「秋山が立たされた理由」欄のある学級日誌 27.5冊目📚

如月 仁成

予告編 クリスマスローズのせい


 ~ 十二月二十六日(木) ~

クリスマスローズの花言葉 発狂



 ……うそですよね。


 なにがなの?


 冒頭の花言葉。


 冒頭とか言っちゃダメなの。あたしたちは、小説じゃないよって「てい」を装わなきゃいけないお仕事をしてるの。


 君に至っては明言しちゃってるじゃないですか。それにお仕事してるわけじゃないでしょうに。


 時給300円。


 お仕事っ! おまえ、お金貰ってたの!? しかも、安過ぎなのです!


 平気。道久君の分と合わせっと、それなりになるの。


 こらー! だから俺が知らなかったのですね!?


 世の中、道久君が知らない方があたしが幸せになることは沢山あるの。


 不条理です! というか、それは泥棒!


 道久君も、お金貰ってんだからメタなこと言わないよう気を付けるの。


 どの口が言いますか、ネコババ穂咲さん。


 行がどうとかもだめ。作者がどうとかもだめ。


 年中言ってますよね、きみ。


 それが2.4次元人のたしなみなの。


 ……ん? 2.5次元ではないのですか?


 あれは三次元なの。


 四捨五入してるの?


 ううん? だってあたしには、結局んとこリアルなイケメンを愛でてる世界に思えるの。


 なんの話?


 舞台の話。


 よくわかりませんが……、とにかく、予告編を始めますよ?


 冒頭の花言葉って、何のこと?


 ……始めますよ?


 でも。気になるの。


 ……クリスマスローズにはドラマティックで素敵な花言葉が沢山あるのです。


 誹謗中傷とか?


 なんてこったい。


 スキャンダルとかもあるの。


 私を忘れないで、とか。いたわり、とか。秋立に相応しいやつを言いなさいな。


 それ! それに変えとくの!


 は?



 ~ 十二月二十六日(木) ~

クリスマスローズの花言葉 板割り



 だからそういうメタなことしちゃダメだと言っ……、予測変換が!


 あのね? 作者が、家の低い棚によっこらしょって座ったらメキって。


 実話! だから予測変換の筆頭に並んでいたのですか。


 話が膨らみそうだから、そのまんま押してみたって言ってる。


 今回は完全に遊んでますね……。


 メキっていった時、ビビった後、へこんだって言ってたの。 


 それでさっき腹筋していたのですか。


 あれ、腿に効くだけでお腹周りは減らないらしいの。


 ……実体験?


 …………減らないらしいの。


 劉備みたいにお腹を摘まんでしょげなさんな。ほら、予告始めますよ?


 それより道久君、どうしてあたしの辞書を泥棒してたの?


 こら! 予告できないでしょうが!


 ……つ。


 懐かしいことしなさんな! それにまだ数日先!


 じゃあ、語尾を『くりすま』にするの。


 キャラを立てようとする工夫は見られますが、もっとキャラに愛情が湧くように、行動や背景作りにも留意しましょう。


 酷評されたの。


 あとそれは、昨日で閉店しました。


 でも、まだサンタ服の人いるの。街中に。


 いません。


 ほら。


 はいはい、始発待ちのまま駅のベンチで寝ちゃったおじさん指差さない。


 でも、サンタ服。


 昨日の夜、一体彼に何があったのかと想像は膨らみますが。 


 はっ!? キャラ立ち!


 寝てます。


 めりー、ねてますなの。


 ギャグが分かりづらく、テンポを崩しているのが残念です。テンポよく読み進めてもらいたい部分は、逆に時間をかけて丁寧に構成するよう心がけましょう。


 酷評されたの。


 ああもう! それこそ会話劇の限界文字数なのです! 構成考えて!


 どうせい?


 やかましい! なんにも今回の内容お伝えしてないじゃないですか!


 したの。


 はぁ!?


 内容の予告、したの。


 どこで!


 内容は、無いよう。


 …………オチにインパクトがありません。盛り上がる、ずっと印象に残るような最後の一言を研究してみましょう。


 酷評されたの。




 と、いうわけで。

 年末年始は、以上の二つを主題としてお届けする予定です!


 どうぞご期待くださいませ!


 ……ええ。

 一つは、悪ふざけ。


 もう一つは。



 最後の謎が明らかになる予定です。

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