渋子のアイドル物語
渋谷かな
第1話 アイドルになる!
「私、アイドルになる!」
私の名前は渋野ピヨコ。略して渋子。
「アイドル! カッコイイな!」
私は富士山の富士の樹海に住んでいる田舎者である。
「アイドルになりたい!」
私はテレビで見る、歌を歌っているアイドルたちが輝いて見えた。だって田舎は何もないんだもの。
「東京に行ってアイドルになりたい!」
田舎で輝いているものといえば、夜空の星ぐらい。決して人間が輝ける環境ではなかった。
「富士山なんかー! 大っ嫌いだー!!!!!!!!!!!!!!!!」
ほとんどの田舎者は地元が嫌いだ。なぜなら何にもないからだ。
「こんな退屈な所、生きながら死を待っているようなものだ!」
たまにアイドルになりたいのか、田舎が嫌いなのか分からなくなる。
「行かなくっちゃ! 東京!」
ただ言えることは、毎日、テレビで東京の情報ばかり放送され、東京に洗脳されていく。東京以外は日本ではない。日本は東京だけであり、東京以外は東京の植民地である。それが日本国の現状である。
「ピヨコお姉ちゃん。」
「何よ。日向?」
これは私の口の悪い憎たらしい妹の渋野日向。
「お姉ちゃんなんか田舎者、東京に行ってボロボロになって、泣きながら帰って来るのがオチだよ。」
「なんで、あんたにそんなことが分かるのよ?」
「だってネットに書いてある。」
妹からネットの画面を見せられる姉。
「日本のアイドル、韓国アイドルと現状は変わらず。芸能事務所の社長やアイドルスカウト、スポンサー、男性アイドル集団に性の接待。最後はヌードにAV撮影。闇売春営業のアイドル芸能界の現状。最後は自我が崩壊して麻薬に手を出して、アイドル終了。」
ネットには本当のアイドル業界の現状が書いてあった。
「ネットなんて、嘘ばっかりよー! これは、フェイクニュースだー!!!」
いえいえ、本当の芸能界のアイドルの運命です。
「諦めなさいって、ピヨコお姉ちゃん。あんたには無理。」
冷たく言い放つ妹。
「無理じゃない!? 私はできる子だ!」
私はアイドルになりたいという夢を諦めることができなかった。
「カーネルサンダース監督も言っていた! 諦めなければ、夢は叶うと!」
「ただの肉屋のオヤジでしょ。」
「ううううう・・・・・・。」
何を言っても妹には勝てない。そう気づいた私は親が心配しないように置手紙を書いて机に置いた。
「よし! 東京に行って、アイドルになってきます!」
家出少女の様に勢いよく、私は家を飛び出した。
「東京でアイドルになってきます。テレビで私が輝いているので探してね。」
置手紙には自分本位な言葉が書いてあった。
「ああ~行っちゃった。どうやって東京で生きていくのよ?」
呆れる妹。
「ワッハッハー! ワッハッハー! 待ってろ! 東京! 絶対にアイドルになってやる!」
渋野ピヨコは東京へ行く。
つづく。
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