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SNS上をまとめサイト等のフェイクニュースが飛び交う中、謎の巨大ロボットの話題が出てきたのは五月一日頃と言われている。
この時には、既に
今日も彼女は自宅で情報収集をしていたのだが、彼女は無職と言う訳ではない。
(この様子だ、もしかして――)
それはあり得ないだろう、と考えつつも一つの懸念を持つ。
それは、自分も仮にWEB小説を発表している以上、
さすがに三作品に共通してメディアミックスも行われているので、さすがにそれはないだろうとは思っているが。
(念には念を入れて、絞り込むべきなのか)
自分の作品は出版もされているが、それは対象に入るのだろうか――と言う意味で、舞風はSNS上の記事を検索し始めていた。
そして、ある考察サイトへとたどり着く。そのサイトの名前を見て、驚くしかないのは舞風だけではないのだが、マルスはその場にいない。
「このサイトならば、きっと――」
舞風の発見した考察サイト、それは様々なWEB小説に関する共通箇所を列挙しているサイトでもある。
そこには、レッドカイザー、謎の巨大ロボット『ヌァザ』の登場する作品も載っていた。
それ以外にも複数の作品が列挙されているのだが、その数は七作品以上にも及ぶ。つまり、このサイト管理人も七つの鍵を持つ七人を特定できていないのだ。
舞風も何となくの目星こそ付けている作品はありつつも、決定打がないのでマルスにも話せないでいる。
(おかしい。マルスだけ、特例――?)
ピックアップされていた作品の中に、マルスが登場している作品はない。
対戦格闘ゲームにはなっているのだが、それだけでピックアップから外れたと考えるのは早計だろう。
(そうじゃない。もしかすると、このサイト管理人が見落としている個所があるのかも)
マルスの登場する作品、それはピックアップからは漏れているが異世界転移を題材とした作品である。
別世界から主人公が舞台となる世界へと転移、そこで主人公は異世界での目的を知って――という出だしが多い。
このサイトでピックアップされているのは、異世界転移が多いだろう。その中に、レッドカイザーとヌァザの作品もあっただけ。
他にもピックアップされている作品はあるのに、それらにはしっくりこないのが舞風の考えらしい。
(共通点は異世界転移だけじゃない。他にも、きっとあるはず)
結論を急ぐのは非常に危険な話題と言う事もあり、今は情報を集めて行く程度で十分と思う。
必要があれば、それを思い出す程度で問題はないだろう――と言うのが現状の様である。
ロボット騒動も若干落ち着いてきた五月二日、SNS上では別の話題に移っており、ヌァザの事は過去系となっていた。
流行りの移り変わりとは、そう言う物なのだろう――と割り切る者もいれば、逆に不審に思う人物もいる。
(ガングートは失敗したが、次は――)
蒼流の騎士も焦りが見えている。表情を知ることはメット着用の関係で不可能だが――。
彼がいる場所、それは草加駅近くのARゲームエリアだ。その為か、彼を怪しむ人物はいない。
むしろ、同じ蒼流の騎士のコスプレイヤーもいるので――隠れるには都合がよいのだろう。
そして、次に彼がターゲットにしたのは、魔法少女を題材とした作品である。一見すると、アニメ化もしたメジャー作品に見えるだろう。
メジャー作品では、さすがにここまでやるような価値はない。その作品やファンだけでコミュニティが完結している可能性だってある。
蒼流の騎士が求める物、それはメジャーではないがマイナーでもないと言う中間点にあった。メディアミックスされているばかりが現実化しているのは、こう言う理由だろう。
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