第21話 ヴァルキューロアとしての誇り

「ア...サ....ネ...?」

「ええ。アサネ(朝寝邪魔鬼両断大刃)だ。」

と、不敵な笑みを浮かべた俺は右手に握っているその大鎌を数度、円を描くように振り回しながら、そう言った。

「くっー!だからといって、それでなんなのよー!頑丈な武器を持ってるだけで私に勝てるとでも思ってるようなら、随分とその知能の足りない脳味噌にお花畑を夢見すぎなのよね、黒犬さんがー!」

「なら、それはどうかな?お嬢さんよー。そんなに大口叩けるなら、是非見せてもらいたいね、お前の本当の実力ってをな。」

「....!!もう!もう許さないわー!私の胸を触っただけに飽き足らずに、よくもまあフェリィー家の跡取り娘であるこの私に対してそのような無礼な言動をしてるわよねー!ならー!」

そういうやいなや、フェルリーナは気丈にも痛みを堪えて膝を震わせながらも姿勢を正して俺にそのレイピアを突きつけようと構える。

「<ヤダシン>!」

そう叫んだ途端、彼女の身体中は青白い光で包まれ出してレイピアの先端からは散弾銃のように複数の紫色の光線がそこから広範囲に散発的な放出として、打ち出されてきた!こりゃー後ろの観客席に張られてる結界がその攻撃の大半を直撃されるようになるなーははは......

「ふうんー!」

向かってくる全ての光線をアサネを振り回して霧散させてやったが、直ぐに次の行動起こしてるように、こっちへと駆けてきた全身を光り輝かせてるフェルリーナ!どうやら、全力で勝負を決めにくるようだな!相変わらず早いけど、もう慣れてるしそれに覚醒後の今の俺なら、簡単に目で捕らえるようになったよ!

「はあああーー!!」

レイピアじゃなくて、眩しく点滅している脚で以って閃光のような蹴りを繰り出してきたが、アサネで迎撃せずに左手を使って、それを自身から繰り出した光り輝く雷撃のような強烈なパンチによって、粉砕してみせた!

「あぎゃああああああああーーーーーーーーっ!!!!!!」

と、蹴りとして伸ばしてきたその女の左脚の骨が砕かれてるようでそのような耳が震えるような凄まじい悲鳴が轟いた!激痛に堪えきれずに地面を何度も転げまわってる彼女であるが。まあ、この試合はバトルエンタメー形式で行われるために10まで数えて勝者を決めるのではなく、普通に先に気絶した者だけが敗者と認定される。つまり、実際に1分以上経っても起き上がれずにびくともしないまま横たわったいれば、気絶したと認定されて終わりってことになる。で、確かに彼女からすれば、脚の骨が砕かれたように感じるけど、実際にはそんなことがリアルの傷として現れずに、精神的なダメージによって直撃を受けた箇所へと痛覚が伝達してるだけ。だって、会長の現神術はまだ発動中だもんな。


と、その時に、観客席の上階にてその試合を観覧中の4人が何やら会話をしている最中.....

「.......すごい........ルーくんってすごいよね、ネフィール!?」

「にししー!当然だよ!<神の聖騎士>様の一人なんだよ。あの雑魚に手こずってちゃ、世界は救えないんだよ。でも、本当にかっこいいよね、早山君って!お婿にほしいくらい。」

と、小声であたしの耳近くにそれを囁いてきたけど、って、なにそれーーー!?

「へえええーーー!??駄目なのよ、それー!まずはお互いの意思を確かめてからが適切なんじゃないの、ネフィール!?」

「にしししーー!分かったよーーだ。ただの軽口でなんとなく口にしてみたかっただけだよ~~。そんなに真に受ける必要ないじゃないーー?」

と、何か楽しそうに笑いながらあたしをからかってくるネフィールだったが、隣の席に座ってる有栖川さんがいきなり声を発した。

「それにしても、精神的に病んでいる女の子相手に容赦しないんですね、早山君。まあ、確かに自分の自由の身を巡って戦ってる訳ですから、そうなるのも頷ける話ですよね。そうでしょう、春介君?」

「おう!当たり前だろうー?誰が好き好んで親しくもない女の子の奴隷になりたい奴とかいるのさーー?ルーは確かにそっち系ってところはちょっとだけあるかもしれないんだけど、だからといって、見ず知らずの奴の奴隷になれって言われても絶対に応じないんだよなーー!ルーってそこまで筋金入りな変態とかじゃないからだよ。」

「ふふふ......その通りですね。」

と、あたしの隣に会話を続ける二人に苦笑して、前の舞台にいるルーくんに視線を戻した.......。



かっ、かっ、かっ......

