第260話 用語解説42
~異世界の品質管理は遅れている~の方は極力小説っぽくしたけど、不具合内容がぼやけるよね。
品質管理部なら知っていて当然な単語を解説
・やったことのない工法の量産見積もり
会社が存続していくためには、常に新しいことに挑戦する必要があります。
50年前と同じものを作っていては、生き残ることは出来ないので。
ただし、やったことのない工法なのに、量産の見積もりが出せるのはおかしい。
既存の工法と似つかないのに、どうして工数をはじきだせるのか?
もちろん、それは適当な見積もりだからです。
量産が開始されても、一向に減らない不良とサイクルタイム。
赤字を解消するための、対策会議に呼ばれるものの、戦犯は営業だろうとの声は書き消される。
「品質基準が厳しすぎる」の掛け声のもと、これ以上緩く出来るわけのない公差を緩和してもらう交渉に望む罰ゲームを止めさせたい。
初期流動の解除なんて当然できるわけもなく、量産終了まで初期流動が解除できなかったりする。
なぜなぜ分析で間違いなく真因は営業と経営者。
対策としては会社を滅ぼすしかない。
夜中の0時に「俺達の戦いはこれからだー!!」ってリアルに叫んでみたりもしました。
・不良と思うから不良に見える
品管の詭弁。
だけど、不良としてカウントされたくないので、不良という先入観を捨てて図面や共通規格をくまなく調べる。
時々解釈のしかたでごねればなんとかなることもある。
あまりにも一生懸命調べた結果、とんでもない間違いにぶつかって、弊社の不良どころではなくなったりするのだけれど、どこぞの国の事故車両よろしく埋められてなかったことになる。
不良の対策よりも、それが本当に不良なのかを調べる方が労力を使っています。
時々は手品師のように、客の目の前で不良品を良品にみせたりもしますが、たぶん夢です。
胡蝶の夢です。
後工程のことも知っていればちょろいって夢の中で声が聞こえました。
自社の製品がどうやって使用されるか詳しいと助かることもありますね。
納入後に熱を加えることで、製品が変形して形状不良って言われた時も、弊社の責任じゃないと証明出来たときは嬉しかったですね。
諦めない。
・見逃しOK
犯罪者とは裁判で負けたときにはじめて犯罪者となる。
不良も発見されてはじめて不良となる。
見つからなければ不良じゃない。
っていう時代がありました。
特に、見えない箇所の傷なんてなんの問題もありませんからね。
今の時代じゃ見つかったときのことを考えると、そのまま出荷するような冒険はできません。
とある1部上場企業の品管部長だった人が酒を飲むと自慢話をしていたのですが、どこまで本当かわかりません。
まあ、外観部品やっているメーカーだから洒落にならんだろうとは思いました。
会社名のヒント:ろくでもない
どこの会社かは口が裂けても言えないので、ハニートラップお待ちしております。
・署名を偽造
犯罪なのでやめてください。
他人の名前で成績書を作って提出とか、大人としてどうかと思う。
そういうのって不良だから他人の名前を使うんだよねっていう。
受入検査で不良が見つかって、納入メーカーに連絡すると「私は測定していません」って言われちゃってね。
電子印なので、前回の消し忘れなんだかわざとなんだかわかりませんね。
それと、製造の変化点について、俺の見ていない変化点にサインがあったときは怒ってやりました。
意外とよくやられる。
・新規品の条件
試作予算もないのに、「なんで他の方法を試さないんだ」って言われましてもねえ。
品質管理はあまり関係ありませんが、他所の部署も大変だなって他人事のように聞いています。
料理でいったらレモン以外の柑橘類を購入する予算がどこにあるんだよっていうことです。
レモンが最適じゃなくても、合格点になるならそれでいいじゃんって思いますよね。
僕はカキのシャンパン蒸しも大好きです。
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