Routine

床町宇梨穂

Routine

今日は久しぶりに君に会わない。

何日ぶりの事だろう・・・。

昨日の夜別れた時には次の約束をしなかった。

今度はいつ会えるのだろう。

君のことを考えて夜を過ごそう。

真剣に考えてみたいから、大好きなワインも今夜は止めよう。

君の笑顔や君の発する言葉。

すべてに惹かれて行く自分が少し怖い・・・。

こんな気持ちになったのはいつ以来だろう。

女の子に本当の自分の感情を伝えたいなんて思ったのはいつ以来だろう。

思い出せないのだからかなり昔の事かもしれない。

彼女の声が聞きたくなってきた。

電話をしてみようか・・・。

でも、もし彼女がこの時間に家にいなかったらと思うとダイヤルする事ができない。

かなり臆病な自分に嫌悪する。

やっぱり電話をしてみよう。

受話器を取ろうとした瞬間にベルが鳴る。

僕はびっくりしてワンコールで出てしまう。

「元気?何してたの?」

彼女だった。

「いや別に何も・・・。」

今彼女に電話しようとしてた事を伝えようとしたけれど、なんか嘘っぽいので止めた。

思いが通じ合ってるね、なんて冗談も言えない程僕は彼女にまいっているらしい。

それから十五分ほど彼女の一日の出来事を聞いた。

その間僕が発する言葉と言えば"うん"とか"ああ"だけだ。

犬だってもうちょっとマシな相槌をするだろう。

結局彼女に伝えたい事は何も言い出せない。

でも明日の約束だけはしておきたい。

「明日会えるかな?」

「うん、電話して・・・。」

よかった。

明日は彼女に会える。

僕の気持ちは確実に君に向かっているみたいだ。

君の気持ちはどこに向かっているのだろう・・・・・・。

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Routine 床町宇梨穂 @tokomachiuriho

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