第6話 尾崎

 尾崎は地響きを感じた。足元がグラグラ揺れて思わず転びそうになったが、あの男性に教えてもらったBコースはなだらかな傾斜なので転ぶことなく踏みとどまった。

 その地響きがグラグラとはっきりした地震に変わり、目の前が文字通り上下に揺れ、轟音が最高潮に達したかと思うと、オイソレ山の山頂部から火柱が立ち昇った。それとともに大量の噴石らしき物体がAコースのある辺りに落ちていった。どうやら地面からもマグマ噴き出しているらしい。地獄かと思うような火柱が上がっている。

 あのまま男性の忠告を聞かずにAコースへ行ってたら噴石とマグマに巻き込まれていたかもしれないと尾崎は恐怖を感じた。

 あとになって調べてみたら、オイソレ山は何百万年ものあいだ活火山であったことがわかった。今は活動をしていないとのことだが、火山のことをよく調べてみたら、休火山と呼ばれていてもまったく噴火しないということはないらしい。

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