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レッドカイザーとマルス、お互いに目的は一緒である事は分かっている。しかし、それでも違う部分があった。
だからこそ、そこだけは決着を付けておく必要性があったのだろう。
『SNS炎上は悪の行為そのもの! それをなくすためにも――』
「SNS炎上? 正義の規模が非常に小さすぎはしないのか!」
マルスの言う事も一理あるが、マルスの場合は帝国を打倒する為に呼ばれたような物である。
ある意味でも、マルスの世界の規模とレッドカイザーの世界の規模を同一で語るのは違うような気配がしないでもない。
『正義に規模は関係ない! 広く認識し過ぎて達成できないような物もある!』
逆にレッドカイザーの方が正論を言い放つ。
マルスも反論は出来ずじまいだが、それでも何とかしようと右腕のガントレットを展開する。
「それでも、自分には守るべき世界がある!」
マルスの放つ拳の一撃は、寸前でレッドカイザーがシールドを展開して無効化されてしまう。
『お前が守るべき世界とは何だ!?』
「守るべきなのは、この世界が存在する全て――」
『その全てとは? 帝国も共和国も守ろうと言うのか? 帝国を倒そうとしているのに?』
「そうだ! 打倒帝国は事実だが、何でも武力で解決しようと言うゴリ押しが――今の時代では通じると思えない」
その後も二人の激突は続き――お互いの正義は全く違う物であり、交わる事はない。
語りつくしたとしても、結局は平行線をたどってバトルもエンドレスになっていく――そう思われていた。
【ヒーローショーの動画か何かか?】
【違う。これはARゲームだ】
【これがゲーム? プレイヤーは何処に?】
【ARゲームである以上、プレイヤーは今動いているアバターの事だろうな】
【あれがアバターなのか?】
動画サイトでのライブ中継では、様々なコメントが飛び交う。
やはりというか、これをゲームと認識した上で視聴しているプレイヤーが少ない事が、コメントの傾向からして分かる。
(SNSを炎上させる事が目的であれば、ガーディアンに摘発されて終わりのはず)
2人のバトルを冷静に見ていた
何故にこうするのか? ガーディアンの目から逃れる理由とは別だろう。
(本当に蒼流の騎士が狙っている事は――)
二人のバトルを見極め、それからにした方がよいのかもしれないが――舞風は
仮にSNS炎上だけであれば、このような回りくどい事をする必要性は一切ない。まとめサイト等を立ち上げ、そこで展開すればいいだけの話だ。
炎上商法だとしても、マルスは別としてももっと有名な作品や海外作品はある。レッドカイザーはWEB小説原作との事だが、マルスも――。
平成の時代は終わり、今や令和となっている。その中で、未だにSNS炎上で悪目立ちアピールをするような人間が出るのだろうか?
それこそ時代に取り残され、一時的に名前がバズったとしてもすぐに忘れられてしまう。そのような悪目立ちアピールに正義など存在しない。
SNS炎上は令和になってからも目撃されて入るのだが、ここ最近はガーディアン等のような勢力が大災害になる前に抑え込んでいる傾向だ。
炎上する題材は数あれど、手っ取り早いのがインターネット発のコンテンツである事が多い。いわゆる嫉妬のような闇の感情で炎上させているのだろう。
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