飲む
ドアを開ける。
瞬間、人間一人の記憶が超高速で脳内に流れ込んでくる。
人生の記憶。生から死まで、数え切れない出来事が脳内を駆け巡る。
「…………」
気がついたら、俺は例の廊下に戻っていた。
危うく記憶の中に取り込まれるところだった。記憶に感情を向けたら同化してしまう。自分を見失わないように気をつけなければ、逆に飲み込まれてしまう。
次だ。次のドアだ。
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