エピローグ

「納得できません!」


 美穂が無事救出された翌朝、二人を呼び出した上司の机を叩きながらヒステリックに飯島が叫ぶ。その隣で南部が迷惑そうに顔をしかめつつ、左の耳の穴に小指を突っ込んでいた。


「キミが納得するしないは関係ない。二度は言わんよ。先日河川敷で見つかったのは人間の遺体ではなく、動物の死骸。犯人はこの男で、既に確保し事件は終わったんだ」


 飯島の視線を受け流しながら、頭頂部の薄い男がクイっと眼鏡を押し上げる。点けられたテレビの画面には警察車両に乗せられた男が顔を伏せながら連行されている様子が映っていた。


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