現翔院 怪人のマジカル妖魔ファンタジー~裏稼業サポートします!~

月野 灯花莉

第1話~現翔院 怪人、不思議な女性から依頼を受ける~

つよ魔力まりょく霊力れいりょく神社じんじゃ息子むすこ"現翔院げんしょういん 怪人かいと"


ある、いつものように神社の境内けいだい掃除そうじをしていたら1人の綺麗きれい女性じょせいたずねてきた


彼女かのじょ一体いったい何者なにものなのだろうか…


「すみません…

こちらにはらをしている現翔院げんしょういん 妖太郎ようたろうさんというかたいらっしゃいませんか?」とボクはなしかけてたのである


「はい、うちのちちですが…依頼いらいでしょうか?」

すると彼女かのじょは「一応いちおうは依頼。でも貴方あなたのお父様とうさまって魔力と霊力どちらもおとろえつつあるっていたわ。依頼して大丈夫だいじょうぶかしら」


そうわれボクは「多分たぶんですが父は社長しゃちょうのようなものでして…実際じっさいにはうちの1ばんうえ兄貴あにきが依頼を遂行すいこうするかたちになっていまして」


そう言うと彼女は「あらそう。でも貴方も物凄ものすごく強い魔力と霊力があるみたいじゃない?あとお兄様にいさまって二人ふたりいたわよね、3人で依頼を遂行してくれないかしら」

と彼女はそう言ってボク微笑ほほえんだ


「わかりました…兄貴たちに相談そうだんします」とボクかえすと彼女は「よろしくね」と片手かたてをヒラヒラさせてってってしまった


彼女が去ってからしばらくして神社の境内けいだいにある自宅いえ怪人かいと帰宅きたくした


帰宅後きたくご怪人かいと居間いまいるあに2人にはなしかけた


妖太兄ようたにいさん、奇理人きりとにいさん、2人にはなしがあるんだけど…」


すると妖太ようた奇理人きりと怪人かいとなお

怪人かいと、どうしたんだ?なにようか?」「怪人かいと?どうした…?ぼくたちに話があるのですか?」


すると怪人かいとは「はい。じつ今日きょう夕方頃ゆうがたごろ神社じんじゃ境内けいだい綺麗きれいなおねぇさんがたずねてきまして裏稼業うらかぎょうはらほう依頼いらいをしたいと言ってきたのですがちちではなく我々われわれ、3人に依頼をしたいと…」


そう怪人かいとが言うと2人の兄貴たちは

「なるほど…、親父おやじじゃなくてオレたち3人に依頼か」

「そうだね…、なんでかな?」

るか!怪人かいとはなしからして親父ちちおやよりもオレたちに依頼してきたのにはなにかあるじゃないのか?」

「だよね!怪人かいとはその依頼をけるでいるのかな?」

そう言われて怪人かいとは「はい、受ける気でいます。何故なぜなら彼女からはただならぬ気配けはいがしたからです」と言うと兄たちは「うむ、ただならぬ気配か…

怪人かいと、おまえは彼女からどんな気配がしたんだ?」と妖太兄ようたにいさんが言ってきた


すると怪人かいとは「彼女の背後はいご神族しんぞく魔族まぞくのかなり強い気配がしたんです」と言うと

「神族と魔族か…」

「もしかしてその人、ハーフとか?」

「ハーフですか…?神族と魔族っていうだけでも貴重きちょう存在そんざいなのにそれらのハーフというのはさらに貴重な存在なのでは??」

「そうか~、たしかに神族と魔族のハーフというのは貴重な存在同士だから数少かずすくないがこのくににいるんだよ」

ようくんのいに神族と魔族のハーフいるもんね」と言うと「おい!やめろよ。アイツは神族と魔族のハーフだが普通ふつう人間にんげんとしてきてるんだからじゃない…なんだよ!」とかおあかくして言った

すると奇理人きりとにいさんは「ごめん…。そうだよね、うん。彼女はちがうよね」と2人の会話かいわいていた怪人かいとは「なるほど…、数少ない貴重な存在同士のハーフさまがなんで我々に依頼を?」

「それを聞きに彼女に会いにいくんだろ?」

怪人かいとくん、彼女は何処どこにいるのかな?」とあにたちに聞かれボクは「すみません…。境内けいだい掃除そうじをしていたときたずねてられたので彼女が何処どこからたのかさっぱりで」と言うと兄貴あにきたちはぼくに「そうか。なら彼女がまた神社に来たら依頼は受けておいてくれよ」

