episode.『09月05日(木)』



過去を振り返ると悲しくなる。


今を思えば、辛くなる。


だから未来に希望を抱く。


けれど現実は酷く冷淡で。


何もかもを摘み取っていく。


本当に報われるのか。


やってきたことに意味はあるのか。


努力が無駄にならないか。


そんな不安ばかりで。


世界が私を認めなくても、私は私の味方でありたいよ。



      ※



誰かに頼るのはよそう。


誰かに期待するのはよそう。


誰を信じたところで、裏切られない保証なんてないんだから。


たとえどんなに自分が寄り添っても。


その人の特別ではあれない。


いてもいなくても一緒なら、私なんて必要ないでしょ?


私は私のために生きるよ。


誰を救うのも私のため。


自己満足さ。



      ※



口で言わなきゃ伝わらないなら、私は何も言わない。


面倒臭いというのもある。


けれど、言ったところで無駄なことだってある。


言わなくてもわかることがある。


私がどんなに言葉を紡いでも、誰の心にも届きはしない。


この世の誰も私を見ないから。


見ようともせず、認めることもない。


無意味だ。



      ※



悲しい。苦しい。寂しい。辛い。痛い。怖い。助けて。


そんな叫びを零さない。


だから誰も気づけない。


私がどんな人間かなんて。


誰も見ようとはしないから。


誰も私を見つけられない。


一人であり、独りだから。


誰を頼ることも許さない。


しようと思えばできるのに。


そうしないのは、ただの意地。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る