第428話 ゴムホースの用語解説

品質管理部だけどよくわかっていないゴムホースの用語解説



・ゴムホース


 ゴムで出来たホース。

 ゴムの中に糸が入っているのは耐圧性能を持たせるため。

 ホース内部に圧力がかかった時に、それに耐えられないと風船みたいになると思う。

 そんなゴムホースを作ったことが無いので想像ですけど。

 でもまあ、web小説で見るような異世界のモンスターの腸を使ってホースになんてのは難しいんじゃないでしょうかね。

 腸が圧力に耐えられるような硬さって、生きていくうえで支障が有ると思います。

 ソーセージみたいなのも作れないしね。

 使用目的からゴムホースは当然内部に液体が流れるので(場合によっては気体もですが)、圧力がかかります。

 そこで抜けないような仕組みが必要になってます。

 庭の水撒きにつかうホースであれば、蛇口に固定する部分にネジがあったりするのを見たことがあると思いますが、自動車の場合はホースクランプと呼ばれる金属の輪であったり、場合によってはホースにパイプを挿入後に外側から金属でかしめたりしています。

 この辺はエンジンルームを見ればわかるかなと。

 で、そのかしめなんですが、ゴムホースの偏肉があって挿入がとてもやりにくいロットなんかがあるんですよね。

 そもそもホースの成形なんて精度が良くないので、それを吸収できるような後工程をつくる必要があるのですが、ばらつきが大きいものをどうしろとっていう技術部門の言い分もよくわかる。

 因みに、ホースクランプだとその辺は問題になりません。

 クランプの径がホースに対して大きいので、ばらつきを吸収することが可能なんですよね。

 じゃあ、全部ホースクランプでいいじゃんって思うでしょうけど、ホースクランプだと性能が足りないところもあるんですよね。

 かしめは抜け防止の目的もありますが、ホースにOリングの役目を持たせたりもしているので。

 そんなゴムホースの不良というと、種類間違いとかしめ不良が代表的です。

 どっちも最悪ですね。

 市場流出の可能性が高い。

 なにせ出荷時にはわからないので。

 特に種類間違いは年数が経過しないとわかりません。

 ホース内部の液体がホースにダメージを与えて穴が開くなんてのは、新品だと絶対にわかりませんので。

 それでも、そんな不具合のニュースを聞かないのは、どこのメーカーもゴムホースの種類間違いを起こしていないっていう事なんでしょうね。

 えらい。

 深読みはしないでください。

 このゴムホースなんですが、生産計画は二か月先くらいのを立てるので、緊急の注文は受けてもらえないです。

 なんなら、ホースメーカーの不具合で代替品を要求してもどうにもならなかったりなんてのもあるらしいですね。

 なにそれ、怖い。

 コンプライアンスの関係で詳しくは言えませんが、代替品の手配が出来ずに大変な事があったらしいですよ。



・加硫


 ゴムに硫黄を加えて弾性を持たせる工程。

 web小説でゴムホースをつくる話にはまず出てこない。

 まあ、作者も一次加硫と二次加硫の話を聞いても、「そういう工程があるんですね」程度の認識です。

 それよりも興味があるのは、社長に若い恋人いるのが週刊誌報道になっているけど、どんな気持ちですかってところですかね。

 って、どこの会社かわかっちゃうじゃないですか。

 あんまり詳しくないのでこの程度の知識です。

 いや、他のホースメーカーに対しての方が言いたいことが沢山あるんですけどね。



・渦流探傷


 金属の表面の傷の有無を確認する検査方法。

 交流の発生するコイルを使ってインピーダンスを測定する事により、金属表面の傷を発見する事が出来る。

 傷が無ければ綺麗な渦となるが、傷があった場合にはそこの個所の渦が乱れるというイメージです。

 まあ、過流探傷をやっていても傷を見逃して流出させちゃったりするので、どうしたもんかななんて悩んでいますけどねえ。

 オチは花柳、短小と過流探傷を掛けたダジャレ。



・花柳


 風俗店、風俗街。



・火竜


 ファイヤードラゴン。

 強い、赤い。

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