幸せな時間

琴乃はなにを考えているのか分からない。あんなに否定しながら、この手を繋がれた状況。

「なに照れているの。」聞いて欲しくは無かった。

「あっと…あ、この曲いいよね。」苦しまみれの言葉を出す。

「…ごめんね。音楽自体が嫌いだから。」

「えっとなんで。」

「だってさ私と正反対だから。音楽は自由に奏でられて美しいから。それと違って地味で嫌われ者な私がいるから。名前にも琴てあるよね。あれも嫌いなんだ。…ごめんなんかね。でも愁に私の事知って欲しかったから。あ話ずらしたでしょ。」

「さてと買い物してとっとと帰ろうよ。電車間に合わなくなるから。」

「そん時は歩いて帰りましょうね。」と笑いながら鬼畜な事を言っている。

そんなこんなで帰ってきた。そんな幸せな時間は続かなかった…

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