そんあ足音を響かせて、左脚を両手で抱えながら床に転げまわってる彼女へと歩を進める。

「もう終わりだ。お前もさっきので立ち上がれないようにしてやったし、降参しろ。じゃないとー!」

「<エニラム>!!」

と、今度はそれだけ叫んで事もなく、黄金な光で点滅してる体中で立ち上がれた!辛そうな表情もなくったし。確か、<エニラム>というのは授業で習った、一種の体力補助系の現神術だっけ?それを使ったら、身体が受けた全ての傷に対する痛みを感じなくなるような効果を持っているらしい。現神術学を教えるシーラ先生によると、その技は治癒系全般のどれの技よりも神使力量の消費が格段と少量となるので、戦闘中に大技をぶっ放したいけど傷を負ってて痛みで思うように動けない時では有効的に活かせる技であるということらしい。まあ、確かに、消費の激しい大技を使うのに治癒用では節約もしたいところではあるけど......ん?ってことは、目の前にいるフェルリーナは大技を放とうとー???


「ロアンヌー!」

それを唱えたら空中に浮き始める彼女。飛行系の現神術だな。前にユリンが使ってるやつだ。

「くっー!生意気だわ、あんた!よくも私の脚にあんなことやってくれたわね!けれど、もう終わりなのよー!今度こそ、絶対にあんたを這い蹲らせて私に一生の誓いとして奴隷にしてみせるわ!」

「そうか。なら、是非、見せてもらおうじゃないか、お嬢さんよー!」

「いってくれるわね、<マンドラム>が!そんなに私の奴隷になりたいなら、いま直ぐにあんたのその真っ黒くて汚い身体を地面に跪かせて私の靴の隅々をその黒い皮膚と似合わない滑稽な舌で舐め回させてやるわー!この、<ダカリーシュ>で!」

そんな戯言を垂らしていたフェルリーナは今度、もっと天高くへと浮き上がっていって、俺を見下ろしてる形で全身の宿る神使力を最大にまで膨らませるかのごとく、さっきより何倍ももっと強烈な青白い光を点滅させている!眩しくなってるね、彼女!


と、彼女の身体中を覆っているその青白い光はみるみる内に膨れ上がってきて、巨大な円状が彼女を包んでいるようにした。ふむ。どうやら、自身の持つ全ての神使力を消費し尽すまでに大技を俺に食らわせようとするようだなーー。俺を自分の奴隷にするためにわざわざご苦労なこったーー!


「<ダカリーシュ>!」

それを叫んだ彼女は身体を覆っている円状の光が急に弾けて霧散していった!綺麗さっぱりにー!

「ん?」

代わりに、ここに立っている俺の足元だけじゃなくて、この舞台の床全体を巨大な魔方陣みたいなものによって覆い尽くされるようになった!これって!?


_________________________


エレン・フォン・シェールベットの視点:


