ヒーロー

楓 紅葉

小鳥の囀り

小鳥が囀っていた。

いいな。僕とは違って。最近はずっと寝ている。まだなのか。本当長いよな三ヶ月。あそっか明日からは出られるのか。いや語弊がある。追い出されるのか。そんな退屈な日々を彩ってくれたのはヒーローの漫画だった。だってカッコいいじゃん。絶望を壊して希望を与えてくれるから。

「大丈夫、香子よくなった。」

「大丈夫だけど…お姉ちゃん悲しそう。」

「えっとうん最近課題多くて疲れているだけそうそうあしたからひとりになるらしいよ。」

「…じゃあ挨拶しないとね。」

「今までありがとうございました。」

と姉妹は御辞儀をした。

「じゃまたね。」

と帰っていった。

「ねえ、愁ちょっと頼んでいい。」

「うんなんだ。またか。」

「あのねお姉ちゃんの事知っているよね。同じ学校だよね。だからね。助けて欲しいの。嫌われ者扱いされているお姉ちゃんの事。本当は心を閉ざしているはずなのに心配させないように無理に笑っている事私を安心させるためにしている事だろうけど、お姉ちゃんの方が大変なのに。だから良かったなら助げて。」

なぜなのか、帰る琴乃さんは暗く辛い表情になっていた。その風景を見ていた。




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