第4話
突然だが皆さんは爵位というものをご存知だろうか?私は今でも全く理解ができません!
それって伯爵家に嫁ぐ令嬢としてどうなんでしょうね、まあ普通に考えてダメですよね、これでも勉強したんだよこれでもね、一応。ただ物事を理解したり思考したりするのが苦手で。かといって運動神経がいいかと言われたらね、そっちも残念なのだけれど。
閑話休題、爵位とはまあ要するに国から与えられる役職みたいなものである。国王が社長とか理事とか多分そこらへんで、平民が平社員的なそんな感じ。ごめん信用しないでほしい。今ほど説明が下手なことを悲しんだことはない。
まあ要するに貴族としての地位が一番低い私と上から数えて三番目くらいに偉い婚約者様の婚約は気に入らない人がたくさんいるのである。
何が言いたいかって?この堂々と愛人でもいいからお側に置いてください!とブライアンに告白してるシーンに遭遇してしまったんだけど、神さま仏さま、私はどうすればいいんでしょうか?
この国は一夫多妻制を認めている。というか、推奨をしている。確か世継ぎ問題が発生したからとか聞いた気がするけど、人数が多くても穏やかじゃないと思う。まあ話を戻そう。この国の国王だってハーレムを築いているし、愛人がどうとかそういう話は尽きない。第一皇子、第二王子、第一皇女、確かまだまだいらっしゃったと思う。聞いたときには何人いるんだ?とびっくりしたものだけれど、囲っている側室やら愛人の噂話を聞けばまあ、そうなるよなあ、と。国王陛下におかれましては、まだまだお盛んなようで侍女に手を出したとか、まあよく聞く話だ。真実かどうかはわからないが。
パーティーとか、舞踏会とか、お茶会とかで色んな、それはそれはもう昼ドラもビックリなお話を耳にしたりする。哀しきかな、不倫だ、浮気だ、そういう醜態話は貴族に好まれる。蹴落としたり、話の種にしたりまあ要するにそういう話は色んなものに対しての格好の餌にも毒にも、なり得るというわけだ。
情報は武器だ。相手を殺すも生かすも、如何様にもできる。醜態話でも何でも使えるものは使うのだ。人間はそういうものである。
とまあ以上のように、この国は、愛人も側室も通い妻も一夫多妻制も認めているということだ。
問題なのはブライアンの家柄とブライアンの気持ちである。ブライアンの家柄はまあ述べたようにやんごとなきお家柄?うん、無理して綺麗な言い方をするんじゃなかった。とにかく由緒正しいお家でそれなりに地位も高い。よって側妻、愛人、妾などいてもおかしくないし、というか本来なら私という本妻をチェンジされてもおかしくないのだ。だけど、これにはまあ浅い事情があってできない。よって愛人若しくは妾を狙ってくる方々がたまにいらっしゃる。しかしそれもこれまた浅い事情があってできないというか、う〜ん困った。ジェフも居ないし困ったさんになりそう。なってるけど。
ブライアンの気持ちもまあ、難しい。人の心は移ろいやすい。女心と秋の空というくらいだ。女って言ってるけど、男も女も同じである。何かあれば何かしら変わる。変わらないものなど無いに等しい。これ即ち世の摂理である。ちょっと今の私かっこよかった。げふん。
ブライアンがずっと私を好きで居てくれる保証などどこにもないのである。いや浅からぬ事情で結婚とか愛人とかそういう問題は大丈夫…なのかなまあうん、深いことはあまり考えない主義だから!こういうところが後々になってあのとき考えておけばポイントになるのは重々承知している。というか問題を後回しにしている癖どうにかしなきゃなんだけどね。今目の前の問題とかね。
私自身、実を言うと浮気とかバレなければお互いしちゃえば?派である。そもそも喪女だから、恋愛偏差値が0でして、まあ、その察しておくれ。そんな私だけど、恋って怖いね…いや本当にあの、ブライアンとジェフと出会ってブライアンと正式に婚約者になって一緒に三人で過ごしていくうちに本当に好きになったのだ。この人のことが好きだと。びっくりした。二次元だけしか好きになれないと思っていた私だ。こんな気持ちトータルで何年とか言いたく無いけどまあ恥ずかしながら本当にこんなありきたりだけれども誰かを好きになるという気持ちを持ってしまって、何とまあ面妖な上に面倒くさいことこの上ないのだ。
どストレートに言ってしまえば、やだ〜やだやだ〜!!ブライアンと誰かがナニしてとかうえ〜ん無理です。同担拒否です。いやブライアン様カッコいい〜!!とかジェフ様と並んで今日も麗しゅうとかそっち系とか私が知らないとでも思ったか!ブライアンが攻めだよ!!!いやジェフならねまあ同性だし私もジェフのこと信用してるしみたいなところある。というか正直男同士の友情に女は割って入れないわ。いや割って入れる人もいるのかもしれないけど少なくとも私はブライアンとジェフの友情の間に入れないんだよねえ。また話脱線したわ。
とにかく、私は、嫌なのだ。ブライアンが私以外の女の子と仲良くするのが。貴族の令嬢たるものとしてそれはどうなのか。最悪最低である。貴族の令嬢たるもの側妻、愛人くらい当たり前なのである。それをどうこうしてこその正妻なのである。でも残念ながら私にその器量はないに等しい。そもそも対人スキルがゼロに等しいのに、そんな高難易度なことができると思って?無理です。はい。
「ごめんね、僕は海の女神ティティア様と大地の女神ガティア様に誓った身なんだ。」
「そ、うですか…で、でも!私それでもブライアン様のことが好きで…!」
うわ。これでも食い下がらないかあ。ちょっと見直したでござる。眉をハの字にして困ったようなブライアンもかっこいいよ。でもブライアンをあんまり困らせないであげてほしいな、可憐なそこの女の子。あ、やっべブライアンに気がつかれた。これ修羅場になるやつやんけ〜!!
「グレイシー、おいで。」
「はい、ブライアン様。」
ブライアンに呼ばれちゃったから行くけれど、どう考えたって修羅場です、ありがとうございました。
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