悪役令嬢ですが、自分のスキルの代償がきつくて泣きそうです（仮）

第1章〜目覚めと出会い〜

第1話 どうやら転生したようです

読みに来て下さりありがとうございます。

スローテンポなのと話数もだんだんと長くなってきたのとで、一気に読むのには少々時間がかかる様になってきましたので、７〜8話までをプロローグ的な感じだと捉えていただければいいかなと思います。

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気がつくと豪華な部屋の豪華なベットで寝ていた。

なぜ自分がこんなことろに居るのか分からなくて、現状を把握する為に起き上がろうとしてさらに違和感に気づく。

（あれ？…体が縮んでる？…何だか身体もすごく重い…。）

何一つ分からない現状に不安を抱きつつも、起き上がろうと上半身を起こすと銀色の髪が自分の視界の端にうつる。

（えっ！？何これ！？）

重い体を無理やり動かし鏡の前まで行くと首に包帯の巻かれたピンクゴールドの瞳に綺麗な銀色の髪をした超絶美少女が具合の悪そうな青白い顔をしてこっちを見ていた。

｢何…これ…。｣

自分の理解の追いつかない現状に思わず呟きその場にへたり込む。

（あんまり良く思い出せないけど、私は黒髪黒目の平凡顔の日本人だったはず…なのに、なんで銀髪美少女になってこんな豪華な部屋で寝てるの！？）

鏡をみて混乱していると後ろで誰かが部屋に入ってくる音とガッシャーンと物の落ちる音がした。

｢ア、アリシアナお嬢様！気が付かれたんですね！｣

突然の音にびっくりしたがすぐ我に返り痛む首を何とか回し、へたり込んだまま音の方を向くとメイド服を来た茶髪の女の人がほっとした顔でこちらを見ていた。

（なんでメイド服？というか、アリシアナ…どっかで聞いたことあるような…。）

｢あの、アリシアナって誰ですか？｣

私は混乱したまま目の前のメイドさんらしき人にそう聞いたがメイドさんは私の言葉を聞くと深刻そうな顔をした後、慌てて『旦那様方を呼んで参ります。』と言って部屋を出ていってしまった。

約十数秒後、さっきのメイドさんと金髪に蒼眼でさっき鏡に映った自分と顔立ちの少しだけ似ている男性(もしかしてお父さんかしら…)と、その男性と同じ年くらいでブロンドの髪に緑の瞳の女性、それに自分と同じ銀色の髪に蒼眼の青年が入って来た。

（うーん、銀髪の男の子…どこかで…。）

私が思い出そうと悩んでいると(たぶん父親の)金髪蒼眼の男性が心配そうに話しかけてきた。

｢アリシアナ、そこの侍女から聞いたが記憶がないとは本当かい？｣

この部屋まで走ってきた様で少し息があがっているダンディな金髪蒼眼のイケメンが心配そうに話しかけてきた。

（…アリシアナってもしかしなくても私の事？身体も縮んでるし…もしかして前読んだ小説みたいに私死んで転生しちゃった？）

私がグルグルと悩んで黙っていると、男性は肯定だと受け取ったようで私に向かって微笑んだ後に色々と説明してくれた。

その説明を聞いているうちに、さっきからちょくちょく引っかかっていた違和感の正体が分かった。

（この人たち、前世に好きでやってた乙女ゲーム"君恋"の攻略対象の内の1人の家族だわ…しかも私、1番人気のジークフリート王子ルートで毎回必ず死んでる悪役令嬢のアリシアナだわ…。）

あのアリシアナに転生してしまった。

認めたくない事実に内心泣きそうになりつつも、アリシアナはうろ覚えのゲームのストーリーを必死で思い出すのだった。