わたくしの名はエレン・フォン・シェールベットで、ゼンダル王国の第一王女ですわ。ネネサ女王陛下とシェールベット国王陛下の一番上の娘で、家族内には妹はもう一人いますの。幼い頃から、神滅鬼と戦うための心構えや在り方もきちんと受けてきて、下準備はばっちりでしたわ。なので、幼馴染であり身近の護衛や親友とも思っているローザ、ネフィールや一エリーゼと4人揃って、一年前にここの聖メレディーツ女学園へと入学する前に、<ヴァルキューロア>や<王族の一員と未来の女王>としての誇りと責任、素養や教養はたくさん身につけてきましたの。戦士としてもですけれど、やっぱり実際に神滅鬼と殺し合いの場で戦闘をするのはあの時、まだ経験したことがなかったので、いざその時が来たら、緊張感が激しくて怯みそうにはなりましたわ。神滅鬼がまたも歴史上、姿を現したという目撃証言の元に、その最初の地点は<サハニア渓谷>でした。あの時、9番目強い、<アングラン>級2匹がそこで見かけたと道路を通っていく行商人が慌しく王城にてお母様に報告して下さってる最中に同席したわたくしはあの時、学園から帰宅したばかりで、現神戦武装も2週間前、お母様から授けてくださったばかりで実技訓練もまだ日が浅いわたくしと仲間3人は報告を真剣に聞いていたのを今でもはっきりと覚えていますわ。<サハニア渓谷>の近くには<アライヌ>という商人が良く行き交ったり、商店や商売が多く営まれる地域の地方首都があるので、町の住民に危険が及ぶ前に何としても早く討伐しに行きたいですわ。大切な民の助けになりたいんですもの。


「女王陛下、一体何のご用件があってわたくし達をお呼びになられましたの?」

建前上、そういう問いを陛下に伺いましたわ。

「ほう、ほう、ほう。言うまでもないじゃろうー?当然、さっき報告を聞いた、あの<アングラン>級2匹である<ジェミナ>という本の絵からも見れるように巨大な蟷螂の形をしている神滅鬼の討伐について呼んだんじゃ。」

謁見の間で、玉座に腰を降ろしているお母様からそれを耳にしたわたくしは不安や緊張感が募っていくばかりでしたので、ふと隣に女王へと跪いてる途中にある仲間3人を見合わせたら、彼女たちもわたくしと同様に、嫌な予感がしたといわんばかりな表情になって、心配そうにこっちを向いて顔を曇らせてるのを思い出しましたわよね。

「差し支えがなければ、お聞きしたいのですが、宜しいのでしょうか、女王陛下?」

「許す。何が聞きたいのじゃーー?」

もう決まってますわよね。わたくしはこの国の第一王女で、自国に出現したあの怪物を真っ先に討伐しに行く責任を担っている立派な<ヴァルキューロア>でもありますわ。民を危険に晒す訳にはいけませんので、指導者たる王族の一員であるわたくしが先立って国民の不安や自国の危機を払拭する責務を持つ自覚もずっと前から持ち合わせてきましたので、今更何を迷うことがあるといいますの?

「もし宜しければ、わたくし達4人にその討伐任務をお任せして下さいませんか?」

「ほう。よくぞ言ってくれたのうーー、妾のエレンよ。その申し出、聞かない訳にもいかんじゃからなーー。なにせ、妾らは王族で誇り高い<ヴァルキューロア>でもあるんじゃよーー。神滅鬼を倒すために、国民をあれから守るための義務を背負うのは生まれた瞬間から、常に定められた運命じゃからな、エレンよーー。」

「では、お任せしても宜しいんですの、陛下?」

「自国に出現したんじゃから、国の指導者たる我々が先に行動するのは当然じゃが、いかんせん妾も大事な娘を初の討伐任務に命じる肝がまだ据わっておらなんだ。確かに、お主達の神使力量、習得した現神術や総合的な戦闘能力なら、きっとあの<ジェミナ>2匹を屠れると疑わんじゃよーー。しかし、神滅鬼と戦うのは初めてになる新米なお主達だけで向かわせるわけにもいくまい。まあ、もちろん、今までは妾の世代でそれらが登場するのは今回が最初だから、他の誰でも戦ったり、目撃したことがないんじゃろうが、だからこそ、お主達よりも神使力量の多い、かつ数多くの現神術を既に身についた護衛役を共に向かわせてやるのじゃーー。よって、おおいいいーーー!! 誰かニシェーを呼んで来んかー?」

ん?確かにニシェーといえば、我が国の誇る、宮廷に属してるヴァルキューロアの精鋭部隊、<6英騎士レギナ>の一人でしたっけ?

