未来人は、野菜をとっても美味しく感じる?

 みんなとにかく肉が好き。みんなとにかく糖が好き。「美味しいものは、脂肪と糖でできている」なんてCMがあるとおり、ほとんどの人間は甘いものや脂っこいものが大好き。

 生きるためにカロリーが必要だから、カロリーが高いものを美味しく感じるようになってるらしい。逆にカロリーや糖度の低い野菜類は積極的に食べたいとは感じないようになっている(もちろんそうでない人もいるだろうが)。

 近代化以前は飢餓で亡くなる方も多かったのだろうし、なるほどこの味覚の仕組みは生存に大変有意義だ。


 でも、今はどうだろう。少なくとも日本において、飢餓で命を落とすことはほとんどないだろう。むしろ食べ過ぎによる生活習慣病で命を落とす確率の方が高い筈だ。

 そんな飽食の現代日本。この状況が仮にずっと続くのであれば、遠い未来では味覚の逆転現象が起こっていると思うんです。

 

 昔は生きるために最低限必要な糖が無いから、糖を美味しく感じるようになった。それなら、糖を控えて野菜を摂取した方が生存できる時代であれば、野菜を美味く感じるようになっていくのではないか。

 結構自然な理屈じゃない? 突飛かな?

 そう考えると、近年のヘルシー思考はそのはしりに思えてくる。


 もしそうなったら、その世界ではお母さんが子供に「ピーマンばっか食べてないで唐揚げ食べなさい!」とか「今日は○○の大好きなサラダ盛り合わせよ♥️」なんて台詞を言ってるんでしょうか。あのCMも「美味しいものは、食物繊維でできている」に変わってるかも。


現代の味覚の持ち主からすると、なんだか落ち着かない世界ですね。見てみたいなぁ、その未来。

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