「ですね。たのみましたよ、怪人かいとくん」と言った


ボクは「はい!分かりました、彼女がまた神社に来たら依頼を受けるってつたえておきます」と言ったあと兄貴たちは居間から出て行ったのだった


かれらを見送みおくったあと怪人かいと自分じぶん部屋へやもどりベッドにいた式神しきがみ妖狐ようこ""とはなはじめた


怪人かいと~~、どうかしたか?」

「あさげ…。うん、そうなんだよ」

「そういえば夕方に神社に来た綺麗な姉ちゃんから言われた依頼のごとか?」

「うん。そう、それだよ」

「兄ちゃんたちに相談したのかい?」

「相談したら兄貴たちは受けろってさ」

「それなら兄ちゃんたちもクロガネとちゃたにも相談してるだろう」と言った

ボクは「だといいんだけど…」とベッドに顔をめながら不安ふあんそうな顔をした


一方いっぽう、そのころ2人の兄貴たちはというとそれぞれの部屋で式神""と""に怪人かいとから相談された依頼について話していた


「クロガネ、ちょっといいか?」

「なんだい?妖ちゃん。わたしに話って?」

怪人かいとがな、夕方に綺麗な姉ちゃんが神社に来て裏稼業うらかぎょうの祓い屋として依頼してきたらしいんだ」

「うーん…。そうなると彼女はわたしらのご主人様の事、何か知ってるのかもしれないね」と言った


すると妖太兄ようたにいさんは「だよな~、クロが言うんだからそうだろうな」と言い

クロガネは「ようちゃん、彼女に見覚みおぼえはないかい?」と言ってきた


妖太兄ようたにいさんは「らねぇよ!神族と魔族のハーフかもしれないとかいう女とオレがか?」

「だって妖ちゃん、神族と魔族のハーフの子と知り合いだったじゃない?」と言うと

「だけどアイツは人間として生きてる」

「そうよね~」

「数が少ないといってもこの世には沢山たくさんの神族・魔族・妖怪ようかいが存在するのよ?居てもおかしくないでしょ?」と言ったので妖太兄さんはクロガネに

「だよな、参ったぜ…」と言いひたいに手をあてくびよこった


そのころ奇理人兄きりとさんはというと

「ちゃた~~!ちょっと話があるのだけど、どこですか?」と言うとベッドのしたから茶色ちゃいふわふわの毛並けなまたみのが出てきて奇理人きりとかたにぴょっと飛び乗り「はいよ~~、どないしたん?奇理人はん。

もしや夕方に神社に来てたあの綺麗な姉ちゃんのことかいな?」と言った


すると奇理人兄きりとにいさんは「あれ?なんで知ってるの?」頭にはてなマークを浮かべた


ちゃたは「クロガネはんとあさげはんから聞いたんやで」と胸を張るポーズをした

奇理人兄さんは「ちゃた、さすがだね!」と言った


そしてちゃたは「それであの綺麗な姉ちゃんの依頼ってなんなん?奇理人はんたちにしか出来ない仕事なん?」と聞くと奇理人は

「そうみたいですよ~」と言った


ちゃたは「でもまたあの姉ちゃんに会わな依頼の内容とか分かんないんやもんな~」とい言うと奇理人は「ですね….。とりあえず後日ごじつ怪人かいとが会ったら依頼を受けるように伝えてもらうのと依頼いらい内容ないようを聞いてきてもらいましょう」と言うとちゃたは「わかった」と一言だけ言い肩から降りた


そしてそれぞれが式神に話おわるとベッドで就寝しゅうしんした


翌朝よくあさボクは境内の掃除をしに神社へ行くと再び綺麗な姉ちゃんがあらわれ「やっほー!そこの坊や~どう?1晩、経って依頼を受ける気になったかしら?」とボクに話しかけてきた


ボクは「ご無沙汰ぶさたしております。はい、昨日きのうよる兄貴あにきたちと話しまして依頼は受けることにしました」と言うと彼女は「ありがとう。助かるわ」と言いニコッと笑った


ボクは「それで、依頼いらい内容ないようはどのようなもので?」と聞くと「そうね…言わなくちゃならないのね」

と彼女が言うとボクは首を傾げ「何か事情じじょうがおりで?」と言うと「そうなのよ、ちょっと聞いてくれるかしら?」と言い彼女は掛けていたサングラスと帽子ぼうしはずした