「お呼びになられましたか、陛下よ?」

「うむ。今朝の報告の場にも同席したお主なら、もう察しはついたんじゃろうー?なら、簡潔にいうと、<ジェミナ>を討伐しに行くエレン達の護衛を頼んでくれんかのうーー?」

「畏まりました、我が君よ。」

そうですわね。初の任務ですから、自分の娘もお心配になられましたわよね?ですから、そこのニシェーをわたくし達の護衛にお付けて下さいましたという訳ですわよね?そう。ことヴァルキューロアとしての戦闘力に関して、新参者で未熟なわたくし達を見下ろしていたのは髪を一括りに後ろへと束ねた、銀髪をしている生真面目で武人って感じの我が国の誇り6英騎士レギナの纏うすべき鎧を着ている女性騎士。


<サハニア渓谷>にて......


「はああああーーー!!」

現神戦武装、<ソヒー・ヨセミン>を神使力のこめられた両手で握っているわたくしは向かってきた<ジェミナ>のぶっとい鎌状の前脚を横向きに力強く振って、切り落としましたの。やりましたわ!!と、舞い上がってるわたくしでしたけれど、直ぐに他の数本の鎌状の脚もこちらへ向けて、突き出されてきましたので、<ソヒー・ヨセミン>を正確な動作でもって、全本を苦もなく切り落としましたわ!やっぱり、わたくしの今、保有してる神使力の量はこの武器を使うのに適してると実感した瞬間ですわよねーー!


ふと、視線を横へと振り向けば、ローザ、ネフィール、エリーゼやニシェーも既にもう一匹を片付けたらしくて、わたくしに振り返りながら微笑んでくれましたの。

いけませんわ。目の前の敵まだ倒してないのに余所見とはーー!ヴァルキューロアとして失格ですわ!今度、正面近くにいる<ジェミナ>はその大きいな二つの目から眩しい光が発せられたのに気づきましたわー!あまりの強烈さに目が痛いですわーー!!あまりの眩しさに視界の覆い尽くされたわたくしは痛みを感じるのと同時に視力を失って、何も見えないまま片方の手を大剣から両目へとこすり付けていたわたくし。

「いけません、殿下!早くお下がりにー!」

「エレンっち!危ないー!!逃げてーー!!」

「エレン様、お逃げくださいよーー!!あれって、<自爆動作>の予備動作ですよーー!!」

口々に叫んだ仲間3人でしたが、もう遅かったんですの!

禍々しい紫色の光を膨らませようとするあの拡大された蟷螂の外見をしている<ジェミナ>は全体をボールのように膨張し、<破壊粒子>の伴う大爆発を至近距離でわたくしを呑み込もうとする直前に......


「きゃあああーー!!」

気が付けば、わたくしの身体を誰かにお姫様だっこのように抱きかかえられて、信じられないような速さで風に強く当たられながら、<ジェミナ>の位置から遠ざかって行った。跳躍か、<ロアンヌ>によるものか定かではありませんでしたが、確かにそこからは無事に移動することができましたわよね!

「バコオオオオオーーーーーーー!!!!!!!!」

耳に劈く轟音が聞こえてきたので、振り返って見れば、爆風の伴う爆発が巻き起こって、破片をあっちこっちへと撒き散らせて、煙,石や埃を無差別に飛び散らせてきましたの。そう、本や授業に習ったことがあったから知っておきましたが、<ジェミナ>は確かに自らが勝てずになると信じる場合、迷うなく、<自爆動作>を発動するということらしいですわよね。その爆発には神使力の宿る生命体には有害な<破壊粒子>が含まれるのでそれを食らったヴァルキューロアは大ダメージを被って、肉片となって命を落とすでしょうわね。わたくしをその無残な結末から助けてくれたのは、

