第352話 用語解説61

品質管理部なら知っていて当然な単語を解説




・アントシアニン


 フラボノイドの一種で、植物の色素として知られている。

 抗酸化作用があることで健康に良いとされ、その手の業界で研究がされているとか。

 アントシアンのうちアントシアニジンがアグリコンとして糖や糖鎖と結びついた配糖体成分のこととウィキペディアに書いてありました。

 元ネタの美味しんぼでは山岡士郎が「黒豆の色素はアントシアン系の色素で、金属イオンと結びつくと綺麗に発色する」って言ってますね。

 アントシアンの方が広い範囲をカバーしてます。

 金属加工の会社の品管では使わない知識でしたね。



・緑青


 読み方は「ろくしょう」。

 銅の錆び。

 昭和の時代は毒とされていたが、どうもそうではないらしい。

 昔の癖で触るのが苦手。

 イオン化傾向は銅よりも鉄の方が大きいはずなのに、何故か銅の方が早く錆びるイメージ。

 流石に鉄は触って直ぐに錆びた経験はないのですが、無酸素銅はあっという間に錆びてくれましたね。

 触った奴の汗が酸性だったのかな?

 色は緑色なので、鉄の錆びと比較して目立ちます。

 ここだけの話、鉄の錆びなんて溶接の焼けと判断がつきにくいです。

 焼けも錆びも結局酸化ですし、防錆油の色が茶色っぽいので、錆びだか油だかもわかりにくいってのもありますね。

 ところが、銅の錆びである緑青は色が全く違うので、簡単に発覚してしまいます。

 とても厄介ですね。

 ばれやすい事を厄介というのもどうかと思いますが。



・ユニコーン


 処女が大好きなモンスター。

 ファンタジー世界のセクハラおやじ。

 処女が好きな人をユニコーンって言ったりもしますね。

 評価額が10億ドル以上の未上場のスタートアップ企業もユニコーンです。

 聖書にも登場するくらいにはメジャーな存在ですが、ポリコレ的には扱いにくい事この上ない。

 多分ダークエルフよりも厄介な存在じゃないかな?

 そんなユニコーンですが、どうやって処女を見極めているのかが気になるところ。

 測定器を体内に備えているのでしょうが、それの確からしさを何で保証しているのか、品質管理の観点からとても気になります。

 作品によってはユニコーンが処女だと思っていたら違い、怒り狂ったなんてのもあるみたいですね。

 どこのロリコンだよ。

 風俗で写真と違うって店員と揉めていた人みたいですね。

 話がどんどん下の方に流れていきますね……

 これがユニコーンの厄介な理由か。

 処女とか童貞とかがもてはやされる価値観が悪いとはいいませんが、それ以外の価値観があることも忘れないで欲しい。

 夜這い文化以外にもね。



・標準器


 測定器の校正に使用する基準となるもの。

 標準器は測定器よりも精度が良いものでなければならない。

 また、標準器を校正するには更に良い精度のものが必要となる。

 トレーサビリティにはどんな標準器で、それを校正したのがどの標準器なのかが記載されています。

 まあ、そんな標準器なので処女童貞をどうやって精度管理するのかって問題がありますね。

 標準器は最終的には国家標準にたどり着きますので、国家によって管理された処女童貞をおく必要があります。

 どこかのメーカーが結婚前に相手の性交経験を測定する装置とか作りそうですが、そうなった時にやはり標準器は必要だと思いますので、今のうちからどうやったらいいのか考えておきましょう。

 日常の始業点検も必要か……



・校正してない


 工場にある測定器は定期的な校正をすることになっている場合が殆どです。

 一部、ISOなどを認証取得していない小さな会社などが、校正や始業点検をせずに使用しておりますが、それは例外的な扱いでしょうか。

 校正については、ISOでは内部校正でも問題ないです。

 社内規定に従って校正をしていれば、審査時には問題なしとして処理されます。

 ただ、校正をしていないというのは大問題となります。

 始業点検なんていうものは、温度管理されていない製造現場で実施されており、その確からしさってどうなのとやっている方も思ってみたりしますが、大きな声で言うと嫌われるので黙っています。

 そんな始業点検よりも厳格なのが校正ですね。

 温度管理された測定室で校正をしております。

 まあ、忙しいときは現場でちょちょいとやっちゃったりしているとか、都市伝説を聞いた気もしますね。

 大きな声では言えませんが。

 大きな声で言えない事ばかりですね。

 まあ、そんな事なんて外にばれるはずないって慢心から、監査当日に校正をしていないノギスなんてものが現場から出てきてしまうんですけどね。

 せめて品管に一言相談して欲しかった。

 抜き打ちの監査じゃないんだから……

 っていう夢を見たんですよね。

 夢です。

 夢の続きがあって、ノギスを校正して問題ないことを報告となったのですが、問題があったらやばかったですね。

 組み付けて問題が発生していないので、最悪の事態は避けられるとは思っていましたが、それでも緊張はします。

 まったく、何してくれてるんだ!!

 製造業じゃない人向けに例えると、受験当日に受験票を家に忘れて、頼み込んで試験会場に入れてもらった感じですね。

 実際には試験会場に入れてもらえる事なんてないので、どう考えてもアウトです。

 それくらい酷い事なんですよね。

 生きた心地がしませんでした。

 夢の中の話だけど。

 で、似たような話で本編でも書いたけど、ISO14001の審査当日にドラム缶でごみを燃やして黒煙が上がっているのを審査員に見つかった話は、他人事ながら非常に胃が痛くなりました。

 なんでわざわざ審査当日にそんな事をするのか。

 完全に嫌がらせだろ。

 おっと、用語解説じゃなくて完全な愚痴になってしまったな。

 いつもの事ですけどね。

 始業点検でも校正有効期間内であることの確認はしているはずなんですが、それを無視されると品質管理なんて出来やしない。

 ルールは守ろうね。

 そんなわけで、全国の品質管理業務に携わる皆さん、校正してない測定器での測定が発覚して困った事例を募集します。

 奮ってご応募ください。

 みんなで笑って供養しましょう。

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