第4話
地球連合軍の基地内にある第二演習場に今俺はいるのだが、上空を見上げると無数の得体の知れない何かが落下してきている。巨大なアンモナイトの殻みたいなやつだ。
そいつは町のあちこちに落下しているようだ、なんなんだ?あれは。
「な、なんて事じゃ・・・もう奴等はここを嗅ぎつけたというのか・・・」
ふいに一文字博士がつぶやいた、博士はこいつらが何なのか知っているのか。そして、仮設テントの指揮所では何やら慌てている様だ。
「カークス大尉!基地司令部より入伝!演習はただちに中止、ロングソードを格納庫へ移動し、速やかに状況に対処せよ、との事です!」
「うむ、やむを得まい、よし!撤収する!急げ!」
「ショートソードはどうしますか?」
「あれは一文字博士の所有物だ!そっちは博士に任せる!」
指揮所では慌ただしくなっている、色々な機材を片付けている様だ。撤収するのかな、そんなにヤバイ状況なのか、確かに得体の知れない物が空から降ってきて、なんかヤバイっぽいのは、さすがに俺でもわかる。
遠くの方の町の辺りから、何か黒煙の様な煙が立ちこめているようだ、マズイんじゃないのか、アレ。俺も早いとこ逃げねば。車が止めてある駐車場に向かおうとしたら、巨大なアンモナイトの殻みたいなのが近くに落ちた。物凄い衝撃だ、地面が揺れる。何とか踏み留まる、その後、巨大なアンモナイトの開いている開口部の所から何やら緑色をした巨人の様な人型の生物がわらわらと沢山出てきた。
「気をつけよ!電気屋!そいつはスペースモンスターじゃ!」
「スペースモンスター?博士、何か知っているのですか」
「わしも詳しくは知らん!専門外じゃからな、こいつ等はゴブリンと呼ばれておるそうじゃ!やつ等は破壊衝動しかない!」
「ゴブリン?」
ゴブリンと呼ばれているスペースモンスターは見た目が緑色の体色をした人型をしていて、身長5メートル位、手には棍棒の様な物を持っていたり、石斧の様な物であったり、弓矢の様な大昔に出てきた武器の様な物まで、実に様々な獲物を持っている様だ。それが大量に出てきている。
「おい!電気屋、確か川田君じゃったな、お前さんアーマーに乗れるんじゃったな、こっちに来てこのショートソードを動かせ!」
「え!?、確かにアーマーの免許は持ってますけど、アサルトアーマーなんて乗った事無いですよ!」
「基本操作はアーマーと同じじゃ、ただ操縦かんにトリガーやらボタンがいくつも付いとるだけじゃ!早ようせい!このままじゃと我々はただ殺されるだけじゃぞ!」
「た、戦えとおっしゃるのですか!?無理ですよ!本職のパイロットの方に任せましょう!」
「そのパイロットが今はおらんのじゃ!とっくに格納庫へ行ってしまったわい!」
気が付くと、アサルトアーマーのロングソードは既に格納庫方面へ向けて移動していた。動きが素早い、流石軍人さん、こういった事には慣れているようだ。指揮所での物資もトラックに積み込んで既に移動しようとしている所だった。
「このショートソードはわしの所有物でな、どの道正規のパイロットは使わせてもらえんのじゃ!お前さんにやってもらうしかないのじゃよ!」
「そ、そんな・・・」
「早よせい!やられてしまうぞ!」
見ると、ゴブリンと呼ばれているスペースモンスターが3体ほどこちらに向かって走ってきている。マジか、あんな巨人に来られたら踏み潰されてしまう。町のあっちこっちでたぶん似たような光景なんだろうな、生き残る為に、やるしかないのか。
俺はアサルトアーマーのショートソードのコクピットへと走る、ショートソードは直立している。コクピットから出ているワイヤーに足を掛けて上へと昇っていき、コクピットのシートに座る。・・・確かにアーマーと操縦系統は似ている。これならやれそうだ。アサルトのエンジンは既に立ち上がっている。回転数チェック、エネルギー残量チェック、各部動作チェック、・・・よし!いける!
コクピットのハッチを閉める、目の前のモニターが外の様子を映し出し、外の状況がわかるようになった。ゴブリンは?・・・正面だ!
『川田君、聞こえるかね、』
無線のスピーカーから一文字博士の声が聞こえてきた。
「はい、聞こえます博士」
『まずはシステムを戦闘モードへ切り替えるんじゃ』
「はい」
システムを通常モードから戦闘モードへと切り替える、すると、モニターにターゲットサイトのようなレティクルが表示された。これに照準を合わせて武器を使う訳か。若い頃この手のテレビゲームはやってきたからな、だけどこれはゲームじゃない。慎重にやっていかないと。
『システムを切り替えたら、次は武装選択じゃ、音声入力でいけるように改良してあるからの、よく聞くのじゃぞ川田君、まずスパイラルナックルじゃ、これは中、近距離戦用の武装じゃ、これをメインにやっていくんじゃ』
「スパイラルナックルですね、わかりました」
『そしてショルダーミサイル、これは遠距離用のロックオン方式の射撃武器じゃ』
「ショルダーミサイル・・・あった!これですね」
『そして、敵に接近された時に使う近接攻撃用の武装がブレストビームじゃ、こいつはエネルギーをドカ食いするから使う時は慎重にな』
「ブレストビームですね、はい、わかりました」
『後は川田君の腕しだいじゃ、とにかく生き残るぞい』
「はい!やってみます!」
目の前にはスペースモンスターのゴブリンが3体、こちらに向かって接近してきている。とにかく、やるしかない。こんな訳のわからないやつ等にやられる訳にはいかんな!できるだけ生き残っていかなくては。事務員のめぐちゃんは無事かな。
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