episode.『02月27日(水)/02月28日(木)』
明日は学校。明後日は卒業。
清々するのに、どこか寂しい。
あっという間に流れた灰色の3年間。
楽しい思い出なんて、何一つ存在しない。
でも、これでいい。
何もないからこそ、音沙汰もなく消えていける。
誰の印象にも残らない。
陰に徹していてよかったと、心底思っている。
私は、孤独だから――。
※
10年以上の片想いにけりをつけ、数日が過ぎ。
溜め込んでいたモノが薄れて、少し気楽になった。
返事がないのは当然。でも、ちょっぴり寂しい。
あったらあったで、怖いんだけど。
自分勝手で、独り善がりな迷惑行為。
届いたかな?伝わったかな?
ありがとうとさようなら。
私は君が大好きでした――。
※
おかしいな、今凄く寂しいんだ。
高校卒業を控え、まだ子供でいたいからなのか。
心機一転、新たに始まる春の兆しを恐れているのか。
片想いの彼女に、別れを告げたからなのか。
吐き出して、楽になったはずの胸が落ち着かない。
また大切な人に出逢える事を。幸せな時が訪れる事を。
私は願っている。
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