第207話 用語解説32

品質管理部なら知っていて当然な単語を解説




・公差の決め方


 設計が使えな過ぎて困るので、決まった公差が適切かどうか、他部署が確認するという変な状況に。

 製造まで公差について意見するのって、設計として恥ずかしくないのですかね?

 恥ずかしくないからそんな状況なんでしょうけど。

 設計じゃなくて、単なるCAD屋なんだけどね。

 時間の無駄なので、外部の設計事務所を使いたい。

 そもそも設計FMEAできる能力持った奴がいない。

 他所の設計は知らんけど。

 って思ってちょっととある車両メーカーの設計を経験した友人に連絡を取ったら、

 「そんな連中ばっかりだよ」

 と素敵な答えが返ってきたので、どこでもそんな状況みたいですね。

 因みに、客先のダイキャスト図面は自分がチェックしてたりするのですが、それってどうなんでしょうかね。

 素材公差と加工公差の差異を見つけて、工程能力から加工公差で管理できるのかとかねー。

 ダイキャストについては、ダイキャストの公差の方が加工公差よりも緩いので、下穴の位置などは素材ではOKだけど、加工したらNGっていうのがあるんですよね。

 もっとひどいのは厚みか。

 フルバックの刃物がロゴ削っちゃうんだよねー。

 どことは言えないけど、それなりに大きいあの会社。

 あんたら専門なんだから、出来る出来ないは設計時に確認しておけよと。

 そんな仕事、営業は断れよな……



・脱脂


 加工時に油がないと、摩擦抵抗が大きくなって色々と問題がでます。

 金属が熱で変形したりとか、溶けてしまったりとかですね。

 ステンレスやマグネシウムなんかは、切粉が燃えちゃった経験があったり。

 マグネシウムが燃えるのは本当に危ないです。

 消防署に内緒で加工しているところは、事故を考えたら正直に申請したほうがいいですよ。

 どことは言いませんが。

 そんなわけで、加工時には加工油を塗布することが多いですね。

 ドライカットする工法もありますが。

 で、その加工油が付着したままだと、後工程で不具合が出るので、基本的には脱脂を要求されます。

 ところが、脱脂しすぎると、組付け時に摩擦抵抗が大きくなってしまい、ねじ山のかじりが出ることもあります。

 材質をみて適切な指示が必要なのですが、設計者がそれを理解していない。

 お前ら設計FMEAやっとるんけ?

 あ、上で設計FMEAを行う能力が無いって書きましたね。



・漁網の仕手戦


 あんまり盛り上がらなかったなー。

 当時はいろんな銘柄が盛り上がっていたので。

 思い出深いのは富山化学の上場廃止前の最後の相場かな。

 1000円までぶち上げたかった……

 最近新型コロナウイルスのおかげで、アビガンが注目されており、久々に名前を聞きました。

 インフルエンザ相場といえば、ダイワボウと富山化学でしたね。



・ミルクラン


 アメリカの酪農業者の配送方法にヒントを得た運搬方式。

 輸送効率がよくなるので、輸送費を抑えることができる。

 その結果、大手に参入していた運送メーカーは仕事が増えたが、中小の運送メーカーは排除されてしまったというデメリットもあったり。

 運送メーカーの決算をみると、結構儲かっているんですよね。

 輸送コストもっと下げられるんじゃないですか?

 輸送についての不具合を引き受けてくれるのはありがたい。

 時々、製品をひっくり返して、急ぎで作る羽目になるのはご愛敬。

 保険が利くとはいえ、急ぎの作り直しは辛いです。

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