少女は転移した幼なじみと恋はしない

@kou2015

第1話

「おーい、子豚。今日もおやつ食べまくってんのか?」


 

 人の家の2階の窓に小石をぶつけてくるのは、お隣の琉生君だ。


 かなり、年下だがいちいち人を構ってくる。小学4年生と、まだまだお子様だ。

 


「人のうちに小石を投げないの!」

 


 お互いに両親は共働きで帰りが遅いため、高校生である子豚こと葵が、夕食の面倒などを時々みている。

 

 



 

「子豚、今日コンビニ弁当がいい」

 


 今日は葵が野菜をみじん切りにしてハンバーグに入れ込んだのだ。

 琉生にそれがバレて、わがままを言われている。

 


「せっかく作ったんだから、わがまま言わないで食べて……。今日は手作りプリン付き!」


「いつまでもプリンに騙される年だと思うなよ!」

 


 琉生は文句を言いながらも、ハンバーグとプリンを平らげてしまう。


 

「ごちそうさまでした! ほら琉生君もきちんと言って!」


「子豚がブーブー言ってて、何のことか分かんないね。それよりゲームやろうぜ! どうせ下手くそなんだろうけど!」

 


 葵がお皿を片付けると二人でのゲームタイムだ。


 葵と琉生がゲームに熱中していれば、急に地鳴りがし始めた。

 


「琉生君。大きい地震が来る。机の下に……」

 


 葵が声を荒げた時には本震が来ており、琉生を葵が抱き抱え守っている。

 



「大丈夫、大丈夫! そばにいるから……」

 


 葵の意識はそこで途絶えた。

 

 

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