第17話 猛将、呂布現れる

「そうか!? もう一度、曹操クエストに挑戦したけれど、どんなに敵の曹操に巨大ロボットや特殊スキル、魔法を使えるようにしても、渋子がアトミックボムを持っている限り絶対に勝てない!?」

 天才ゲーム・プログラマーの姉の日向は大切なことに気がついた。

「しかし、殿から核爆弾を取り上げてしまっては、ストーリーに面白みが無くなってしまいます。」

「シバちゃん、なんか良いアイデアはない?」

「三国志の世界には、原子爆弾に対等な兵器はありません。対抗策として、曹操様を大魔法使いにして、核爆弾魔法アトミックボムで、殿の攻撃を相殺させますか?」

「それいいねって!? そんなことしたら妹が死んじゃうじゃない!?」

「大丈夫です。殿には無限蘇生スキルがあるので、叩いても、伸ばしても大丈夫です。」

「あ、そっか。じゃあ曹操にも核爆弾を装備と。」

 曹操は装備に核爆弾を手に入れた。

「そろそろ殿が第4クエストに向かいますよ。」

「第4クエストは呂布よね。」

 渋子は第4クエストに挑む。

「ブー! ブー!」

 なぜか不機嫌な渋子。

「どうしたの? 渋子。そんなに頬っぺたを膨らませて。」

「だって、だって・・・・・・呂布が女じゃん!?」

 今回の曹操クエストの呂布は、絶世の美女だった。

「あなたが美男子と美女がいいって言うから、呂布を美女にしといたんじゃない!?」

「私はイケメンがいい! 呂布は強い男なんだから、とてもカッコイイ、イケメンがいい!」

「本当に渋子は我儘ね。」

 姉の日向も飽きれるカワイイ妹である。

「私は女なら、お姉ちゃんみたいなゲーム・オタクになりたい!」

「我が妹ながら、なんて良い子なのかしら! アハッ!」

 渋子の憧れは日向だった。それを聞いた姉は照れ臭そうに喜ぶ。

「何をゴチャゴチャ言っている!? 私の鉾の連撃で串刺しにしてくれるわ!」

 女の呂布が渋子に襲い掛かる。

「それは残念。私、女には興味がないので消えてもらいます。必殺! アトミックボム!」

 ドカーン! 渋子の一撃がキノコ雲を作る。

「また詰まらぬ者を爆発させてしまった。私って、罪な女ね。」

 勝ち誇る渋子は第4クエストを突破した。

 つづく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る