第70話 用語解説12

品質管理部なら知っていて当然な単語を解説



・ゲージR&R


 測定値のばらつきのうち、どの程度が測定者(再現性)に起因し 、どの程度が繰り返し誤差(併行性)に起因するかを分析する手法。

 三次元測定機などでは有効だが、ノギスでこれを要求されるとほぼ不適切になる。

 だが、どうにもならないので、気が付くと妖精さんが%GRRを10%未満にしてくれている。

 なので作品中のような効果が発揮される。

 作業者によるばらつきなんて、最初から無かったのですよ。

 みんなわかっていることなのに、何故か有難がられる不思議な手法。

 早くなくなって欲しい。



・バーコード照合


 人の目による品番確認は、確実性が低く間違いガチであるため、近年のピッキングや出荷検査ではバーコードが導入されている。

 スーパーやコンビニのレジのバーコードと同じである。

 あの電子部品メーカーはQRコードだけどね。

 これによりラベル間違いや異品払い出しはほぼ根絶できた。

 ほぼというのは、ルールを守らない、守れない状況によって、バーコード無しで作業することがゼロではないからである。

 できれば、ラインの中にもバーコードを水平展開してもらいたい。



じか置き


 床に製品や、製品の入った箱を置く行為。

 食品メーカー以外でも禁止。

 理由は床のごみを拾って、製品に付着させるため。

 台車やパレットの上に箱を置くのだが、そこに靴で乗れば、結局そこも汚れるので、乗ることも禁止されている。

 だけど、レイアウト的にどうしても乗らないと箱が置けない、取り出せない事もあるので、見なかった事にする。

 コンタミチェックを行うと、床の塗料が製品内部に入り込んでいたりします。

 作業者も製品もワイヤーで上から吊りたい。



・投影図


 製図する際の手法。

 四つに区切った空間のどこから見るのかで、描き方が変わってくる。

 建築関係は第一角、自動車や弱電業界では第三角というのが多い。

 弊社の大工出身者や、建築デザイナー出身者などは、時々逆に展開してしまう。

 どちらの見方でもほぼ一緒だが、形状によって違うように見えるのがあるのが厄介。

 側面図が特に間違いやすい。

 3DCADスリーディーキャドをみんな使える訳じゃないので、未だに教育が必要です。



・原点と軸


 原点とはその名の通り、座標の0の位置。

 加工原点、組付け原点などがある。

 図面値で加工するのは不可能であるため、公差が設けられているのだが、設計者はそれが理解できない。

 それなので、原点が変わればずれが出るというのを考慮せずに製図する。

 組付け原点も同様で、組付け原点を加工図に落とし込まなければならないのに、それをしないため部品が良品でも組付けが出来ないことがおきる。

 軸は回転軸。



□□□□

   □

   □

   □


 上記のような形状があったとして、どこの直線を真っ直ぐにするかで組付け性が変わる。

 図面上は90度の角度で曲がっているが、実際の加工では90度ぴったりにはならないことが理由。

 なぜ理解できない。

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