第五部

異変

 俺が異変に気付いたのは、魔眼を使おうとした時のことだった。


 ――見えない。


 いつもなら見えるはずの景色が見えないのだ。

 視力が下がったわけではない。魔眼が使えないのだ。

 魔眼には精神力が影響する。また、精神力には体調も影響する。

 しかし、体調はすこぶるいい。精神力もいつもと変わらない。むしろ、冴えているくらいだ。

 俺は一人鑑定屋へと赴いた。

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