第399話 用語解説70

品質管理部なら知っていて当然な単語を解説




・工程保証度


 新規立ち上げ時に要求される書類。

 工程FMEAみたいなもんなので、評価もやっぱり似る。

 まあ、機能していないと思いますよ。

 真面目に評価するなら、ポカヨケやその他設備にもっとお金をかけないといけなくなるので。

 安くていいものなんて存在はしません。

 世の中は安くて悪いものか、高くて悪いものか、高くて良いものの三種類です。

 という前提がありながらも、発生と流出の保証方法をマトリックス評価していき、どの程度工程が保証されているかを検証したエビデンスは必要だよねっていうことに。

 工程保証度評価が正しいのならば、不良が出ることなんて無いんですよ。

 作中でいえば、世の中に存在する冒険者の障害に対して、全て対応出来るようなパーティー構成にしたら、全てのクエストが無事にクリアーできるのかって事ですね。

 構成メンバーが膨れ上がり、一人あたりの取り分は減って、それでも死亡や失敗するリスクはゼロにはならないんじゃないでしょうか。

 ならないって断言してもいいかな。

 意味がないとは言いませんけどね。

 事前に集まって確認した時に、ここはやばいよねって班長と話題に上ったところから不良が流出する事が多いので。

 気を付けてもどうにもならないのですが、心の準備をするくらいには役立っています。

 それでいいのか?



・いじっちゃだめ


 人間駄目と言われたやりたくなるもの。

 鶴の恩返しでも、浦島太郎でも禁止行為は破るためにある。

 性的な興奮も禁止された行為になるほど高くなるって言いますしね。

 で、生産時のパラメーターもいじっちゃだめって言われているところをいじるほど興奮してくると。

 変態か!

 調整すべき個所はまだまだあるのに、どうしていきなり最初にそこに手を出すのかわかりません。

 いじっちゃだめって言われている理由があるんですよ。

 料理なんかでも、調味料の分量は調整しても構いませんが、材料の種類や産地を変更したら、料理のバランスがくずれちゃったりしますよね。

 醤油もたくさん種類があるけど、どの醤油でもいいってわけじゃないのと一緒。

 挙句の果てに寸法不良とわかっていながら、次工程に流すとかもうね。

 それにしても、どうしていじっちゃだめって言われているところがこんなに多いのか。



・開発の問題


 鬼門。

 そこ、本当にスポット溶接でいいの?って言いたくなることも多々。

 良品になる条件がすごく狭いのは、製造現場の責任じゃないよね。

 それと、都市伝説なんですが図面に記載された材質だと、色々と問題が出たりすることがあったり無かったりするそうです。

 量産前のイベントで見つかっても地獄ですが、量産後に見つかっても地獄。

 そんなもん、工場の品管に対策書書けと言われましても。

 泣いちゃう。

 設計の不良か製造の不良かで揉めるなんてことも時々はありますよね。

 DRが甘かったり評価試験が未実施や不適切なんてことも。

 未実施の理由は過去の製品と類似だからっていうのもあるんだけど、客先の要求みたらちょっと違っていたなんて事もあったりとか。

 車両試験なんてスケジュール決まっているから、いまさら変更しようとしてもかなり先になっちゃうよねえ。

 対策のクローズどうしよう。

 他にもどう見てもアカンやろって設計でも、試作時になんとかしちゃった結果、量産にゴーがかかるのどうにかならないものかな。

 まあ都市伝説だから、真偽の程はさだかではありませんが、強度不足の問題が市場で発覚しちゃうと、夜も眠れないよね。

 車両イベントよりももっと前の本当に開発段階で、光造形の部品を接着したり、ウレタン削って色々なものを作っている時は楽しいのですが、それ以降の車両開発になると途端に辛さばかりになるのよねえ。

 あの車のアレの形を世界で一番最初に作ったの僕です。

 リコールになったけど!!

 っていう夢を見ました。

 夢です。

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