すると目は茜色あかねいろしたオレンジがかったひとみ紫色むらさきいろひとみをしたあたまにはえていた


「私は神族と魔族のハーフでね。普段ふだん魔力まりょくつのとオッドアイをかくして人間にんげんとして過ごしているのだけれど時間じかんによってはちからが出せなくなってしまってね」と言うと「あの、話が長くなりそうなら兄貴たちにも聞いてもらうのはどでしょうか?」とボクが言うと彼女は

「そうね!それがいいわ、案内あんないしてちょうだい」とボクたのんできたので「分かりました!でうちへ案内します」と言い彼女を境内けいだいにあるへとみちびくように案内した


一方いっぽう、そのころ兄貴あにきたちと式神しきがみはというと居間いまあつまって新聞しんぶんんだりほんを読んだりとまったりしていた


しばらくして境内けいだいにある我が家へ辿たどくとボクは「兄貴あにきたちが居間いまにいるので話せると思いますから、どうぞ上がってください」と言うと玄関げんかんを開けて中に入り彼女に言った


彼女は「ありがとう。上がらせてもらうわね」と玄関げんかんに入りを閉めていていたつくぎ我が家へと入った


屋敷内やしきない薄暗うすぐら廊下ろうかをしばらくあるくと怪人かいとは立ち止まりふすまが少しだけひらいていてそこからちいさなひかりこぼれていた


怪人かいとはそこに手を掛け静かにふすまをゆっくりと開けた


するとそこにはみどりがかった色合いろあいの着物きものを来ている祓い屋の4代目にして跡取あとと息子むすこの1番上の兄貴" "と明治めいじ時代じだいられている白いYシャツに赤いネクタイと茶色ちゃいろのベストを着ていて黒縁くろぶちメガネをかけている2番目の兄貴" "がモダンな座椅子ざいすに並んでこしかけていた


彼女はひらいたふすま部屋へやの前に立ち不安ふあんげな顔をしたまま顔をあげた


するとボクは「兄さんたち、依頼人いらいにんれてきました」と言うと2人の兄貴たちは声をそろえて彼女に向かって「「」」と言った


彼女は「どうも~。歓迎かんげいしてくれてるみたいね。私の名前は金崎かなさき とばりって言うんだけど本名ほんみょうじゃないの…、本名はあいする人との契約けいやくでしか名乗なのることが出来できないから偽名ぎめいで名乗らせてちょうだい」と兄貴たちに向かって言った


それを聞いた兄貴たちは「わかった…。」

「なるほど…。そういうことなら仕方ないな」と2人して納得なっとくしている様子ようすだった


そしてボクは「金崎さま、ばなしもなんですから居間いまに入りましょう」と彼女の背中せなかしたとき、手に少しかた感触かんしょく違和感いわかんを感じたがと思いグッと気持きもちを今はおさえた


それに気がついたのか妖太ようた兄さんは奇理人きりと兄さんに目配めくばせをして「なんかアイツ見覚みおぼえある顔だ」と奇理人兄さんに小声こごえで言った


すると奇理人兄さんは「うむ。やはりそうか」と同じく小声で言った


僕は「では、お茶をお持ちしますのでここからはなれますね」と言い居間から静かに出て行った


その直後、彼女は兄貴たちに「あの…、お向かいの席に座ってもいいかしら?」と言うと

奇理人兄さんが「すまない…、座ってくれ」と言った


彼女は「ありがとう」と言い兄貴2人の真向まむかいの席に座った


しばらくしてお茶をはこんできたボクが居間に到着とうちゃくし「お待たせしました。お茶をお持ちしました」と手に持っていたのおぼんに乗った3つの鮮やかな緑色みどりいろした煎茶せんちゃ一口大ひとくちだいの小さな醤油味しょうゆあじ煎餅せんべいが入った白い小鉢こばちを持ってきた


持ってきた煎茶は金崎さん・兄貴2人の前に置き白い小鉢は机の真ん中へ置いた


すると金崎かなさきさんが僕に「ありがとう。気が利くわね」とニコッと笑った


そして掛けていたサングラスとかぶっていた帽子ぼうしを取り上着も脱いで椅子に座り横へ置いた時、妖太兄さんが唖然あぜんとした様子ようすで彼女を見た


「お前…やっぱりあの時の女か?」と言うと彼女は「あら?覚えててくれたのかしら」とクスッと笑うと妖太兄さんは「正直しょうじき、忘れていたというか姿形すがたかたちが違うから分かんなかった」と言った