「ご無事ですか、我が姫殿下よ。」

そう。他でもなく、我が国に仕えている、忠誠心マックスなニシェーですの。彼女の腕の中にいたその時、初めて気づきましたの。自分はまだヴァルキューロアとして未熟であると。例え誇り、勇気、気合や心構えがあっても、力が伴わなければ誰も救えやしませんわよねーー?その後、自分たちの弱さを知ったショックで、落ち込んだ時期もありましたけれど、直ぐに取り直してニシェーや他の6英騎士レギナに訓練に付き合ってもらうことになりましたわ。まあ、といっても、わたくしの一番の師匠となったものはやっぱり、あの時わたくしの命を助けてくれたニシェーですの。師匠からは色んな現神術や剣術も習ってきましたから、感謝してもし足りないくらいですわ。


それから、色んな事を学んだわたくし達ですが、今、目の前の彼ーーー早山さんの戦いぶりを見れば、あの時のわたくしと重なって見えてしまいますわよね。<神の聖騎士>として召喚されて一週間経ったばかりですけれど、彼は未熟で新参者で、神使力や現神術の知識についても青いその彼が何故か、懐かしくもあり微笑ましくも感じてるんですの。それに、彼とその肌色を見た瞬間から、何故かわたくしの胸に雷に打たれたようような感覚を覚えましたわ。真っ直ぐで、照れくさくて、裏表のない彼の全ての言動が.......好きになりましたの。これは恋から来るものかどうか知りませんけれど、少なくとも、わたくしはもっと彼の側にいてもっとお近づきになりたいですわね。そして、お互いの事を語り合ったり、知ってもらい合ったりしたいですわーー!ですから、頑張ってね、早山さん!負けないでー!わたくしはここにいますのよーー!忘れないで。

「どうしたの?シェールベット君?」

「ん?え?わたくしですか?」

「ええ。顔少し赤くなってるんだが、<神の風邪>でも引いたのか?」

「いいえ、会長。わたくしは引いてないんですわよ。ただ、胸に響くものを感じてるだけですわ。」

「ん?もしかして早山君にか?」

「違いますわ。これは......わたくしの.....ひ・み・つ・です~~~。」

「へええーーー!?エレンっち、ずるいでーすーー!エリーも理由が知りたいですーー!何故顔色、赤いのですー?」

「ほっといてやれ。殿下はただ、(ヴァルキューロアとしての誇り)を早山様にも感じ始めるようにおなられただけだ。」

と、ボックス状の特等席で舞台の早山さんの勇敢なる戦いぶりを眺めながら、生徒会の面子とそんな会話をしましたの。

「ええ?」

その空中でフェルリーナが浮いてるから、きっとロアンヌを使用してと思ってそれをまだ習得してないらしい早山さんを下の舞台で視線を移せばーー!

って、この神使力の消費量はーーー!??と、フェルリーナの方に視線を戻せば、あれはーー??

「早山さん、気をつけて下さいませーー!彼女、<ダカリーシュ>を使おうとしますわよーーー!」


_______________________________


さっき、エレン姫の悲鳴が聞こえたけど、きっと俺のことを心配して発した警告だろう。<ダカリーシュ>による効果なのか、身動きが取れん!足元や舞台全体を覆い尽くしてる魔方陣みたいなもんによって、足元が地面にくっついたままでまるでガムに貼りつかれてるような感じ。

「はああーーー!!」

視線を上にいるフェルリーナに戻せば、前に彼女の身体中を覆ったような青白い光は今度は手にあるレイピアに集積され、先端が俺に向けられている!

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ.............................

地響きと共に舞台全体が震えてるぞ!!おいおいおいー!!これって!??

フェルリーナを見上げてみれば、やばい!!

レイピアから、今度はとっても巨大な白い円状の球が出現した!目測から測れば、きっと直径10メートルは下らないだろう!

「おい、おい......勘弁してくれよーー。」

そんなことまでして俺を奴隷にしたいとか、マジで歪んだ意味で俺に惹かれてんなーーあのフェルリーナって子。まあ、マゾといっても俺はそんなに筋金入りの方じゃないし、そして梨奈と仲間たちとも約束を交わして愛する日本へ帰ると誓い合ったし、お前の奴隷になるのはまあ、断らせてもらおうーーーー。

................でも.............その前にはどうにかして、この足元に感じる縛りから脱することが先決だな、うん。


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