第26話 聞こえてきた声

 ##紗雪##


(ひゃ~~~!やってしまったぁ~~~!)


 お風呂から部屋に帰って来て鍵をかけ、すぐに布団にもぐった。

 帰って来た二人を見たら急に不安になって、勢い余って悠君が入ってるお風呂に突撃してしまったのはいいけど、あそこまでするつもりも言うつもりもなかった。

(多分…上は全部見られた…よね?下はちゃんと隠していたけど…てか水着で入ればよかったんじゃ?……ん~ん、多分それじゃ間に合わなかったはず。どう思ったかな?せっちゃんと奈々ちゃんに比べれば小さいけど、形は悪くないはず!少しは興奮…してくれたかな?てゆ~かてゆ~か!付き合ってもいないのにあんなことするなんてアタシただの痴女じゃん!したのは自分なんだけど!にしても悠君の体やばかったぁ。肌と肌でくっつくのと普段じゃれてすり寄るのとは全然ちがう。あれはクセになってしまぅ。もしせっちゃんが選ばれたらそれが全部せっちゃんのものになっちゃう。ズルい…。どっちも選んでくれたらいいのに……ん?おやおや?どっちも選ばれたら三人で付き合うって事?想像してみたけどあんまりいやじゃ……ないかも?


(三人でってゆーのもアリかも……)



 ##雪花##


(フフ……ウフフフフフフフ…)

 今日、彼から貰ったネックレスを眺めていると顔が緩んで仕方がない…。

 私の名前をモチーフにしたネックレス……。ふと時計を見ると、日付が変わってしまっていた。

(フフフフフフ……ふぅ。もうこんな時間なのね)

 少し喉が乾いたので水を飲みに降りていくとまだリビングに明かりがついてたので、ちょっと顔だそうとドアノブに手をかけた


(まだ誰か起きてる?誰かしら?)


「………連れ子同士が実はホントの兄妹だって知ったらどうなるかしらね~?」


(えっ?弥生さんとお父さん!?この話なんなの!?)


「元彼の子供を妊娠したまま別の人と結婚して、数年後にその元彼と子連れ再婚なんてそうそうある話じゃないからなぁ」


(ど、どうゆうことなの?)


「実はみんな血が繋がってたってゆーね」


(……………)


「いつ頃話す事にしようか?」


「そのうちこの二人は別れる事になるからその時にかな?」


(そんな……)


「その後は…………………」

「私の声質的に…………………」


 その後も二人は何か話してけど頭に全然入ってこなかった。

 どうやって部屋に戻ってきたのかも覚えてない…。


(そんな…私達と彼が、悠聖君が血の繋がった異母兄妹?嘘…でしょ?)


 さっきの話を頭の中でまとめていく。

 弥生さんとお父さんは昔付き合っていた。弥生さんはお父さんの子を身籠ったあと、別の人と結婚して、悠聖君が産まれた。そして私達と悠聖君の誕生日の近さ的にもお父さんは私達のお母さんとも付き合ってて同時期に妊娠した……ってこと?そして、今再婚している…。

 その事をあんなに軽く楽しそうに話していたの?


(ひどい……信じられない……悠聖君、私はどうしたらいいの……?)


 時間と涙だけが流れていく

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