#0 唐突な青春の蹉跌
教室棟2階の作法室と云う和室に、俺は居た。副担任にアンケート用紙を
そして、其の美しく、また
何故、こんな事に
5階建ての教室棟の最上階に位置する1年機械科1組
早く帰りたい俺の心境とは相反して、5階にも4階にも3階にも作法室は無かった。抑々、此の教室棟に
「おぉ」と思わず声が漏れた。「
何故、こんな事に為ったのだろう?
室内は畳張りで、
そんな部屋の中央に佐峰教師は背筋を伸ばし、正座していた。襖を開けたきり突っ立って室内を見渡している俺に、瞑想していたらしい先生は、眼を開き此方を見て、
「御苦労様。
と促した。此の時、
何故、こんな事に為ったのだろう?
俺は佐峰先生に
「御免ね。作法室の場所伝えてなかったから、難儀したでしょ」
「いえ、そうでも無かったですよ……」
其処で話は途切れ、微妙な空気が流れた。俺は黙った儘、眼の前に居る女教師に
此の、得体の知れない空気は、
まるで俺と佐峰先生が何かに飲み込まれていく様な気がした。何か、不可思議で抗えぬ巨大なものに。
俺は輝ける(筈の)
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