私に囲いはいません。脱出魔法少女!
しろくろぽん.
第1話 脱出
「うううう~ふぁんふぁんふぁんふぁんっ
うううう~ふぁんふぁんふぁんふぁんっ」
…………………
けたたましくサイレンが鳴り響く中、私はこの場から一刻も早く
脱出を試みようとしていた。
私は後藤 槐<エンジュ>。魔法少女の研修生で、同時に
高校1年生の女の子。背は145センチ、黒髪のショートヘアに
白玉ぜんざいのアクセサリーをつけてる女の子。
魔法少女 槐<エンジュ>
「っっ……はあっはあ…… はあっ……だ、だめっもう息が……。」
「ほ、ほうき置いた場所まであと…少し、もう少しで……」
「わああああ、追いつかれちゃうっ!!もうすぐ近くまで来てる……;」
みみ「そこの白玉ぜんざい魔法少女、ただちに止まりなさいっ!!ちょこまかと、
無駄にすばしっこいわねえ……」
まるで拡声器でも使っているかのような声が 空気の澄んだ空間に響き渡る。
くれあ「観念なさい、もう逃げ場なんてないわよ……なぎさ、魔法で挟み撃ちするか らしっかりそっちで動き見ててねっ!」
くれあ「はあああああああっ、エンドロールダークエグゼクティブ!!!
解!!!」
なぎさ「了~~解っ!いっくよお~☆ザザトス、スタンバイポールマグレッシア!!!」
魔法少女槐「きゃ、きゃああああああああああああああっ!!!」
二人のすさまじい高速魔法を受け、両足にダメージを負った槐。
槐「はあ……はあ、はあ……も、もうだめ……くっ」
くれあ「ふふふ……どうやら、年貢の納め時のようね……
行くわよっ いっせえ~~の~~っ で!!!」
なぎさ「速いっ……、けどこの私がいるからには大丈夫☆
ほ~~ら 捕まえ……」
謎の少年「さっ、早くこっちへ…… 急いでっ……」
なぎさ「あっあれえっ?!」
くれあ「もうなあにやってんのよ、なぎさ……。すっかり
逃げられちゃってるじゃない!!」
なぎさ「ご、ごめんなさあい><私としたことが途中でふっと消えて……」
謎の少年「っ……はあはあ、おそらくここまでは追ってこないだろう。
初めましてだね。君、名前は?」
謎の少年 身長は172センチ程で
髪は短髪黒髪、グリーンの瞳が印象的な
色白男性であった。
魔法少女 槐「どなたか存じませんが、危ないところを助けて頂いてありがとうございます!私は槐<エンジュ>っていいます……あ……あなたは?」
謎の少年 轆「俺は……轆<ろく>。ろくってよんでくれ。
ひとまず、これ君のほうきじゃないの?
完全AI型のほうきって……初めてみたけど…。」
「それはそうと君、まず怪我大丈夫?さっそく治療するからじっとして。」
そう伝えると轆は、手のひらを両足にかざし
「包囲治癒魔法 癒しの花畑っ!!!!」
ととなえ、みるみる傷を治療しはじめた。
「そもそも……一体なんで追われてるんだ……
あっ、わり言いたくなきゃ いいから。」
魔法少女 槐「あっうんん……大丈夫。 とあるアプリで魔法少女募集のサイトを見て
私なんかでいけるのなら……って応募して…」
「その実態がとんでもなく厳しくて、とてもじゃないけど
……<普通の女の子>に戻りたいって伝えたら……」
謎の少年轆「そしたら……?」
魔法少女 槐「……鬼のような形相で、あんたをやめさせるわけがないでしょ!!
何が何でも行使してもらいますっとか言われ、手の空いてる
同業者全員で連れ戻しにきたんです;」
謎の少年轆「それはまた大変だったな……、ってことは連れ戻しに来てた
連中ってもしかして……まさかの<魔法少女達>?!」
魔法少女 槐「うん……。ごめんなさい、おかしな話ですよね……。
けど初対面なのに不思議、轆君になら自然と話せてしまう…。」
轆「うんん、話してくれてありがと、槐ちゃん。そ、そういわれると
なんか照れくさいね。ありがと照 もし迷惑じゃなかったら……
一度<僕の知り合いの隠れ家>来るか?」
魔法少女 槐「お気遣いありがとうございます、<だが断る!!!>
じゃなかった…汗 ちょっと検討させて頂いてよろしいですか?!まだ初対面なので……」
轆「ええっ……君って意外にはっきりしてるんだね……。
あっ、もちろん!一応これ渡しておくねっ。いつでも大丈夫なので
気が向いたらここに連絡してっ。じゃっ!」
そして名刺を手渡すと、轆は颯爽にその場を立ち去っていった。
現実世界の槐の部屋~~
ベッドに仰向けに寝ころびながら、スマホを見ている槐。一応まだ魔法少女とはいえ、普通に私服はパーカーもこよなく愛する槐であった。
槐「あ~~、一番最初はあんなに時給も良くて好待遇で……魔法少女はアイドルみたいなイメージもあったのに……。それに……あの轆<ろく>っていう少年……何者なんだろう…?」
「大体、魔法少女なんて私以外にも きりないほどいるはずなのに、
なんで<私>じゃなきゃダメなの?こだわる意味わかんない。。」
槐の母「槐~~? 帰ってるの~?! もうご飯できてるわよっ
下りてらっしゃあい!」
槐「は~~い、今行くからあ~!!」
槐が立ち上がった瞬間……一枚の写真がひらひらと
宙を舞いながらフローリングに堕ちた。
槐「………え…?何この写真いつの間に……」
「こ………、これって……」
その写真の表にはまるで魔物界の王の座に座り、ワインを嗜んでいる
魔王かのような人物が満面の笑みで写っており
写真の裏にはこう記されてあった。
宇宙歴ー32000年 「轆」………と。
槐「………なっ、ど、どゆこと?! 一体なんであいつの名前が……」
「宇宙歴ー32000年?!」
はたして彼は一体……何者なのであろうか、はたまた
写真の意図する事とは?!
次回へつづくっ
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