December

episode.『12月01日(土)』



忘れたいし、忘れられたい。


やり直したいし、眠っていたい。


夢を手にできないから、夢に浸っていたい。


誰も私を知らなくていい。わからなくていい。


理解できるはずがないんだ。


仲良くなる気はないんだから。


必ず終わる関係なのだから。


あなたといても私は良くも悪くも、一人で、独りなんだ――。



      ※



誰とも関わる気なんてなかった。


触れ合ってしまえば、傷つくのは自分だから。


人は一人ではいられない。


まさにその通りだった。


傍にいるのが誰であろうと、人は孤独には勝てない。


でも私には、その気持ちがわからないよ。


だってそれが、私の存在意義だから。


私は一人でしかいられないみたいだ。



      ※



見限りと裏切り。


幸せなんてどこにもない、期待外れの世界。


だから心を開こうなんて思いもしない。


それにもう、本当の自分がどれなのかわからないしね。


開くための鍵、感情なんてものはどこかに置き忘れたよ。


あるのは、息苦しくても被り続けるこの仮面だけ。


誰も私を見つけてはくれないよ――。



      ※



私は、何のために生きればいいのだろう。


自分のために頑張ってきた。


けれど今、その先に光なんてないのだと思わされた。


いや違うな、叶いっこないって、予定を狂わされてばかりで、萎えているんだ。


好きな事をして、夢を掴む事だけが私を象る生きる糧。


それがダメなら死ぬしかないじゃないか――。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る