第3章〜内乱の激化と流行病の発症〜

第20話 親愛なる*****へ

Dear *****


*****、10歳のお誕生日おめでとう。

この手紙を読んでいる*****にとってお誕生日なんて少しも嬉しくないと思っているという事は知っているけどあえて言わせてね。

私は*****に何もしてあげることが出来なかったから。

あなたは今、怒っていますか?憎んでいますか?恨んでいますか?

それとも、失望して絶望して諦めてしまいましたか?

ほんの少しでも*****にあの時の気持ちが残っているのなら諦めてはダメよ。

…なんて、今の状況をつくった原因の内の1人である私に言われたくはないかしら。


これから書くことは代々アステールの人間に受け継がれてきた事であなたの助けになると信じて残します。

私の母の一族の女は【原始創造スキル】をずっと受け継いできたのだけど、*****もスキルが発現すると思うの。

【原始創造スキル】にはいくつか種類があって個人差も色々とあるけど、*****の力は私と同じで【星の記憶書】の閲覧、更新、削除なんかを得意とするみたいね。

同じ星関係スキルで【星の記録書】って言うのがあるけど、解析、鑑定、情報検索に特化しているあっちと比べてこっちは未来予知や事象改変の方に特化していて相性がいいわ。

また、【星の記憶書】の性質は変化変動【星の記録書】の性質は不変停止で正反対だから使用者と仲良く出来ればいい事もあるかもしれないわね。


あとこれだけは覚えておいて。

星系の【原始創造スキル】全てに言えることだけど、過去にしか干渉出来ないから気をつけてね。未来を視ることもあると思うけど視たその未来を変えることは出来ないから辛い思いもすると思うけど*****ならきっと大丈夫。だから無闇に力を使ってはダメよ。何かを変えると変えた分だけの代償がかかるからスキルを使う時は十分気をつけてね。最悪命にかかわるわ。


最後にスキルの発動方法についてね。


(―――――以外、スキルの制御方法について続く)


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