すると彼女は「そうよね~、分からなくて当然とうぜんだわ…、だって学生がくせい時代じだい人間ひととして過ごしていたし、見た目も普通ふつうだったからね。とく特徴とくちょうなんてなかった」と言うとボクは「そうなんですか…」と彼女に話しかけてしまったが彼女は「そうなの。」と苦笑くしょうした


そして彼女は「そろそろ本題ほんだいを。わたし何かしたのか分からないのですが誰かに付きまとわれていて…。怖くて怖くて夜も眠れないのよ。だから助けてちょうだい!一体いったい、誰が私の事をつけてるかしら…」


すると奇理人兄さんは「妖太、お前は何か知らないのか?」と妖太兄さんひ言うと「うーん…。わからない」と言ったが「ただ金崎は人間ひとじゃないやつらにぬらわれてるのはたしかじゃないか?」と言った


すると奇理人兄さんは「だろうね。それで怪人かいときみはなんだと思う?」と僕に言うと僕は「金崎かなさきさん、貴方は背中に何か硬いものがあったようですが、なんなんですか?」と彼女に質問しつもんをした


すると彼女はびっくりした顔で「キミは私の背中せなかをいつの間にか触ったのね…。いいわ、教えてあげる。私は半妖はんようでもあるの。だから背中せなかに黒い羽根はねがしまってあるわ」と言うと歴史れいし学者がくしゃ考古こうこ学者がくしゃの奇理人兄さんが「貴方あなたのハーフだけじゃなくてってことは歴史れきしなかでもきわめて貴重きちょう存在そんざいであることはたしかだ…。

だが、それだけではになるのだろうか?」となやはじめた


そして妖太兄さんも「だがそれも極めて貴重な存在であるとありゃー、妖怪ようかいの方も何か関わってくるんじゃないのか?」と彼女を指さしながら言った


彼女は「そうね…。やっぱり3つのながれてるし貴重な存在だから問題なのかも…」と言うと「それはどういう?」と奇理人兄さんが言った


彼女は「私のような神族と魔族のハーフはかなり貴重な存在でしょ?

さらとして存在したらくらいのがあると聞いたことがあるわ。でも私はずっと半妖はんようが流れていないと思っていたら先月、母が私に"貴方は半妖の血も受けいでる。いつか世界を滅ぼしてしまうかもしれない…、だけど妖力ようりょくを無くす事ができる存在は貴方あなた以外いがいだけ流れてるだけなのだから"と言ってくなってしまって現在げんざいはもう手掛てがかりがないのよ…」と落胆らくたんしたように言った


すると僕は「なるほど…。手掛かりは、その妖怪の血が流れてるだけなんですか?」と言うと「そうらしいわね…。だけどなんてこの街に数少ないし見つけられるかしら?」と不安ふあんげな表情ひょうじょうでこちらを見たが兄貴たちは「大丈夫ですよ、私たちに任せてください!とりあえず私と妖太で半妖の子をさがします」と言うと彼女は「ありがとうございます、宜しくお願いします。

あと私がつきまとわれてるけんについてはストーカーなのか分からないけど、それも調しらべてしいわ。お願いできるかしら?」とボクたち3人に言うとうつむめた


それを見てボクは「分かりました!その件もうけたまわります!あとこれはボクかんですが、まぎれもなくだと思うんですよ…。でも大丈夫!祓い屋じゃないけど兄貴たちと協力きょうりょくして解決かいけつして見せます!」


そう僕が言うと彼女は「とてもたのももしいわね」と言い笑うと「じゃあ、そういうことだから3人で仲良なかよく解決してちょうだいね~」と脱いだ上着うわぎ帽子ぼうしとサングラスを着用ちゃくようふすままであるボクに「ぼうや、神社じんじゃそとまで送ってくださる?」と話しかけてきた


ボクは「わかりました。では神社の境内けいだいそとまでご案内あんないします」と言い彼女と一緒いっしょふすまに向かいはしって行った


そしてのこされた兄貴たちはというとお互いを見つめ合いしばらくするとお互いに姿勢しせいただしてなにやらかんがごとはじめた


かくして3な力を駆使くししたが始まったのだった

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