声劇台本2人用 「寒い日」

コペル

寒い日

A:男性


B:女性



(SE:ガチャ)

A:あーっ、寒い寒い寒い寒い!


B:おかえりー、今日早かったね


A:まぁね、とりあえずこたつ、こたつ!


B:入っといで(笑


A:あーーーっ、あったけぇ!やっぱり冬は、こたつですなぁ…


B:うわぁ…もう、おっさんみたい(笑


A:誰がおっさんやねん!?まだ、ピチピチの43です!


B:いや、その年でピチピチって言うかね…って、あんた…まだ20代やけどね(笑


A:ごめん…実は俺……申年やねん…


B:それはいつの!?干支で、カミングアウトなんか、初めて聞くわ(笑


A:やっぱり、無理やったか…


B:なんでイケると思うんだろ…あっ、でも最近枕はちょっと…


A:そこは、デリケートやから、言わないで!(笑


B:はーい!(笑)でも、なんで今日こんなに早いの?まだ夕方前だよ?


A:いやぁ、昼前から雪降って来て…最初は弱かったから、まだ良かったんやけど…


B:もう軽く、積もってきてるもんね?


A:そう!だからもうさすがに、帰り心配やから、みんなで切り上げようって


B:なるほどね、でも、どうしよ…ご飯まだ用意して無い……


A:ちなみに、今日のご飯何やったん?


B:うーん…雪降ってきてるし…鍋か、シチューかなぁって


A:食材は?


B:勿論!これからです(笑


A:えーーっ!買いに行くつもりやったん?


B:だって…すぐやむと思ってたし…あっ!じゃあ車出して


A:いやいや、スタッドレス履いて無いから、危ないって


B:えーっ!?せっかく早く帰って来たのにー


A:しゃあないやろー、無理に車出して事故ったら、それこそ目も当てられんし…


B:むぅ…わかった……


A:ちなみに、アリ物は?


B:中途半端にいろいろあるけど、これだったら、中華になるかなぁ?


A:中華かぁ…やったら、夜食べに行くか?


B:え!何処に何処に!?


A:うーん…歩いて行ける所なら、そこの角にある…ほらっ…あるやん…あの店!


B:もしかして…あのラーメン屋さんの事、言ってる?


A:そうそう!名前なんやっけ?


B:えーっ…なんだっけ?(笑


A:希望…みたいな……


B:うん、あそこね(笑


A:ムズムズするから、行って確認しよ(笑


B:はいはい!じゃあ…(トーン下げて)夜まで何する?


A:え…?それは……


B:何?はっきり言ってご覧なさい


A:ほらっ!外寒いから……二人で…


B:二人で?


A:(小声で)こっこれはどっちや…


B:なぁに?


A:あっ、あたため合う!とかは…どう、かな?


B:あたため合うって…どうやって?


A:なっ…それは……最近、ご無沙汰やし…


B:何の話を、してるのかしらねぇ


A:だから…わかるやん!


B:さぁねぇ…さっぱりわからないわ…ってあら?どうしたの?そんなに赤くなって…


A:っ…なんか変なスイッチ入ってない?(笑


B:変?どうかしら…入れたのは……誰かしらね?


A:え?それは…


B:確か…ご無沙汰って、言ったわよね?…何が、ご無沙汰…なのかしら?


A:だから、もう!わかった…ちゃんと言うわ


B:待って!そんな直接的な言葉、私に投げないでくれる?


A:え?…じゃあ、どうしたら良いねん!


B:そんなの、綺麗に…でも官能的に、言ってご覧なさい!貴方は私と…何がしたいの?


A:こいつ…絶対遊んでるわ(笑

えぇわ、やったろ!後悔しても知らんからな!


B:後悔するのは、どちらかしら?


A:(咳払い)まず、これから二人でゆっくりと寝室に向かう…でも、ただ向かうだけではなく、貴女が私の前になり、ゆっくり歩いて行く…その貴女の後ろ姿が、まるで高原に咲く美しい、一輪の百合のように映り、たまらなく、いとおしく感じた私は……そっと壊れないように、貴女の背中に寄り添い、優しく包みこむんだ…


B:……貴方のぬくもりを、肌で感じたくて…冷たくなった貴方の大きな手を、私はそっと握り、絡ませ…ほどけなくなるぐらい、ぎゅっとキツく握り返すと、貴方は軽く微笑んだような吐息を漏らし、私はその表情が見たくて…貴方の手をほどき、振り返るの


A:少しの沈黙の後…お互い照れながらも、目を見つめ、まるで、まばたきする音が、聞こえる程の距離まで近づくと、貴女はゆっくりまぶたを閉じ…そして顎を、ほんの少しだけ突きだす


B:重なりあう、唇から伝わる…貴方の温度に、このまま溶けてしまいそうな感覚と、柔らかな感触で、私の中にある貴方への想いが、込み上げそうになりながら、鼓動がだんだん強く、そして、早くなっていくの…


A:そんな貴女を抱え、ゆっくりベッドへと運んで行き…貴方の姿を隠しているモノを、一枚、また一枚…


B:私は頬を赤らめ、恥じらいながらも、貴方を受け入れ、そっと灯りを消した…


A:生まれたばかりの、無防備な姿に息を飲み、吸い込む事を、忘れてしまいそうなぐらい、この世の誰よりも…この世の何よりも…美しく見えた


B:バカ(笑


A:やっぱり後悔してるやん(笑


B:だってここら辺にしとかないと…ね?


A:まぁね(笑


B:どう?身体暖かくなった?


A:(照れながら)うん(笑


B:私も(笑


A:さて、ほな行きますか!


B:せやね!誰かのせいで、お腹も空いてきたし


A:誰のせい、やろねぇ(笑


B:うるさい!用意は?


A:大丈夫!すぐ出れるよ


B:ほな、レッツゴー!


(SE:ガチャガチャ)


A:やっぱ寒いーー!だいぶ積もってるやん!


B:ねー……あっ!鍵閉めた?


A:大丈夫!抜かり無いで


B:さっすがー!



B:良し!着いたー


A:「希望番長」やったかー(笑


B:多分これ「繁盛」と、かけたつもりかな?って…あっ!えーーー


A:どうなんやろね…うーわ、雪のせいで休みかよ


B:もうー、ラーメンの口なのにーー


A:(ため息)しゃあない、タクシー呼んで、ラーメン食べに行くか!


fin






















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声劇台本2人用 「寒い日」 コペル @gadomoroha

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