きれぎれ、実話。

FK

第1話 俺の親友が結婚するわけがない!


 俺の名前はFK。アニメ好きのしがないサラリーマンだ。


 そんな俺がいつものように鈴羽でハァハァしている時、スマホが鳴った。


「くそ、なんだよ、今いいとこなんだよ!」


 相手は修羅の国に転勤中の親友からであった。ファック! 久しぶりじゃねぇか!


「もしも~し」

「あ、Kちゃん! 久しぶり!」

「おぉ、久しぶりじゃねか。おめぇさんどうした?」


 俺の問いに親友が応じる。


「いやね、ご報告がありまして」


 イヤな予感しかしない。修羅の国に転勤してから長くなるが、親友が改まった話をしてくるのは初めてだ。


「実はね……」

「お、おう?」

「この度わたくし、結婚することになりました!」

「はぁ? 俺は認めねえからな!」


 自分のおちょぼ口からとてつもなく大きな怒声がでてきたので、俺は俺でショックを受けていた。まさかこのような返答が出てくるとは思ってなかった。親友の結婚報告をこのように返したクズはそういないだろう。だが故に真実の叫びでもあった。


「えぇ……」


 親友の声は彼方まで引きつっていた。控えめに言って引いていた。それもそうだろう。よかったね、おめでとう! が第一声としてでてくるのが普通だし、そうあるべきだ。


「俺は……認められない。悪いが」


 最悪である。はなから俺の許可などいらない。親友からの結婚報告を許認可事業と勘違いするのはやめるべきだ。


「すまんな……」


 俺は電話を切った。そうすべきではなかったし、そうしてから後悔した。数少ない親友の一人を失ってしまった損失感はもとより、「俺は認めないからな!」が瞬時に出てきてしまった歪みきったメンタリティに絶望するしかなかった。


「もう、戻れないとこまで来ちまったか……」


 俺は鈴羽のおっぱいを凝視しつつ、タダでおっぱいが揉めるのかとか考え、戦争がない世の中を願った。


 つづく

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