したか取調べも行う必要があるために、私達生徒会長がこの先、保護させてもらうことにする。」

と、会長の宣言に対して、数秒驚いた顔をしてる彼女だけど、すぐに俺に向き直って、こっちへと猪突猛進に駆け出してくる!!


「そんなの!そこの醜悪な外見をしている真っ黒い犬をぼこぼこにしてからでいいわーーー!!!!」

憎悪に任せて俺に肉薄してくるが、やれやれ!困った女だぜーー!

「ルーくん!!」

「来るな、梨奈!俺に任せてくれ!」

割って入ろうとする様子を見せた梨奈だったのでそう言って制した。

間を置かずに走り出した俺も彼女の近くまで来ると、鋭いパンチを腹に見舞いしたーーー。

「ぐわあああーーー!」

痛みを抑えるように腹を両手で覆ってる彼女だが、

「ま........だ........終わって.......な......」

今度は目も眩みそうに気絶しちゃいそうな様子を見せたけど、それでも俺への憎しみだけを糧にこっちへ手を伸ばそうとする。やれやれ。こうも病んでると可哀想だから、少し乱暴でもして気絶させてやろうかーー。

「えいーー!」

と、彼女の頭に向かって力強いチョップを噛まそうとするが、先に彼女の手が俺の身体に触れた!

「--!!--」


それを機に、まるで走馬灯にあったかのように、フェルリーナの9歳から今まで16歳に至るまでの過去の出来事が次々と脳内に浮かんできて!それも鮮明でゆっくりとした速度で!

10歳の頃、母親に顔面を強く棒状の現神戦武装で抉られて筋肉が見えるほどに裂傷した!

11歳の頃、母親に一日中、何度も蹴られたり踏みつけられたりで食事も碌にとってもらえずに過ごした。

もういい。

12歳の頃、母親に手足の関節すべてを極められて、酷い骨折をした。

もういいんだ!

13歳の頃、母親に何度も顔面と頭のてっぺんまで打撲され気絶させられた!

もういいんだよ、畜生ーー!!!

それを見るのに耐えない俺は脳内からそのビジョンを断ち切るように、強い念を飛ばして、目の前のオレンジ色の髪を風に揺られてるフェルリーナを強く、きつく抱きしめてやった!


「もういいんだ、フェルリーナ!俺は知ってしまったんだよ、お前の過去の全てがーー!!もういいんだーー!これ以上、何も耐えなくていいんだ!俺はこれ以上、お前の傷ついた顔を見たくない!友達でもない俺たちだけど、あんなんのを見せられてちゃ、もうほっといておくものかーー!!頼むよ、、フェルリーナ!俺が憎いなら、いいんだ!いくらでもこの後に殴らせてやる!でも、お前はもう傷つかなくていいんだよーー!だから、フェリィー家から出てきてーー!あんな母親、誰が必要とするもんかよーー!だから、家から出て、俺たちの元に来いーー!そうすれば、好きなだけ殴りに来ていいんだー!なああーー!!!!うぐうーーーー!!」

もう彼女が過去に受けた辛い暴行や虐待を脳裏に浮かべてしまって、耐えられずに泣き出してよりいっそう強く抱きしめてやった。


「うぐ.......うううううううう..........はああわああああああーーーーー!!!!!!」

俺の抱擁につられて、彼女も号泣し、爪を立てるまでに強く俺の制服の生地を握り返してきた!と、嗚咽を漏らしてる俺ら二人に、場にいる全員は誰もが静粛にし、真剣な表情で見守っていくしかできずにいる。



と、その頃、とある洞窟の中にて.................

「あちゃーーーフェルリーナって子なんだっけー?実験は失敗したな、あれ?」

「いや、まだ序の口だけ.......だよ?うふふ..........あははははあははは!!!」

と、クリスタルに移る映像を前にして見ていて、不気味な声を出して、仲間と思われるものと共にいて、笑い出した耳の尖ってる人影がいる。


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