第17話 天に代わって

「鳴かぬなら裁いてくれようホトトギス❗ 

 天に代わって、お前の悪事を❗」

 面前でキララを指差し大見栄を切った。


 これでには戻れない。




「くゥ……」キララは目を丸くした。


「な、何だ。キミは」

 司会者も大慌てだ。異変に気づいた警備員も駆けつけた。




「俺は世界でただ一人の【ビジュアル系弁護士 シンゴ】」



「な、何ィ、ビジュアル系弁護士❗」

 当然ながら船上は騒然だ。



「信長の末裔、織田 信吾シンゴだ❗」


「の、信長の末裔だとォ……❓」

 全員が唖然とした。



「マジ」クリスもビックリだ。

 ヒデだけニヤリと微笑んだ。



「やめてェ バカなの❗ こんな場所で」

 キララは叫んだ。


六人部むとべキララ、もう逃がしはしない❗」

 俺は彼女を睨み名指しした。彼女の顔がこわった。


「一條さん。おひさしぶりぶりです❗」

 すかさず俺は一條氏に会釈をした。


 主催者の一條ヒカルの父親だ。


 小さい頃、会っただけだが覚えていたようだ。



「ああ、キミは織田家のシンゴ君か。

 大きくなって」

 戸惑いながらも握手をした。


「少しの間、彼女をお借りします」

 俺は主催者に断り強引に六人部むとべキララの腕を取った。



「あなたは一体❓ 何者なの」

 キララも茫然だ。

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