episode.『12月20日(金)』



年配の人が着るスーツは、社会のしもべに見えてしまう。


同年代が着るスーツは、格好良く見えるけど、同時に別世界の住人に思えてしまう。


現実の息苦しさと、交わることのできない隔りを感じる。


そちら側には行けないと、行きたくはないと、拒絶している。


己を縛る鎖のように柵を纏うなんて嫌だよ。



      ※



一途な片思いほど、虚しいものはない。


どれだけ好きでいようと、それ相応の思いが返ってくることはないに等しい。


切ない孤独に何度も浸って、それでも思うことをやめられない。


報われなくても、どれだけ辛く苦しくても。


わかっていても、変わらず思いを馳せてしまう。


私はほんと、バカですよね。


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