June

episode.『06月10日(木)/06月14日(月)』



張り詰めていた糸がぷつりと切られた


それはやる気の糸だった


研ぎに研いで研ぎ澄まして


光り輝く刃のように


集中力を溜めに溜めていた


それをいつも何かに断ち切られる


阻んでは邪魔をしてくる


その日の天気や


出くわした誰か


誘惑してくる煩悩


備わった三代欲求


腹が立つほどに大嫌いな存在たちだよ



      ※



いつの日も


帰り道は一人だった


隣に誰かがいて


駄弁って帰るなんて


そんな放課後の幻想は


落ちこぼれになったあの日から


失くしてしまった過去だった


途中で別れて帰るけど


また会いたくて家を飛び出す


そんな日々が懐かしい


もう取り戻せない過去だ


戻ることのできない思い出だ


もう誰もいないんだ



      ※



電車の中では


誰もいない車両で


一人座ってるのが好き


お昼は一人でゆっくり食べたい


映画は一人で鑑賞して


翌日に感想を分かち合いたい


一人でできる趣味だけど


同じ仲間に出会いたい


故意な共有は苦だけれど


偶然出会ったものならば


心がとてもときめくんです


私はそういう運命の瞬間が大好きなのだ


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