のんびりキャンプライフ

アストラム

第1話 恒例の幼馴染みとのキャンプ、そして出会い

10月下旬─────────


中間テストも終わり肌寒い気候となってきた

小柄の少年と少女が透き通る青空の中、湖のあるキャンプサイトでテントを建てていた。


「にしてもそろそろ寒くなってきたなさすがに」


「まぁ11月にも入るしそろそろ焚き火も取り入れないとだな」


テントを建て終えた二人は富士山と湖に映る逆さ富士を眺めていた。


「いつものことながら綺麗だな」


「だな、一応薪とか拾っとくか」


「あぁ」


二人は夏の終わりとこの時期と春先にキャンプをし楽しんでいる。二人とも人が多いのは苦手なタイプのため冬の寒さに限界がくるまでの時期にキャンプをする。

 高校生の二人のうち背丈の高い少年は加賀美新、もう1人は小柄の少女の霧乃優愛、二人は幼馴染みで放課後はバイトをしては稼いだお金でキャンプ道具を買い週末にキャンプを二人で行っている。


逆さ富士を写真に納め、幼馴染みとの共通の友人のいるグループラインへ写真を載せた。


 新

『逆さ富士を撮った画像』


 初

『おー綺麗に撮れてるねー』

 

 新

『だろ』


 初

『それにしても寒そうなこの時期によくやるねー』


 新

『まだ大丈夫だぞでもさすがの俺たちも真冬の12月~2月はやらないけどねー寒ぃから』


 優愛

『私たちは人混みが嫌いだからな初めて連れていってもらったキャンプ場ではひどい目にあった』


 新

『確かに優愛、迷子になってたね』


 優愛

『あっ!言うな!』


 新

「痛いんだが」


 優愛

「嘘付け」


ラインしながら新を叩いているのは優愛


 初

『それじゃあまた学校で、二人のお土産話も聞かせてねーそれと楽しんでおいでー』


 新

『おう』


「あっ焚き火する?」


「まだいいけど薪だけ集めちゃおっか」


「だな」


のんびりする前に二人は近くの林に入り込み薪を集めだした。


「あっその前に松ぼっくりもだな」


「だな」


 数分後


バックには大量の松ぼっくりと薪が敷き詰められていた。


「取りすぎたな」


「だなけどまぁよし」


二人は薪などを持って戻ると新たにテントが一組立てられていた。


「俺たちだけじゃないみたいだな」


「だな、さて薪は拾ったからしばらくのんびりしてるか」


「あぁそういや優愛が受付してるときに初からLINEきてたぞ」


「そうか確認しとく」


俺たちがのんびり本を読んでいると俺の隣で同じく本を読んでる幼馴染みはカタカタ震え始めていた。


「あらた」


「なに?」


「寒い」


「んじゃ焚き火すっか」


「うん」


焚き火の準備をし終え火を起こすと火はみるみるうちに燃えていった。しばらくしていると夕陽も傾きだし夕飯の準備をし始めた。


「さていつものことながらパスタをなににするかだな」


「無なんにスープパスタでいいんじゃない?」


「いつもと変わらんけどまっいっか」


幾度となく料理を作っているため新はテキパキと作り出した。

隣キャンパーに視線を移すと高校生くらいの少女が同じく夕飯の支度をしていた。


「やっぱ料理は新のに限る」


「それ作るのがめんどいってことか」


「じゃあ今度教えて」


「わかった。次のシフトいつ?」


「来週は入ってるからキャンプするなら次の週になるなあらたは?」


「俺も優愛と同じだな、よし完成」


飯も食べ終え自由な時間を過ごしているとあたりは暗くなっていた。


「ん、トイレ」


「あっ俺も行く」


 数分後


「ん?あらたはまだなのか」


新より先にトイレから出てきた優愛は待つことにした。


「もしかしてお隣キャンパーの人ですか?」


優愛が声のしたほうを振り返ると自身と同じくらいの女性がいた。


「…?」


優愛は思い返すと隣にはもう一組テントが設営されていたことを思い出した。


「あっ、はい」


「そうですか。あたし以外にもキャンパーがいて少しホッとしました。」


「お一人なんですか?」


「えぇあなたも?」


「いえ、幼馴染みが一緒です。今トイレなので待ってるところです。」


「そうですか」


「優愛ーお待たせー?」


新が戻ると優愛の他に一人の女性がいた。


「優愛、その人は?」


「あらたを待ってるときに話しかけてきた」


「なるほど(どこかで見覚えがあるような?んー誰だ?)」


「あらた?」


「あっすまんなんでもない」


ボゥーっとしてると優愛が覗き込んできて現実に戻される。

キャンプサイトへと戻った三人は焚き火を囲んで少女と会話した。


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