第6話 戦場のシリア

「ドドドドドドドー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「ドカーン! ドカーン! ズコーン! ボコーン!!!!!!!!!!!!!」

「ドピュー! ドピュー! ドドドドドドド-!!!!!!!!!!!!!!!」

 激しい銃声、終わることのない爆発音が聞こえてくる。

「ギャアアアアアアー!? ウワアアアアアー!?」

 一人の女の子が爆風で吹き飛ばされる。

「お父さん!? お母さん!? どこ!? 私はここよ!?」

 女の子は戦場で家族を探している。全身に泥や砂が飛び散っている。

「イヤー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 目から涙を零しながら目を覚ます。

「はあ・・・・・・はあ・・・・・・また、いつもの夢!?」

 毎日、女の子は怖い夢にうなされながら目を覚ます。

「私は・・・・・・いったい!? 私は何者なんだ!? くそー!!!!!!!」

 自分自身を探し求めもがき苦しんでいる女の子の名前は、シリア。

「シッシッシ。絶対におまえを逃がさない。悪い○○少女にしてやる! シッシッシー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 シリアには悪い夢が取り憑いていた。

「先生、調子が悪いので保健室に行ってもいいですか?」

「どうぞ! いってらっしゃい! アハッ!」

 シリアは○○少女高等学校に普通に登校した。しかし睡眠不足なので体調がとても悪かった。学校名は略せば「〇女」か? シリアは席を立ち教室の外に出て保健室に向かう。

「ズルい! 先生! シリアちゃんだけ保健室はズルいと思います! 私も保健室でお昼寝がしたいです!」

 おバカな超能力少女の真理亜は学校でもおバカであった。

「仕方がないでしょ。シリアちゃんは体が弱いんですから。」

 ちなみにまだ教師少女に名前はない。

「チッ、私も弱い体に生まれたかった。」

「真理亜ちゃん、少しズレてるよ。」

 お友達なのでツッコミを入れてあげる魔法少女アリア。

「眠りたかったら、勝手に机で寝てればいいのよ。コリアちゃんみたいにね。」

「zzz。」

 明るい少女ケリアは、授業中だが眠っているコリアを指さす。

「そうか!? そうか! その手があったか!」

 ある意味で鈍感少女を感心する超能力少女。

「授業中に寝るな!」 

「ふわ~! よく寝た。ふにゃ~まだお昼ですか。授業が終わったら起こしてください。おやすみなさい・・・・・・zzz。」

 一度起きて二度寝する鈍感少女。

「先生! 私はお友達のシリアちゃんが心配なので保健室に行ってきます!」

「どうぞ! いってらっしゃい! アハッ!」

 女教師少女はあっさりと超能力少女の保健室行きを許す。

「え!? いいの!? 先生!? 授業中なんだから止めてくださいよ!?」

 意外な答えに戸惑う超能力少女。

「だって、お友達のシリアちゃんのことが心配なんでしょ? 私は勉強なんかより、お友達の方が大切だと愛する生徒たちに教えたい! 学力の偏差値よりも、お友達の大切さを知ってほしい! お友達偏差値で一番になりたい!」

 教育者として素晴らしい女教師少女。そろそろ学校の先生は出番が多いので、やはり名前が必要かなっと思う。シリアは使い方に悩んだが、スリアなら誰でも使用しやすい。

「スリア先生! ごめんなさい! 私は先生のことを勉強大好き変態女教師少女だと誤解していました!」

「いいのよ! 真理亜ちゃん! 分かってくれれば!」

「先生! 私は先生についていきます!」

「ああ! 教職者になって良かった! こんなに嬉しいことはない! アハッ!」 女教師少女と超能力少女に師弟愛が生まれた。

「転校しようかな? こんな学校だと自分の将来が不安になるわ。」

「私も。」

 魔法少女や明るい少女のように普通の生徒には理解できないお友達絶対主義である。

「zzz。」

 保健室では静かにベッドでシリアが眠っていた。

「マッマッマ。シリアちゃん、あなただけを眠らせないわよ。だって私たち、お友達でしょ。私も一緒に寝る!」

 そこに超能力少女が笑顔でやってきた。

「あれ? 起きないな。あ、そうか。シリアちゃんは死んじゃったのね。南無阿弥陀仏。」

 手を合わせて死者を供養する超能力少女。

「勝手に殺すな! 真理亜ちゃんのおバカ!」

「あれ? 今、シリアちゃんの声が聞こえたような?」

 寝ていてもツッコミができる眠り少女。

「う・・・・・・ギャア・・・・・・いや・・・・・・撃たないで!?」

 いきなり眠り少女が苦しみ始めた。

「どうしたの!? シリアちゃん!? まだ私は何もしてないわよ!? 私は無実よ! 冤罪よ!」

 自分が一番のお友達の超能力少女。

「ワッハッハー! あなたおバカなの!」

 その時、保健室に笑い声が響き渡る。

「そうです。おバカです。アハッ! ・・・・・・って、初対面の人におバカとか言われたくないんですけど! 失礼ね!」

 ノリッツコミのできる超能力少女。

「あなたは誰?」

「私は悪夢少女セリア。」

 現れたのは悪夢少女のセリアだった。しまった! 女教師少女にスリアという名前を付けなければ、100均少女セリアができたのにミスった!

「悪夢少女!?」

「お気楽なものだな。シリアが戦場の悪夢にうなされているというのにな。今度シリアが目覚めた時には悪い少女として目覚めるのだ! セッセッセ!」

「なんですって!?」

 悪夢を見せられて悪い少女に洗脳されようとしている眠り少女。

「そんなことはさせないわ! 私は私のお友達を守ってみせる! 悪夢なんかに負けるもんですか! 私のお友達を思う心は絶対に負けない!」

 超能力少女と悪夢少女の戦いが始まる。

 つづく。

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