大人にこそ知ってほしい。ゲームは「悪いものじゃない」ということを

最近では、ゲームに関する色んなニュースが、テレビやネットで話題にあがるようになってきました。


ゲームにハマりすぎて、日常生活が困難になる「ゲーム依存症」が、きちんと国民病として認められるようになったり。


香川県が、ゲームに関する規制条例を発案したのも、つい最近の話ですね。




こういうニュースを見る度に思うんです。


ゲームが「悪いもの」にされているような気がして、私は悲しいな、と。




もちろん、日常生活に支障をきたすほどにゲームをやり続けるのはよくありません。


しかし、たとえたくさんゲームを遊んでいたとしても、ゲームと上手いこと付き合っていく事ができれば、ゲームはきちんと人間にとって「良いもの」になると、私はそう考えています。


そもそも、私がその良い例なんだと、証言したいくらいです。


だって私、小さい時からたくさんのゲームを遊んできましたが、日常生活が崩壊することはほぼ無かったんですよ。


頭が悪いわけでもありません。自慢ではありませんが、むしろ学校での成績はかなり良い方でした。小・中・高全てにおいて、です。テストの学年順位が一桁台なんて事も何回かありました。その頃からたくさんゲームを遊んでいたにも関わらず、です。


それに私は、ゲームという媒体に、たくさん自分の人生を救われてきたんです。




最初のエッセイでも書きましたが、子供の時から私の両親は共働き、姉も学校で忙しかったため、私以外の家族全員が忙しくて、私と一緒に家にいる時間や、私と遊べる時間もほぼ無いくらいでした。


一緒にいられる時間といえば、両親の休日の時くらい…。

しかし、毎日毎日働きづめの両親は、休日くらいは休みたいはずです。

私も、両親が忙しいことは知っていましたし、昔から周りに気を使う子供だったので、気軽に遊んでほしい、外で遊びたい、なんて事は言えませんでした。


けれど、そんな時に活躍してくれたのが「ゲーム」という媒体でした。


家にいながら、のんびりしながら、両親とゲームが出来る=両親と一緒に遊ぶ事が出来るという、日々が忙しい我が家にピッタリの「遊べるもの」だったのです。


休日の家事の合間などのほんのわずかな時間でも、一緒にゲームで遊ぶことなら出来ました。だってゲームなら、1回30分ほどで終わるうえに、一緒に遊べるゲームだってたくさんありますから。


ゲームを一緒に遊ぶ事で、家族と同じ事が出来て、家族と同じ時間が共有出来て、家族と「楽しい」という感情も共有出来て…まさに、我が家にとっては最適なコミュニケーションツールだったのです。


ゲームであれば、気軽に遊んで!とも言えます。外に出るよりも遥かに準備は簡単ですし、ほとんど拘束時間もありません。スキマ時間で出来ます。


それにゲームは、感覚でやるような物が多いです。

中には頭を使うゲームだってありますが、基本は頭も身体も酷使する事はありません。仕事で疲れていたってプレイ出来るのがゲームの良いところです。

疲れないからこそ、ゲームの依存度も高くなるのですから。


もちろん、時間がある時は長く遊んでくれる事もありました。

両親もそこそこゲームは好きでしたから、ゲームをしている時はたくさん笑ってくれました。私と同じように、本当に楽しそうに。私は、家族の笑顔を見るのも好きでしたから、その事も嬉しかったです。


私はそれだけで…。

子供は、両親と一緒に何かが出来るというだけで、本当に幸せなんですよ。


だから、ゲームは私にとって、本当に大切なものなんです。決して「悪いもの」ではありません。

そう断言できます。




あの頃から十数年経った今でも、私と家族の仲はかなり良いです。昔より時間も作れるようになりましたから、一緒にお出かけする事だってあります。


あの時一緒に遊んだゲームのおかげだと言っても、過言ではありません。


他にも、ゲームに救われたエピソードは数えきれないほどあるのですが、ひとまずはここまでにしておきます。


そういう「良いところ」もあるからこそ、私はゲームの事が大好きですし、ゲームの事を大切に思っています。




要は、子供のゲームを強制的にやめさせるとか、ゲームを遊ばせないとかではなくて、「どのようにしてゲームとも一緒に付き合っていくか」が大事なんじゃないかなと、私は考えています。


人間関係と一緒ですね。「この人の事は嫌いだから、この人と仕事したくない」なんて、大人の世界では通用しません。

たとえ嫌いだからと言っても、その人と上手く付き合えるようにする事で、捗る仕事だってあります。

まあ、ウマが合わない時はとことん合いませんが。それはそれ、仕事だと割り切ってやる事も大切です。

ゲームだって同じことだと思います。


テレビでも色んな番組に出演されていて、今でも東大の先生をしている林修先生も、こんな事を言っていたそうです。


「ゲームの時間を減らしたからと言って、子供が勉強する時間が増えるわけではない」と。


ゲームの時間を減らすのではなく、ゲームと勉強をどうやって両立させていけば良いのかを考える方が、私も効率は良いんじゃないかなと思います。




子供から遊びを奪う事は、してほしくないです。

ゲームだって、子供にとっては大切な、楽しい遊びなんです。


そうじゃなくて、「今日ここまで勉強できたら、この後ゲームしてもいいよ」とか、そういう感じにオンオフの切り替えをさせてあげる方が、より子供は勉強する気になるんじゃないかなと思います。

私も実際そういう感じでやっていましたし。




ゲームとも、上手いこと付き合える方法は必ずあるのだと、大人の方にこそ知ってもらいたいですね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る